オリジナル版『トワイライト・ゾーン』が5シーズンで打ち切られた理由

1959年にスタートしたオムニバス形式のドラマシリーズ『トワイライト・ゾーン』(日本では『ミステリー・ゾーン』のタイトルで放送。原題:The Twilight Zone)。このオリジナルシリーズは1964年にいったん終了したものの、その後何度もリバイバルを繰り返してきた人気シリーズだが、ではなぜオリジナルシリーズは5シーズンで終わりを迎えたのだろうか。

 

伝説のSFアンソロジー

本作は、出兵経験のあるロッド・サーリングの発案で、政治的・社会的問題を追求する枠組みとして考えられ、SFやホラーの要素を取り入れてコアファンを獲得していた。

サーリングは、社会問題への関心とテレビ局の重役や広告主に対する失望から、ハリウッドの“怒れる若者”というレッテルを貼られたが、彼が『トワイライト・ゾーン』にかける思いはそれほど強く、全156話のうち約3分の2を自身で執筆するほど、このシリーズのクリエイティブ・コントロールを堅持していた。

しかし、その思いの強さゆえに特定のトピックや予算をめぐってCBSの幹部や当時の社長のジェームズ・T・オーブリーと度々衝突し、実は以前にも2度キャンセル(その後すぐに復活)されていたのだ。

その末に、CBSが最終的な打ち切りを決定した時には、サーリングは仕事量の多さと創作合戦に疲れ果て、反論する気力もなかったという。米ABCがこのシリーズを引き継ぐことに関心を持ち、『Witches, Warlocks And Werewolves』というタイトルで、よりホラー要素にフォーカスした新番組を検討していたが、サーリングがそれには興味を持てなかったため実現には至らなかった。その後、『猿の惑星』(1968年)の脚本に関わった後に、『四次元への招待』というを古典アンソロジーを手がけた。

米脚本家組合が選ぶ、"アメリカTV史上最高の脚本に恵まれたTVシリーズ101作品"の第3位に選ばれたり、『トワイライト・ゾーン』で生み出された物語の数々は、今日にいたるまで数多くの映画やTVシリーズに影響を与えてきた。そんな伝説のSFアンソロジーは過去に何度もリブートされてきた。

2019年にジョーダン・ピール監督が蘇らせた『トワイライト・ゾーン』『ウォーキング・デッド』のスティーヴン・ユァン、『セヴェランス』のアダム・スコット、『ビバリーヒルズ青春白書』のジェイソン・プリーストリーらが出演している。

(海外ドラマNAVI)

 

Photo:『トワイライト・ゾーン』公式Instagramより(@thetwilightzone)