『13日の金曜日』前日譚シリーズ、『ハンニバル』クリエイターが降板

A24製作の『13日の金曜日』シリーズの前日譚となるドラマ化企画から、ショーランナーとして起用されていた『ハンニバル』のクリエイター、ブライアン・フラーが降板した。Varietyが報じている。

『ハンニバル』復活に期待の声も

ジェイソン・ボーヒーズという殺人鬼のキャラクターが登場する『13日の金曜日』シリーズは、1980年に公開された映画『13日の金曜日』から始まった。

サマーキャンプ中に10代のキャンプカウンセラーたちが、何者かに次々と殺害されていくという物語で、55万ドルの予算に対して全世界で6000万ドル近い興行収入を記録し、大成功を収めた。それ以来、直接の続編や、『ジェイソンX 13日の金曜日』、『フレディVSジェイソン』、2009年の同名リブート版など、このフランチャイズから11本の映画が製作されている。

2022年に同作のドラマ化が決定した当初、ブライアン・フラーは、脚本家、エグゼクティブ・プロデューサー、そしてショーランナーとして参加することが発表されていたが、この度、クリエイティビティの違いにより、番組から降板したことをXで発表した。

フラーはまず、ホラー作品の脚色の大変さと『ハンニバル』の成功について言及。

「クラシックホラーの脚色は、私にも経験がある。このようなショーでは、視聴者が期待するものを提供するだけでなく、それを高め、変化させるビジョンが必要であり、それは野心的でリスクの高い試みである。『ハンニバル』のようにそれが成功すれば、ストーリーテラーにとっても視聴者にとってもパワフルな結果がもたらされる。共同ショーランナーのジム・デンジャー・グレイと私は、困難に直面したにもかかわらず、優秀な脚本スタッフとともに成し遂げることができた『ハンニバル』をとても誇りに思っている」

続けて、「私たちの手に負えない理由により、A24はこの作品について別の道を選択した。最終的な作品が、世界中の『13日の金曜日』ファンが楽しめるものになることを願っている」と、製作スタジオと方向性の相違があったことを明かした。

この投稿のコメント欄には、「とても残念なことだけど、少なくとも『ハンニバル』を復活させる時間が増えたということか!」「じゃあ『ハンニバル』新シーズンだね」などといった『ハンニバル』復活に期待するファンのリプライも複数寄せられている。

新しいショーランナーを探すことに

このプロジェクトに詳しい人物によると、同シリーズの企画自体が中止されることはなく、できるだけ早く新しいショーランナーを手配する予定だという。同シリーズの制作はまだ始まっておらず、キャスティングも行われていない。

同フランチャイズのオリジナル作品を執筆したヴィクター・ミラーは、マーク・トベロフ(『プレデター:ザ・プレイ』)、ロブ・バーサミアン(『フライデー・ザ・13th:ザ・ゲーム』)とともに製作総指揮として引き続き参加する。

ミラーとトベロフは長期間の裁判を経て、2021年に米国内でのオリジナル映画の脚本権を手に入れた。彼らは海外でも非独占的な権利を有しており、ゲーム版のプロデューサーを務めたバーサミアンを起用することで、このプロジェクトは映画のほかのすべての要素にもアクセスすることができる。

フラーは、『ハンニバル』のほか、『スタートレック:ディスカバリー』、『スタートレック:ヴォイジャー』、『HEROES/ヒーローズ』、『プッシング・デイジー 恋するパイメーカー』、『デッド・ライク・ミー 死神の新たな仕事』、『アメリカン・ゴッズ』などの番組を制作または共同制作したことで知られている。

『13日の金曜日』は、U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)