『大草原の小さな家』キャスト、珍しい症状に苦しんでいたことを明かす

子役出身で長いキャリアを誇る女優のメリッサ・ギルバートが、代表作『大草原の小さな家』の撮影中、ミソフォニア(音嫌悪症)と呼ばれる珍しい症状に悩まされていたことを明かした。

自己嫌悪に陥りながらひそかに耐えていた日々を告白

世の中には様々な病気や症状があるが、稀であればあるほど正式な診断を受けるまで周囲の理解を得ることが難しく、誰にも相談できないまま一人で悩んだり苦しんだりすることも少なくない。『大草原の小さな家』の次女ローラ役で知られるメリッサもそんな経験をした一人だ。彼女は米Peopleの取材の中で、自身がミソフォニアとして知られる神経障害を患っていることを明かし、その経験を人々とシェアしたいと語った。

大草原の小さな家

ミソフォニアは音嫌悪症とも呼ばれ、症状としては特定の音や視覚的なきっかけに対して、強く不快な感情反応に悩まされる。特定の音の例としては、何かを噛む音や飲み込む音、キスする時の音などがあるが、メリッサは『大草原の小さな家』の撮影現場において子役キャストに囲まれた状況下でこうした音を耳にすることが多かったという。

「子どもがガムを噛んだり、何かを食べたり、テーブルを爪で叩いたりすると、その場から逃げ出したくてたまらなくなったの。そうなった時の私は顔を赤くして、目には涙を浮かべて、本当に惨めな気持ちを味わっていた。愛する人たちに対して自分が嫌悪感を抱くことに罪悪感を覚えながら、そこに座っていたわ」

そんな彼女は現在、名門大学として知られるデューク大学の医学部と手を組み、ミソフォニアに関する理解を広めるために活動中だ。ミソフォニアは2000年代初めから認知され始めたが、精神障害のデータベースにはいまだに登録されていなかったりと、まだまだ一般的な認知度は低い。メリッサ自身も去年この大学と繋がるまでは、自分が長年抱える悩みがミソフォニアだと知らなかったという。「それに名前があると分かった時、自分が悪い人間だったわけじゃないんだと分かって涙が出た」

ミソフォニアそのものは神経疾患になるが症状は感情的なものが多く、耐えきれなくなると愛する家族に対してさえ攻撃的になることもあるとされる。メリッサは何が自分のきっかけとなるかを理解し、それを耐える方法を学ぶために認知行動療法を数週間にわたり受けたそうだ。

「これは感情的な問題なの。自己制御、自己管理が大事なのよ」と話すメリッサ。彼女の勇気ある告白を受けて、ミソフォニアというものを知り、状況改善への一歩を踏み出すことができる人が増えるのではないだろうか。(海外ドラマNAVI)

参考元:米People

Photo:『大草原の小さな家』© 1974-1975 NBC Studios, Inc. All Rights Reserved.