ジェームズ・クラヴェルによるベストセラー小説を映像化した戦国ドラマ『SHOGUN 将軍』のキャスト&スタッフが、そのスケールが大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』を彷彿とさせる本作の制作過程などを語っている。
『レヴェナント』や『ゴッドファーザー』も参考に
『SHOGUN 将軍』の舞台は1600年(慶長5年)の日本。覇権をめぐり緊張感が高まっていた中、戦国最強の武将である吉井虎永に敵の包囲網が迫り、絶体絶命の状況へと追い詰められる。そんな時、彼の窮地を救う秘密を持ったイギリス人航海士ジョン・ブラックソーン(のちの按針)が、虎永の領地へ漂着したことで戦局が変わり始める──。
米Entertainment Weeklyのインタビューで、吉井虎永役で主演しプロデューサーも務める真田広之が、2021年9月に撮影セットが完成しつつあるのを目にした時、自身がいかに大きなプロジェクトを背負うことになるのかを理解したと回顧した。「すでに城や村全体、実物大の船を建設し始めていたのですが、大規模なスケールで進んでいて本物のように見えました。そんなセットで演じることができて嬉しかったですし、その世界に飛び込むのは簡単でした」と振り返った。
その壮大なスケールは、莫大な製作費が投じられた『ゲーム・オブ・スローンズ』を容易に思い起こさせる。両シリーズは時代設定や物語のスタイル、文化も大きく異なるが、歴史を決定づける内戦が目前に迫った1600年の封建時代を舞台とした『将軍』では、裏の権力闘争と陰の同盟関係が色濃く描かれるため、陰謀と策略が張り巡らされた『ゲーム・オブ・スローンズ』との共通点は明白だ。しかし、『将軍』の共同クリエイターを務めるジャスティン・マークスによると、特に『ゲーム・オブ・スローンズ』路線を狙った訳ではなく、自然にこうなったのだという。
マークスは1100ページを超える原作小説の映像化について、こう語っている。「『ゲーム・オブ・スローンズ』との類似について言うなら、必ずしも、ああいう作品を目指していた訳ではありません。私たちはこの小説にふさわしいスケールで物語を伝えようとしただけで、そこには数多くの要素があります。原作には私たちが本当に守りたかった親密さがしっかり描かれているし、“やるなら、これまでにハリウッドが見たことのない種類のサムライストーリーをやろう”という気持ちがあったことは確かです」
また、黒澤明の大ファンだというマークスは、本作で伝統的なサムライ映画の枠を超えたビジュアルスタイルを開発したのだとか。「日本の時代劇を真似るのは、少なからず適切だと感じました。この文化に属さない西洋人として物語を探求するという観点において、とにかく繊細に取り組もうと努めました」と述べ、レオナルド・ディカプリオが主演した映画『レヴェナント:蘇えりし者』から多大なる視覚的インスピレーションを受けたとも付け加え、名優ダニエル・デイ・ルイスがモヒカン族を演じた『ラスト・オブ・モヒカン』の影響にも言及している。そして、エピソード監督を務めたジョナサン・ヴァン・タルケンと撮影監督のクリストファー・ロスは、『ゴッドファーザー』シリーズの照明の使い方を参考にしたとも明かした。
全10話となる『SHOGUN 将軍』は、2月27日(火)よりDisney+(ディズニープラス)の「スター」にて独占配信スタート。初回は2話配信、その後は毎週火曜日に一話ずつ配信される。(海外ドラマNAVI)
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Photo:『SHOGUN 将軍』2024年2月27日(火)からディズニープラスの「スター」にて独占配信 ©2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks