富士通も関連した英郵便局スキャンダルを描くドラマ『Mr Bates vs the Post Office』、英国で話題騒然!

富士通も関連した英郵便局スキャンダルを描く新作ドラマ『Mr Bates vs the Post Office(原題)』が、英ITVにて2024年1月1日(月)から4日連続で放送されると瞬く間に大ヒットを放ち、本国で話題騒然となっている。

ドラマをきっかけに新法制定を求める声も

『Mr Bates vs the Post Office』は、「英国史上最大の冤罪事件」と呼ばれる郵便局スキャンダルを描く全4話のミニシリーズ。この事件では、1999年から2015年にかけて700人以上の郵便局員が、窓口の現金とシステム上の記録額が合わなかったことを理由に横領や不正経理で逮捕されたが、のちにその原因が富士通の会計システム「ホライゾン」の欠陥だったことが判明。この事件により、郵便局の窓口業務を担っていた従業員や局長は、支店口座の不足額を埋め合わせるために借金をしたり横領罪で収監されたりした。無実の罪を着せられた人々の一部は有罪判決を取り消されたものの、上訴が認められなかったりして汚名をそそげないまま亡くなった人も何人もおり、2021年から公聴会が続いている。

そんな中でこの度放送されたドラマシリーズでは、郵便局長の一人だったアラン・ベイツが主導し、無実を訴えて勝利した壮絶な法廷闘争に焦点が当てられている。この訴訟は濡れ衣を着せられた多くの人々の有罪判決を覆す道を切り開いた。

第1話はイギリスで920万人に視聴され、ITVの過去3年における新作ドラマとしての記録を更新。その後も見逃し配信で多くの人が視聴し、2010年に同局で放送された『ダウントン・アビー』シーズン1を上回る数字をマークしている。「より多くの視聴者が、何が起きたのかを理解できるようになった」と言われるこのドラマ版の大ヒットにより、同事件について取り上げた2022年放送のドキュメンタリー番組『Panorama(原題)』のエピソードも再び注目されることに。その結果、テレビの放送スケジュールも急遽変更。ITVは同作を1月15日(月)から18日(木)にかけて再放送することを決定し、『Panorama』の該当エピソードも英BBC Oneで1月10日(水)に再放送された。

さらに、ITシステムの不具合のせいで無実の罪に問われるという、信じられないような実話に衝撃を受けた視聴者から、「被害者の冤罪を速やかに晴らして補償する」ための新法の制定を求める声が上がり、国中を巻き込んだ社会現象が起きている。

主人公アラン・ベイツを演じるのは、『SHERLOCK/シャーロック』や『ジュラシック・ワールド/炎の王国』『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』などで知られるトビー・ジョーンズ。『名探偵ポワロ』のモニカ・ドラン、『ラスト・キングダム』のイアン・ハート、『ブロードチャーチ ~殺意の町~』のジュリー・ヘスモンドホールらも出演している。(海外ドラマNAVI)

参考元:英ITV英Radio Times①英Radio Times②英Radio Times③英BBC①英BBC②