悲惨すぎるけど観るのをやめられない海外ドラマ5選

ドラマシリーズは2時間ほどで終わる映画とは違い、何話、何シーズンにもわたって番組や登場人物と関わり合いを持つため、どうしても感情移入してしまいがちだ。よって、物語や展開が悲惨すぎても観るのをやめられなくなってしまう。そんなTVシリーズを米Movie Webがチョイスしているので、そのうち5作品を紹介する。

シーズンフィナーレが“最悪だった”人気海外ドラマ5選

「終わり良ければ総てよし」とはよく言われるが、ドラマのフィナーレについては、そう簡単にはいかないようだ。米Colliderが、「シーズンフィナーレが最悪だった人気ドラマ」を取り上げているので、そのうち5作品を紹介する。 （※これ以降は、各シリーズの最終話に関する情報が含まれます） シーズンフィナーレ...

悲惨すぎるけど観るのをやめられない海外ドラマ

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

ベス・メイシー著「DOPESICK～アメリカを蝕むオピオイド危機～」を基に、1990年代から2000年代にかけて実際に起こった実話を脚色したミニシリーズ。米医薬企業パーデュー・ファーマが開発した、オピオイド系鎮痛剤“オキシコンチン”の誤ったマーケティングで同鎮痛剤が蔓延し、依存症患者が激増した米史上最悪の事態が描かれる。

現在も鎮痛剤の蔓延と患者の乱用を引き起こし続けている、利益主本の企業の貪欲さと冷徹な無関心に加え、やめたくても薬をやめられない依存症者の苦しみを見る度に胸が張り裂けそうになってしまう。

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』はDisney＋で配信中。

『シックス・フィート・アンダー』

2001年から5シーズンにかけて放送された米HBOのシリーズは、ロサンゼルスで葬儀屋を営むフィッシャー家を中心に、家長のナサニエルが亡くなった後の物語が描かれる。本作は葬儀屋が舞台となるだけに“死”が大きくフィーチャーされ、薬物依存症やセクシャル・アイデンティティの問題、認知症や病気、流産などがテーマとなり、観るのが辛くなってしまうこともある。

しかし、そこは数々の傑作を生み出してきたHBOのこと、その当時では取り上げにくかった問題もブラックユーモアを散りばめながら、非常に説得力のある物語に仕上げている。

『シックス・フィート・アンダー』はU-NEXTで配信中。

『シャープ・オブジェクト KIZU－傷－：連続少女猟奇殺人事件』

ギリアン・フリンによるベストセラーミステリー小説「Sharp Objects」のドラマ化。

アルコール依存症で自虐行為が止められない新聞記者カミール・プリーカーが、故郷ミズーリ州ウインド・ギャップで起きた2つの事件──、一人は殺害され、もう一人は行方不明になっているケースを取材することになる。

自分の家族と関係が上手くいっていないカミールの家族との辛い再会や自傷行為、不安定な精神状態、凄惨な事件などが生々しいリアルな描写で綴られるため、重々しい気持ちになってしまうだろう。全8話のミニシリーズでなかったら、完走が難しい人もいるかもしれない。

『シャープ・オブジェクト KIZU－傷－：連続少女猟奇殺人事件』はU-NEXTで配信中。

『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』

マーガレット・アトウッドによる同名小説のドラマ化。環境汚染などにより、女性の不妊率が上昇し、健康な女性が無理やり妊娠させられるディストピアな世界が描かれる。

女性に対する凄惨な暴力や拷問、性的虐待といった重いテーマが取り上げられるが、シーズン1がデビューした2017年は、奇しくも「#MeToo」ムーブメントが巻き起った年だ。『ハンドメイズ・テイル』のキャラクターが身に着けている赤いロングガウンと白いボネットをまとった女性たちがデモで行進するなど、本シリーズは女性の権利を訴える運動の立役者となった。

そういった現実を反映させながら怒りを原動力に、悲惨なシーンにも耐えつつも観賞した女性は多かったのではないだろうか。

『ハンドメイズ・テイル／侍女の物語』はHuluで配信中。

『ボクらを見る目』

1989年にセントラル・パークで白人女性が性的暴行を受けた、実際の事件を描くシリーズ。無実の罪で逮捕され、自白を強要された5人の少年たちが実刑判決を下され、彼らの人生は大きく狂ってしまう。

警察や法的機関から少年たちが受けた人種差別、政治的な腐敗、出所後も行き場を失った5人の人生など痛々しい展開が続くが、今も根強く残る人種差別に真摯に向き合うためにも、最後まで観賞しようとの強い思いが沸き上がって来る作品だ。

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（海外ドラマNAVI）