『スパナチュ』で一番面白いのはシーズンいくつ?<ベスト&ワースト>

2005年から15シーズンにわたって放送された大人気超常現象ドラマ『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』。シリーズが長く続けば、どんな番組にも浮き沈みがあるものだが、それは『SUPERNATURAL』にも言えること。では、このドラマのベストシーズン、そしてワーストシーズンはいつだったのだろうか。

※本記事は各シーズンにおける若干のネタバレを含みます

ベスト『スパナチュ』シーズン【トップ3】

3位:シーズン3(2007–2008)全16話

ベスト3の1つは、シリーズで最も話数の少ないシーズン3。このシーズンが放送された2007年は脚本家のストライキが行われ、その影響を受けて当初の全22話から16話に変更された。シーズンの短縮によりストーリーが凝縮され、軸から離れたエピソードが少なかったため、それが視聴者にとって好ましいものとなったようだ。

前シーズンでは、ディーンは悪魔と取引(サムを生き返らせるために自身の余命が1年になる)をした。これを経て、シーズン3ではディーンが地獄に落ちないように多くの時間を費やし、サム&ディーン兄弟を助けようとする悪魔のルビー(ケイティ・キャシディ)や、ディーンが契約を結ぶ悪魔リリス(シエラ・マコーミック)らが新たに登場した。また、第5話の「グリム童話殺人事件」では、「ヘンゼルとグレーテル」や「赤ずきん」など誰もが知るおとぎ話を模しており、視聴者を楽しませた。

2位:シーズン4(2008–2009)全22話

シーズン4では、リリスはルシファー(マーク・ペルグリノ)を復活させるために66の封印を解こうと暗躍。新たにカスティエル(ミシャ・コリンズ)が登場し、ディーンを地獄から引き上げ、リリスの目論見からウィンチェスター兄弟を助けようとする。シーズンを通して徐々にルシファーの復活に近づき最終話で彼の復活に至るという展開で、緊迫感を演出し続けた。

また、サムとディーンの対立もシーズンの軸となった。ディーンはサムが自身のダークサイドを受け入れることを危惧するが、一方でサムはそれを自身でコントロールできると考え、それはリリスを止めるために必要なリスクだとも捉えていた。リリスはルビー(ジュヌヴィエーヴ・コルテーゼ ※新たな肉体を得ているため演者も変更)を使ってサムを操り、最終的にルシファーを復活させるという計画を成功させる。

1位:シーズン5(2009–2010)全22話

当初、多くのファンはこのシーズンで幕が下ろされると考えていた。それは、クリエイターのエリック・クリプキがショーランナーの職から退くこととなり、当初彼が構想していた『SUPERNATURAL』としては最後のシーズンだったから。

シーズン4の最後でルシファーが解き放たれ、このシーズンではウィンチェスター兄弟がルシファーとの戦いに身を投じることに。サムとディーンはそれぞれがルシファー(サム)とミカエル(ディーン)の器であることを知る。彼らはどうにか運命を避けようとするが、結果的にディーンはミカエルの器となり、サムは自分の体をルシファーに捧げ、封じ込めるに至る。シーズン5はいくつかの未解決の問題を残しつつも、ストーリーラインを結びつけそれまでの集大成として機能し、『SUPERNATURAL』のベストシーズンとなった。

ワースト『スパナチュ』シーズンは…?

シーズン14(2018–2019)全20話

サムとディーンがルシファーとミカエルの器という設定はシリーズを通して維持されるが、シーズン14では再びこのテーマが軸となり、新鮮味に欠けていたことがファンを惹きつけられなかった要因と考えられる。

ルシファーのかつての器だったニックが家族を殺された復讐を果たしルシファーを取り戻そうとする一方で、ミカエルの器だったディーンもまたミカエルから離れた影響を受け、さまざまな変化を経験する。ジョディ・ミルズ(キム・ローズ)やボビー・シンガー(ジム・ビーヴァー)といったファンのお気に入りのキャラクターたちが登場したものの、残念ながら不評なシーズンとなった。

『SUPERNATURAL』は「長期的に描く大筋」と「各話の戦い」という組み合わせで構成されており、それは15シーズン変わらない。シリーズを長く続けることで同じようなストーリーを繰り返すことは避けられず、結果的にシリーズの前期の方が盛り上がりやすく、後期は下降していきやすいことは仕方ないのかもしれない。それでも、積み上げられたクリエイティブな力がシリーズ後期で発揮されていることは間違いなく、だからこそ放送終了後もファンに愛され続け、スピンオフの製作にも繋がっているのだろう。

参照元:米ScreenRant

(海外ドラマNAVI)

Photo:『SUPERNATURAL/スーパーナチュラル』© Warner Bros. Entertainment Inc.