“まあまあ”だったMCU作品3選

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)は、フェーズ4が始まって以来、ドラマが映画に影響を与えたり、その逆もあったりと、かなり広がりを見せている。ディズニーはマーベルのドラマ作品を次々と発表しているが、そのすべてが『アベンジャーズ/エンドゲーム』『ブラックパンサー』のようなトップレベルのものばかりではない。thought catalogがマーベルのドラマを中心に"まあまあ"な作品をリストアップしているので一部紹介しよう。

“まあまあ”だったMCUドラマ

ホークアイ


『アベンジャーズ/エンドゲーム』後のニューヨークを舞台に、〈ヒーローを辞めたい男〉ホークアイを題材にしたシリーズ。ホークアイことクリント・バートンの後を継ぐ若きアベンジャー、ケイト・ビショップの冒険を中心に描く。

他のマーベル作品にありがちなCGIを駆使したスーパーパワーを一切排除した、手に汗握る戦闘シーンはMCUに変化をもたらすものだった。本作は、特別"新しいこと"をやっているわけではないが、親しみやすいキャラクターのやり取りや面白いアクションシーンがたくさんある楽しい作品だ。

ジェレミー・レナー演じるクリントと、ヘイリー・スタインフェルド演じる弟子ケイトの化学反応は、物語上の不都合をしばしば補ってくれる。見ている間は楽しいが、見終わってしまうとそこまで記憶に残る作品でもないかもしれない。

『ウェアウルフ・バイ・ナイト』(映画)

マーベル版“人狼”ことウェアウルフが主人公。ライカンスロープのスーパーヒーローが、血統がもたらす呪いによって与えられた能力を使って悪と戦う姿を描く。

不気味なモノクロの美学は狼男の伝説によくマッチしている。怖いと同時にバカバカしくもあるが、そこそこ面白い。

残念なことに、少し予想がつきやすく、53分という短い上映時間が長く感じられる。物足りなさはあるが、ガエル・ガルシア・ベルナルがこの作品の慈悲深い"怪物"を魅力的に演じている。典型的なマーベルの枠から一歩踏み出した作品であることは間違いない。

『ミズ・マーベル』


アベンジャーズのなかでも特にキャプテン・マーベルに憧れる女子高生、カマラ・カーンが秘められたパワーを覚醒させ、MCUで初となるムスリム系スーパーヒーローの道を歩み始める姿が描かれる。

本作には、素晴らしい家族とカルチャー的要素があり、それがこのドラマ最大の特徴として際立っている。

残念ながら、少し幼稚で非現実的に感じる部分もある。訓練を受けていない子供たちが、強力なヴィランや長年の戦闘経験を持つエリートチームに挑むというのは、マーベルにしてはちょっと『スパイ・キッズ』すぎる気がする。

しかし、植民地主義、移民体験、人種差別などのトピックを、青春のレンズを通してうまく取り上げている点、カマラを演じるイマン・ヴェラーニのカリスマ性という点では十分に見る価値がある。

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Photo:『ホークアイ』©2021 Marvel/『ミズ・マーベル』© 2023 Marvel/