『そりゃないぜ!? フレイジャー』リブート版にあの人が戻らなかった理由

1993年から2004年まで米NBCで放送された人気シットコム『そりゃないぜ!? フレイジャー』(以下『フレイジャー』)。リブート版が米Paramount+にて今年10月から配信されたが、オリジナルに出演しつつもリブート版にカムバックしなかったキャストがその理由を語った。米Entertainment Weeklyなど複数のメディアが報じている。

「フレイジャーは新しい世界に移った」

デヴィッド・ハイド・ピアースは、オリジナル版の『フレイジャー』でケルシー・グラマー演じる主人公フレイジャー・クレインの弟ナイルズ・クレインに扮して4度エミー賞に輝いた。フレイジャーたちの父マーティン・クレインを演じたものの2018年に亡くなったジョン・マホーニーはもちろんだが、ナイルズ役のデヴィッドもメインキャストの一人ながらリブート版には出演しなかった。彼はL.A. Times紙のインタビューで、単にほかのプロジェクトが忙しすぎてリブート版に参加することができなかったと語った。

「またやりたいとは思っていなかったんだ。"絶対もう二度とやりたくない"と言ったわけじゃない。あの作品に関わっていた一秒一秒、どんな時でも大好きだった。でも、ただ単にほかのことをやりたかったんだ」

現在64歳になったデヴィッドは、『ハッピー・バレー』の主演で知られるサラ・ランカシャーがアメリカの一般家庭に初めてフランス料理を紹介したことで知られるジュリア・チャイルドを演じる2022年に始まった米Maxの伝記ドラマ『ジュリア -アメリカの食卓を変えたシェフ-』で、頼れる夫ポール・チャイルドを演じている。また、伝説の作曲家スティーヴン・ソンドハイムが2021年に亡くなる前に書いた最後の楽曲を収録したオフ・ブロードウェイ作品『Here We Are(原題)』でも強烈な脇役を演じている。

「リブート版について本格的に話を始めた時、僕はちょうど『ジュリア』を始めたばかりで、それと同時にミュージカルに取り組んでいたし、さらに別のミュージカルもやるつもりだったんだ」とデヴィッドは語った。「『フレイジャー』に取り組むことで、こういうほかのことができないのは嫌だと思った。それに、“僕は必要とされていない”とも思ったんだ。フレイジャーは新しい世界に移った。新しいキャラクターがいる。そして、僕は正しかったと思う。とてもうまくいっているよ。新しい仲間たちも素晴らしいからね」

リブート版には、フレイジャーの息子フレディ役のジャック・カットモア=スコット(『キングスマン』『トリック 難事件はオレにお任せ』)、フレイジャーの大学時代の友人で今では大学教授になったアラン役でニコラス・リンドハースト(『ニュー・トリックス ~退職デカの事件簿~』)、アランの同僚でハーバード大学の心理学教授を務めるオリヴィア・フィンチ役でトックス・オラグンドイ(『The Gifted ザ・ギフテッド』)、フレディのルームメイトでシングルマザーのイヴ役でジェス・サルゲイロ(『ワーキングママ』)、フレイジャーの甥デヴィッド役で新進俳優のアンダース・キースらが出演。ナイルズとダフネの息子役として、アンダースは出演しなかったデヴィッドの遺産を守り続けている。

『フレイジャー』リブート版では、成長した息子フレディが消防士として働くボストンに戻ってきた主人公フレイジャーの姿を描く。フレイジャーは新たな挑戦、築き上げるべき新たな人間関係、そしてついに果たすべき昔の夢とともに、古巣ボストンに戻って人生の新たな章に乗り出すというストーリーだ。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly