『ビッグバン★セオリー』ボブ・ニューハートが94歳で永眠。共演者らが追悼

数々のドラマや映画に出演してきたベテランのコメディ俳優、ボブ・ニューハートが7月18日(木)、ロサンゼルスにある自宅で亡くなった(享年94)。ここしばらく、軽度の病気に続けてかかっていたという。米Deadlineなど複数のメディアが報じた。

エミー賞を受賞、『ヤング・シェルドン』にも登場した人気キャラ

ドラマファンにとって最も有名なのは、『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』で演じた“プロトン教授”ことアーサー・ジェフリーズ役ではないだろうか。シーズン6で初登場したこのキャラクターは、シェルドンやレナードが子どもの頃にテレビで見ていた子ども向け科学番組の司会者で、ジャガイモや卵を使った実験で科学の楽しさを子どもに教えてくれるプロトン教授のファンであった二人がアーサーを自宅へ招待したことをきっかけに交流を持つように。この役でボブは2013年のエミー賞ゲスト男優賞に輝き、スピンオフ『ヤング・シェルドン』にも、幼い頃のシェルドンが見ている番組内のプロトン教授として姿を見せていた。

1929年イリノイ州生まれのボブが頭角を現したのは1960年代。自身のスタンダップコメディのライヴを収録したデビューアルバム「The Button-Down Mind of Bob Newhart(原題)」がビルボードチャートでロングランヒットとなり、1961年のグラミー賞で主要部門である最優秀アルバム賞と最優秀新人賞を受賞。1970年代からは『The Bob Newhart Show(原題)』『Newhart(原題)』といった自身の名前を冠した番組でお茶の間の人気を博した。

彼は若い頃に会計士として数年務めた後、コピーライターに。コメディアンを志したことはなかったが、周囲から「面白い」としょっちゅう褒められたことで、30代に突入した頃にコメディの世界で試してみることにしたという。「笑い声は世界で最も素敵な音の一つ」と生前のインタビューで語っていた。

そんなボブは『ビッグバン★セオリー』シリーズのほかにも、モーティ・フリックマンを演じた『デスパレートな妻たち』『ER 緊急救命室』『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』といった人気ドラマにゲスト出演。また、『ライブラリアン』シリーズにジャドソン役で幾度となく参加していた。映画では『イン&アウト』『エルフ ~サンタの国からやってきた~』『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』といったコメディ作品で印象的な役柄を演じた。1999年にはハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに名を刻んでいる。

コメディの世界で長らく活躍してきた彼に対する尊敬の念を『ビッグバン★セオリー』キャスト、スタッフが口にしている。

ペニー役のケイリー・クオコ=スウィーティングはInstagramのストーリーに投稿。「ボブという天才を目にできたことは夢のようだった。彼は上品で親切で、とにかく面白かった。どのテイクでも、いつだってね。永遠のアイコンよ。ボブ、あなたのことを忘れないわ! 私たちの夢を叶えてくれてありがとう」

エイミー役のメイエム・ビアリクは、Instagramに若い頃のボブの画像を掲載。レジェンドについての思い出を振り返った。「子どもの頃、ボブの番組を何時間も見ていた。あれが私のシットコムに関する技能を磨くことに繋がったと思う。『ビッグバン★セオリー』で彼と共演することができて夢が叶った。彼は努力を怠らないプロフェッショナルで、落ち着いていて面白く、さらに信じられないくらい打ち解けた人だった。彼のような存在はもう現れないでしょうね。寂しくなるわ」

スチュワート役のケヴィン・サスマンもX(旧Twitter)でレジェンドから受けた影響を明かした。「ボブのコメディアルバムを聴いていたよ。彼のドライなコメディスタイルに大きな影響を受けた。あえて多くを語らないスタイルが絶妙なんだ。『ビッグバン★セオリー』で彼と会えてその仕事ぶりを見られたのは最高だったね」

本人役で出演していたウィル・ウィートンも、ボブとの共演に興奮したそうで、Facebookにある日の思い出も回想している。「ボブと一緒のエピソードに出られた時は、自分の出番が終わっても現場に残って彼の演技を見ていたよ。そうせずにはいられなかったんだ。彼はすごく簡単なようにやるけど、そのすべてが面白い。それも、こちらが予想していた以上にね。ある日、撮影の合間の短い休憩時間で彼の隣に座ったことがあった。その時、周りには脚本家が数人と、俳優もほかに一人か二人いたと思う。するとボブが彼の人生とキャリアについて語ってくれたんだ。彼のようなレジェンドが素晴らしい経験を聞かせてくれるなんて最高だったよ。彼が亡くなったと聞いて、あの時の思い出がよみがえった。まるで昨日のことのようにね。あの時の彼は別に僕らを楽しませなくてもよかったのに、進んでそうしてくれた。彼がもたらしてくれたものに感謝しているよ。ボブ、どうかゆっくり眠って」

クリエイターのチャック・ロリーとビル・プラディもボブを追悼。ロリーは彼との思い出を次のように回想している。「何年も前からボブには僕の番組に出てほしいと頼んでいたんだけど、いつも答えはノーだった。でも『ビッグバン★セオリー』のことは気に入ってくれてようやく出演してもらえたんだ。彼から出された条件は二つ。一つは、複数のエピソードに登場するようなキャラクターであること。そしてもう一つはエミー賞を受賞すること。そのどちらも叶えることができた。コメディ界のレジェンドと一緒に仕事ができた。彼は素晴らしい仕事人であり、親切で優しい男性だった。そんな人を友人と呼べたことは本当に幸運だったよ」

プラディもXにボブとのツーショット画像を投稿し、「ボブ・ニューハートがすべてのコメディアン、すべてのコメディライターにとってどれほど重要な存在であるかを説明するのは難しい。そんな彼と短い間とはいえ一緒に仕事ができたのは、僕の人生にとって大きな喜びであり誇りだよ」と“コメディの師”への思いを綴っている。

同作以外では、ジョー・バイデン大統領もボブについて「アメリカの人々を何十年にもわたって笑わせてきたコメディ界のレジェンド」と称えた。

また、ボブと共演経験があったキャロル・バーネット(『アニー』)とジュリア・ダフィ(『Newhart』)とノア・ワイリー(『ライブラリアンズ』シリーズ)、ボブとドン・リックルズ(『トイ・ストーリー』シリーズ)の友情を描いたドキュメンタリーを制作したジャド・アパトー(『40歳の童貞男』)のほか、彼に影響を受けたという俳優やクリエイターたち、マーク・ハミル(『スター・ウォーズ』シリーズ)、ジェイミー・リー・カーティス(『フォーチュン・クッキー』)、デイモン・リンデロフ(『LOST』)、ポール・フェイグ(『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』)などが追悼の言葉を寄せている。

長年我々を笑わせてくれたボブの冥福を祈りたい。ボブがプロトン教授を演じている『ビッグバン★セオリー』全12シーズンと『ヤング・シェルドン』シーズン1~6はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline①Deadline②英Digital SpyDeadline③