『大草原の小さな家』リブート企画が今も実現していない理由とは?

米NBCで1974年から9シーズンにわたって放送された感動のファミリードラマ『大草原の小さな家』。そのリブート企画が存在しながらもいまだに実現に至っていない理由について、米Entertainment Weeklyが報じている。

『大草原の小さな家』は19世紀末のアメリカを舞台に、ミネソタ州の森林地帯に暮らすインガルス一家の日々を描いたファミリードラマ。ローラ・インガルスの実体験を下敷きにした小説のドラマ化で、日本でも大きな人気を博している。

近年ハリウッドでは過去の人気ドラマをリブートする動きが目立つが、『大草原の小さな家』はそのトレンドに乗っていない。1983年の放送終了以後、今でも日本を含む世界およそ30ヵ国で再放送されているシリーズは、2005年に米ABCでミニシリーズが製作されたほか、2008年から2010年にかけてミュージカル劇になっていた。

小説の映像化権を所有し、ドラマ版で製作総指揮を務めたエド・フレンドリーは2007年に亡くなったが、その息子に当たるトリップ・フレンドリーが、実は2012年にリブート企画を進めていたという。彼の働きかけにより、ソニー・ピクチャーズはアビ・モーガン(『ザ・スプリット 離婚弁護士』『刑事リバー 死者と共に生きる』)を脚本家に迎え、デヴィッド・ゴードン・グリーン(『ディキンスン 若き女性詩人の憂鬱』『セルフィッシュ・サマー』)を監督候補として、リブート版映画の製作を企画していたそうだ。

しかし、2015年にソニー・ピクチャーズのエイミー・パスカル会長が同職から去ったことを受け、このプロジェクトは頓挫。のちにパラマウント・ピクチャーズが脚本の買い取りを検討したが、契約成立には至らなかったとのこと。

復活の機会を逃してしまった『大草原の小さな家』だが、トリップ・フレンドリーは前向きだ。「父エドとは、彼が亡くなるまでこれについて話し合っていた。リブート向きの素材だと思うし、ファンも復活を望んでいる。時は熟した。リブートは実現すると考えている」と語り、現在もリブート版を立ち上げようとしている。まだ具体的な話は進んでいないが、「リブートにはみんな興味津々だ。特に今のタイミングではね」とコメント。アルマンゾ・ジェイムス・ワイルダー役のディーン・バトラーも同調し、「僕たちは今、未曾有の事態に直面している。だからこそ、『大草原の小さな家』のように暮らしがもっとシンプルだった頃のことをあらためて伝えることは、現代人への大きな刺激になるはずだよ」と話している。

リブート版が実現した暁には、少なくとも一人はオリジナルキャストが参加してくれるようだ。かつてローラをいじめていたネリー・オルソン・ダルトン役のアリソン・アーングリンは「絶対に駆けつけるわ。オルソン夫人を演じるのにちょうどいい年齢になったしね」と、リブート版に参加する意向を示している。

『大草原の小さな家』は、一家の大黒柱チャールズ・インガルス役でマイケル・ランドン、母親キャロライン役でカレン・グラッスル、長女メアリー役でメリッサ・スー・アンダーソン、次女ローラ役でメリッサ・ギルバート、三女キャリー役でリンジー&シドニー・グリーンブッシュ、四女グレース役でウェンディ&ブレンダ・ターンボウが出演していた。(海外ドラマNAVI)

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『大草原の小さな家』
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