英ITV、大反響を呼んだ郵便局スキャンダルに続いて別の社会問題も取り上げることに

英ITVは、郵便局スキャンダルを描いた『Mr Bates vs the Post Office(原題)』の成功を受けて、新たな社会問題をテーマにしたドラマの製作を決定したようだ。米Deadlineが伝えている。

次回のテーマは薬害エイズ事件

富士通も関連した「英国史上最大の冤罪事件」と呼ばれる郵便局スキャンダルを描き、大きな反響を呼んだ『Mr Bates vs the Post Office』。今年初めに放送された第1話は本国イギリスで920万人に視聴され、ITVの過去3年における新作ドラマとしての記録を更新。その後も見逃し配信などで多くの人が視聴し、2010年に同局で放送された『ダウントン・アビー』シーズン1を上回る記録を打ち出した。この事件の被害者を救済すべく新法制定を望む声が高まりを見せるなど、社会現象にまで発展している。それを受けて、ITVでは1970年代から1980年代に起きた「英国史上最大の健康被害スキャンダル」をテーマにした新作ドラマを製作する。

タイトル未定のこの新作の脚本を執筆するのは、『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』の元になった『Criminal Justice(原題)』などを手掛けたことで知られ、『Mr Bates vs the Post Office』の企画初期段階にも参加していたピーター・モファット。血友病患者やほかの血液障害を持つ人々が、加熱処理をしなかった血液を治療に使用したことでHIVや肝炎に感染する、いわゆる薬害エイズ事件に焦点を当てた内容になるという。

2022年に発表された調査結果によれば、およそ1250人の血液障害患者がHIVに感染し、少なくとも2400人以上がC型肝炎に感染したと報告されており、そのうちHIV感染者の4分の3(約940人)が、C型肝炎となった人の少なくとも700人が死亡したと伝えられている。ドラマでは、半世紀以上にわたって続いてきた過ちに関して、医師や政治家、巨大製薬会社が当時リスクについて知っていたのかを掘り下げる。

制作会社が決まっていない中、脚本家だけが決まった状態で製作にゴーサインを出すというのはITVにとって異例の事態だ。同局のポリー・ヒルはモファットの脚本について「素晴らしいし、明快さと共感性をもたらしながらこの重要な物語に正義を下している」と絶賛。

モファット本人は、被害に遭った人々に会い、彼らがどんなことを乗り越えてきたかを知ることができたのは非常に光栄だったと回想。「恥ずかしながら言わせてもらえば、この物語のリサーチを始めた時の私は、ほぼ無知に等しかった。さらに恥ずかしいことに、この無知は私の周りのほぼ全員に言えることだった。このスキャンダルの犠牲者は国によって何度も何度も失望させられてきた。このドラマが少しでも彼らの声を届ける助けになることを願っている」と話している。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline