1話の途中で打ち切られた、アメリカのテレビ史上最も悪名高いと言われているコメディ番組にセカンドチャンスが与えられた。テレビプロデューサーのジョージ・シュラッターが、1969年に米ABCで放送されたスケッチコメディ『Turn-On(原題)』の2エピソードをYouTubeに公開した。米The Hollywood Reporterが伝えた。

悪名高いコメディ?『Turn-On』とは

この番組を製作したのは、米NBCの『Laugh-In(原題)』という番組のクリエイターだったシュラッターと、作家だったディグビー・ウルフ。真っ白なセットの上で矢継ぎ早に繰り広げられるスケッチ(寸劇)や短いアニメーション、そして当時としては際どい題材やセリフがこの番組の特徴だった。

1969年2月5日、当時ABCで放送されていたソープオペラ『ペイトン・プレイス物語』の枠で満を持して放送されたわけだが、最初のコマーシャルブレイクの時点で、クリーブランドの局は番組の打ち切りを決定。遅れて放送予定だった系列局は放送を中止し、事実上、初回の夜での幕引きとなった。

1話途中で打ち切りも、‟誇らしい”

しかし、シュラッターは2019年にポッドキャスト番組で「『Turn-On』は、私にとって最も誇らしい瞬間のひとつです」とコメント。続けて、「局から番組をやりましょうと言われ、1つの番組でやりたいことをなんでもやりたいと答えました。そして、『Turn-On』の放送を迎えることになりましたが、クリーブランドでは『ペイトン・プレイス物語』を続けたいとのこと...。『Turn-On』の放送が決まると、彼らはすべての放送局に電話をかけ、放送できないと伝えたんです。そして、全国でキャンセルされることになりました。それでも素晴らしい経験でした。『Turn-On』でやったことは、今では当たり前のことばかりです」と当時の経緯を説明した。

またシュラッター曰く、報酬を得るためには他局で放映しないことに同意しなければならなかったという。しかし、海賊版がネット上に出回っているため、プロデューサーはClown Jewelsと組んで公式にYouTubeでリリースすることを決めたという。現在配信されている二つのエピソードはシュラッターによる紹介があり、番組が作られた経緯や発表された背景も語られている。

(海外ドラマNAVI)