4月10日に元NFLスター選手のO・J・シンプソンが死去した後、実話をもとにした犯罪ドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー／O・J・シンプソン事件』のキャストであるサラ・ポールソンは、同作で自身が演じた検察官マーシャ・クラークに連絡を取ったという。米Entertainment Weeklyが伝えた。
当事者たちの身内に思いを馳せる
先月76歳でこの世を去ったO・Jは、スポーツ界で名を馳せるだけでなく、『タワーリング・インフェルノ』『カプリコン・1』『裸の銃（ガン）を持つ男』シリーズといった映画で俳優としても活躍。遺族によると、彼はガンを患っていたとのことで、この訃報は世界各国で大々的に報じられた。
O・Jはアメフト選手として功績を残した一方、1994年に元妻ニコール・ブラウンとその愛人のロナルド・ゴールドマンの殺害に関わった容疑で逮捕された「O・J・シンプソン事件」でも知られることに。O・Jが全面無罪を主張した刑事裁判は「世紀の裁判」と呼ばれ、全米のみならず世界中の注目を集めた。最終的に無罪判決を受けたこの裁判を、ヒットメイカーのライアン・マーフィーがドラマ化。米国で実際に起きた事件をテーマにした米FXのアンソロジーシリーズ『アメリカン・クライム・ストーリー』の第1弾『アメリカン・クライム・ストーリー／O・J・シンプソン事件』として2016年に発表されると、事件当時を知らない世代からの支持も集め、大きな反響を呼んだ。
この作品にはマーフィー作品常連であるサラも出演し、検察官のマーシャ・クラークを演じた。サラはO・Jの訃報を知った後、真っ先にクラークに連絡を取ったという。「彼が亡くなったと聞いて、いくつかのことを考えたの」と、ポッドキャスト番組『Dinner's on Me（原題）』で話したサラ。「すぐにマーシャに連絡したわ。すぐさまゴールドマン家とブラウン家のことを考えたけど、彼らにとって大切な人たちがもうこの世界にいない中で、この人（O・J・シンプソン）に関するニュースがまた全国的に報じられるであろうことも頭をよぎった」と、事件の被害者家族に思いを馳せたことも明かした。
とはいえ、サラはO・Jの身内のことも慮っている。「それから、彼の遺族のことも思った。それは私が彼を信じてるか、好きかどうかは関係ない。私自身は彼が有罪だと思ってるけど、そんなことを抜きにして、彼と交流があったり、彼のことを愛した人たちもこの世界にいる。誰かを亡くすって、どんな人にとっても悲しいことだもの」
演じた役がゆえに、O・Jの訃報後にたくさんのメッセージを受け取ったというサラ。「まるで私自身がマーシャであるかのように、たくさんの人から連絡をもらったわ。私がどう思ったかを知りたかったのかしらね。まあ、私サラ・ポールソンの考えはこの通りよ。でもマーシャがどう感じているかは私には分からない。私はマーシャ・クラークではないもの」
ちなみに、クラーク自身はEntertainment Tonightに「シンプソン氏のご家族にお悔やみを申し上げます」という短い声明を出している。
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Photo:『アメリカン・クライム・ストーリー／O・J・シンプソン事件』© 2016 Fox and its related entities. All rights reserved.
