【ネタばれ】『グッド・オーメン』シーズン2、クロウリーとアジラフェルの〇〇の意味

Prime Videoで配信開始した『グッド・オーメンズ』シーズン2。およそ4年ぶりの新シーズンは解禁直後から大きな反響を呼んでいるが、特に話題となったあのシーンについて、Colliderが解説している。

(※本記事はネタバレを含みます。)

『グッド・オーメン』シーズン2フィナーレで…

テリー・プラチェットとニール・ゲイマンによる同名小説を英国出身の人気俳優コンビ、マイケル・シーンとデヴィッド・テナントで映像化したファンタジーコメディ『グッド・オーメンズ』。マイケル演じる天使アジラフェルとデヴィッド演じる悪魔クロウリーの関係が魅力のひとつで、ファンはその行方に熱い視線を送ってきた。

4年ぶりに新シーズンが解禁されるまでの間、二人の今後の展開について様々な憶測が飛び交ってきたが、そのひとつに二人がキスするのではないかというものがあった。ファンのみならず、原作者ゲイマンもその可能性をほのめかしていたため、シーズン2でどうなるのか注目が集まっていた。結果、フィナーレでキスシーンが描かれたわけだが、それはファンが思っていたようなキスとは違うようだ。

6,000年以上の付き合いがあり、互いに特別な思いを抱いているアジラフェルとクロウリー。地球に残って気楽な生活を送る二人の元に大天使ガブリエルが裸で現れたことでシーズン2は動き出す。ガブリエルが記憶喪失の状態で現れた理由は、とある人物に恋をしてしまったから。禁断の恋に足を踏み入れたガブリエルのみならず、アジラフェルが通うレコード店のマギーとカフェのニ-ナなど、シーズンを通してロマンスが鍵を握る。

ガブリエルを匿ったことで、追われる身になったアジラフェルとクロウリー。ガブリエルたちを見ているうちに、同じような愛を求めていることに気が付くが、その方法で対立してしまう。これまでも様々なことで対立してきて、それこそが二人の良さでもあったが、お互いの考えを変えることがないことが明らかになると、クロウリーは絶望的な最後の手段としてアジラフェルの襟首をつかみ、"素晴らしいキスひとつで"自分の気持ちをはっきりと表現しようとする。

『グッド・オーメン』これまでの背景は?

このシーンを理解するためには、これまでの背景が重要だ。シーズンを通してより人間的な視点を持つようになってきたクロウリーとアジラフェル。食べ物や音楽、本など地上の喜びを楽しんで人間っぽいライフスタイルを送ることを選んできたように愛の理解に関してもロマンス小説や映画から学んだことが彼らの知っているすべて。

最高のキスひとつで問題を解決できると信じるクロウリーと、待ち構える問題を無視して一晩踊ろうとするアジラフェル。二人はすぐに真の愛はより複雑であり、人間は多面的であることに気が付き、これまでの愛の解釈がメディアに影響された単純なものだと気が付いてしまう。恋愛の理想と現実に直面するのだ。

お互いを求めているけれど、上手く伝えられない二人。彼らは自分たちが言うべきことに集中しすぎて、相手が言っていることに聞く耳をもたず、相手が何を必要としているか、何を望んでいるかを考慮できない。地獄を悪いやつらの場所と考え天国でハッピーエンドを迎えられるように改革を起こしたいアジラフェルと天国と地獄の両方とも有毒な存在と考えるクロウリーは、根本的な考えが違うゆえに、どちらにも非があるといえずもどかしい。

お互いの気持ちを率直に伝えて離れ離れになったことは、二人の関係において重要な局面であることは間違いない。もちろんこれもシリーズのエンディングではなく、シーズン2のエンディングとしての話。ファンが期待を寄せるシーズン3の可能性について、ゲイマンは計画があることを明らかに。「もし作れることになったら満足のいく終わりになるよ。もしストライキの最中でなければ、今頃その脚本を執筆している真っ最中だっただろうね」と話しており、その行方を握るのは、十分な視聴実績だとファンへ協力を求めていた。

(海外ドラマNAVI)

Photo:Amazon Originalドラマシリーズ『グッド・オーメンズ』シーズン2©Amazon Studios