『GCHQ:英国サイバー諜報局』インタビュー「私たちが知らないうちに戦争は避けられている」

英国諜報機関・GCHQを舞台に、現代のサイバー戦争の脅威をリアルに描くスパイサスペンス・ドラマ『GCHQ:英国サイバー諜報局』(全6話)。「スターチャンネルEX」で独占配信中(毎週月曜日に一話ずつエピソード更新)で「BS10 スターチャンネル」でも8月15日(火)より放送(8月5日(土)に第1話先行無料放送)される同作から、ハナー・ハリーク=ブラウン(サーラ・パーヴィン役)のインタビューが到着した。

ハナーが演じるのは、GCHQに学生インターンとして加わった若き天才ハッカーのサーラ。これが初主演ドラマだが、人気俳優のサイモン・ペッグ(『ミッション:インポッシブル』シリーズ)やオスカー俳優のマーク・ライランス(『ブリッジ・オブ・スパイ』)にも臆することなく、堂々とした演技を披露している。端役ではあるが『バービー』(8月11日公開)にも出演しており、今後の活躍が期待される新鋭だ。

多くの人が想像するのとはまったく異なるスパイの世界

――あなたが演じる主人公サーラについて教えてください。

サーラはロンドン大学でコンピュータサイエンスを学んでいる学生です。GCHQのマルウェア部門でインターンをすることになるのですが、勤務初日に英国へのサイバー攻撃が起こります。このドラマは、サーラが政府公認のハッカー(※ハッカーは本来「コンピューターやインターネットなどについて高度な知識や技術を持っている人」を指し、善悪の評価は含まない)として国の危機を阻止するために戦いながら、恋人や家族との間で葛藤する姿を描いています。

――オファーが来た時の感想は?

エージェントから役柄の詳細をもらって、やりたい!とすぐに思いました。彼女はとても知的で、情熱的で、野心的です。何より、あのピーター・コズミンスキー(『ウルフ・ホール』)の作品ですから! 彼は多くの俳優が一緒に仕事をしたいと憧れるクリエイターです。ピーターは台詞が一つしかないキャラクターにも詳しいバックストーリーを設定します。信じられないほど緻密にドラマの世界観を構築する人です。そして、南アジア出身の女性が物語の主人公であることに本当に驚きました。これはとても凄いことです。

GCHQ:英国サイバー諜報局

――撮影を通して、サイバー戦争やインテリジェンスについて学んだことはありますか?

今まで知らなかったことをたくさん学びました。一つは、このGCHQを取り巻くスパイの世界です。この世界は、多くの人が想像している世界とまったく異なると思います。私たちが知らないこと、耳にしないことが、これほどまでに多いとは思いませんでしたし、まさに別世界でした。脅威や攻撃が起きているけど、私たちが知らないうちに、実は戦争は避けられているのです。そしてもう一つ。サーラは天才的なWEBコーダーなので、私もプログラミングを勉強しなければと思い、JavaScriptとC++を学びました。私にできるわけがないと思ってましたが、誰でも学べばコードを書くことができるんです!

――このドラマの魅力の一つである“コードワールド”について教えてください。

“コードワールド”とは、サーラがPCに向かいコーディングに取り組んでいる時の様子を視覚的に表現した世界、つまり彼女の頭の中に存在するアナザーワールドです。彼女の物事に対する考え方は特殊で、マルウェア解読のアプローチも個性的です。“コードワールド”の撮影はとても楽しかったです。あるシーンはバリ島で撮影したのですが、サーラがスパイのように海から上がってきてビーチを歩いていると、ビーチハット(小屋)がたくさん並んでいて、そのうちの一つに南京錠がかかっているというものでした。

彼女は“コードワールド”では工具ベルトを腰に装着しているのですが、そこに差してある工具のバールやワイヤーカッターは“暗号を解読する道具”です。サーラはこれらの道具を使い、様々な空間を移動しながら敵(マルウェア)を追及していきます。でもそれは頭の中の世界。実際のサーラは、GCHQのデスクでPCに向かってキーボードを叩いているんです。

GCHQ:英国サイバー諜報局

――印象に残っているセットはありますか?

COBR(内閣府ブリーフィングルーム)のセットがとても素晴らしいです。そしてマーク・ライランス演じるジョンの家は、マークとの撮影でもありましたし、とても印象的な場所でした。モールス信号のオペレーターのデスクや、冷戦時代の諜報活動の古い機材があり、本当に驚きました。

――監督・製作総指揮・脚本を兼任したコズミンスキーとの仕事はいかがでした?

素晴らしいです。彼は演技をとても重要視する人で、私たち俳優の能力を最大限に引き出すべく、集中できる穏やかな現場を作ってくれました。まるで魔法使いです。本当に貴重な経験でした。

――『GCHQ:英国サイバー諜報局』の魅力は?

ひねりのあるストーリーと人間ドラマですね。予想外の関係や美しい関係、胸が張り裂けそうな関係など深いドラマがあります。主要なキャラクターだけでなくすべてのキャラクターが多面的であるところも素晴らしいです。主人公のサーラはとても複雑なキャラクターですが、南アジア系の女性のキャラクターがこのように描かれていることは注目だと思います。そしてシリアスな題材でありながら、エンターテインメント性が高い作品です。本当に恐ろしいこと、それと同時に、本当に美しい瞬間があります。そしてサイモン・ペッグやマーク・ライランスといった、素晴らしい俳優が出演していますからぜひご覧ください!

GCHQ:英国サイバー諜報局

『GCHQ:英国サイバー諜報局』配信・放送情報

【配信】
Amazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」
<字幕版>独占配信中 毎週月曜日一話ずつ更新
配信ページ:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0BZZ8PTV3
【放送】
BS10 スターチャンネル
<STAR1 字幕版> 8月15日(火)より毎週火曜日23:00~ ほか
※8月5日(土)14:00より字幕版第1話先行無料放送
<STAR3 吹替版> 8月17日(木)より毎週木曜日22:00~ ほか
作品公式サイト:https://www.star-ch.jp/drama/gchq/sid=1/p=

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Photo:『GCHQ:英国サイバー諜報局』©︎ Playground Television UK and Stonehenge Films MM XVIII. All Rights Reserved.