『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者、ジョン・グリシャムらがAI問題をめぐり集団民事訴訟へ

大人気ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者であるジョージ・R・R・マーティン、ジョン・グリシャムをはじめとする著名作家グループが、ChatGPTを公開した米OpenAIを相手取って集団民事訴訟を起こしたことが明らかとなった。

AI学習のための無断使用に抗議

米Deadlineによると、上述の作家に加え、マイケル・コネリーやジョディ・ピコーらも、AI(人工知能)が著作権で保護された著作物を、システムの「トレーニングデータ」として使用することに異議を唱える訴訟に参加したという。『ゲーム・オブ・スローンズ』のマーティンをはじめ、グリシャムは『ザ・ファーム 法律事務所』『無実 -The Innocent Man-』、コネリーは『BOSCH/ボッシュ』『リンカーン弁護士』といった形で自身の小説がドラマ化されており、海外ドラマファンにもなじみが深い作家ではないだろうか。

訴状によると、OpenAIのChatGPTはグリシャムの小説「処刑室」や「依頼人」、「法律事務所」の要約を正確に生成し、「甘い薬害」続編の詳細な概要を無許可で“正確に生成”したとのこと。またChatGPTは、グリシャムの「最後の陪審員」と「巨大訴訟」の正確な要約も作成しており、原告側は「ChatGPTがグリシャムの作品を摂取して“学習”していなければ、このような資料を作成することはできないだろう」と主張している。

“ジェネレーティブAI(機械学習の一種)”は、長年にわたってシリコンバレーがコンテンツ提供者から搾取してきた広範な新分野だ。訴状で、小説「コレクションズ」などで知られる作家のジョナサン・フランゼンは、「著作者は、自分の作品がいつAIの“学習訓練”に使われるかを決める権利を持つべきであり、もし作家がそれを選択するのであれば、適切な補償を受けるべきだ」と述べている。

この訴訟は、集団の認定、作家の著作物を大規模な言語モデルとして無許可で使用することを禁じる差し止め命令、不特定の実際の損害賠償、そして代替案として、侵害された作品一つにつき最高15万ドル(約2200万円)の法定損害賠償を求めている。

この訴訟は、AIをめぐってコンテンツ制作者らが起こした新たな訴訟の一つとなる。7月には、女優でコメディエンヌのサラ・シルヴァーマン(『マリー・ミー』)率いる一団が、OpenAIとMeta Platforms(元Facebook)を訴えていた。

『ゲーム・オブ・スローンズ』全8シーズンはU-NEXTで配信中。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline

Photo:ジョージ・R・R・マーティン ©2012 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.