ハリウッド、スターからの抗議を受けてハロウィンの仮装ルール変更

開始から100日が経過してもなお、終わりが見えない状況が続いているハリウッドのSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)によるストライキ。その影響は月末に迫るハロウィンを楽しみにする子どもたちの仮装にまで一時は及んだが、ライアン・レイノルズらが抗議した結果、組合側が仮装ルールを変更したという。

『デッドプール』や『THIS IS US』のスターが異を唱える

事の発端は、組合が今月中旬にウェブサイトで公開した、ストライキ中に迎えるハロウィンに関するガイダンス。現在は削除されているが、今年大ヒットした『バービー』やマーベル、スター・ウォーズなどの人気作品の衣装を着るのではなく、ゴーストやゾンビやクモといった一般的なキャラクターに扮することを組合員に奨励する内容だった。

これを受けて、『デッドプール』のライアンは、「8歳の娘に向かって“スト破り”って夜通し叫びまくるのが楽しみだよ。娘は組合に属してないけど、学ばないといけないよね」とX(旧Twitter)に投稿。皮肉を交えて組合の方針を非難した。

『THIS IS US/ディス・イズ・アス』のマンディ・ムーアもInstagramのストーリーで「これって冗談よね?」と投稿。「これって何が大事なの? 組合には私たちに代わって誠意をもって交渉することをお願いしてたの。だからこそ、この業界のあらゆる面で非常に多くの人々が何ヵ月もの間、多大な犠牲を払ってきた。交渉を再開して全員が仕事に戻れるよう公正な取引を実現させて。どうかお願い、以上」と異議を唱えた。

さらに、『大草原の小さな家』のローラ役で知られ、2001年から2005年まで組合の代表を務めていたメリッサ・ギルバートもInstagramで「これがみんなで思いついたことなの? ハロウィンに誰が何を着るかなんて、文字通り誰も気にしてないから。真面目な話、本当にこんな幼稚なことがストライキを終わらせると思ったわけ?」と呆れた様子を見せた。

こうした声を受けてSAG-AFTRAは20日の夜に新たな声明を出し、こうした規則は組合員の子どもたちには適用されないと発表。米Hollywood Reporterによると、フェスティバルの時期にストライキをどのようにサポートするのか?というコンテンツクリエイターなどの組合員からの質問に答えたものだったと説明しているという。

「これはストライキで禁止されている、宣伝に関する行動を避ける目的だったが、最新のガイドラインを更新し、子どもたちには適用されないものとした。我々は重要な理由からストライキをしていて、100日ほど経過した。我々にとっての最優先事項は組合員のために公正な契約を結べるようスタジオ側を交渉の場に戻らせることであり、業界が仕事を再開できるようにすること」と声明で述べている。

当初発表されたガイダンスには、前述した内容のほかにも「ストライキ対象の作品ではなくアニメシリーズの衣装を着よう」「ストライキ対象の作品に着想を得た仮装の写真はSNSにあげないで」などとも書かれており、俳優が家族と過ごすプライベートな時間を制約する見当違いな方針に非難が殺到。組合はなかなかストライキの成果を出せずに苦戦している中、信頼が揺らぐ事態を招いてしまったようだ。

(海外ドラマNAVI)

参考元:米Hollywood Reporter