配信サービスのオリジナル作品は永遠にライブラリに残り、いつでも好きな時に視聴できるという時代は終わったと言えるかもしれない。Disney+(ディズニープラス)や米Max、米Paramount+は次々にコンテンツをライブラリから削除しているのだが、なぜ配信サービスは積極的に作品を削除するのだろうか?
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配信サービスの新しい常識
米Indie Wireによると、米HBOは2022年末までに何10本もの作品、Disney+は約1ヶ月前に米Huluの作品も併せて76作品、Paramount+も10作品以上をライブラリから削除している。
配信サービスの関係者の話では、視聴率の少ない番組をバッサリ切るのが新しい常識だとのこと。もはや、配信サービスのプラットフォームはコンテンツを保管する倉庫だとは見なされておらず、「すべてを残す必要はない」との方向性に切り替わっているという。
配信サービスが受ける恩恵とは?
では、すべての作品を残さないことで、配信サービスが受ける恩恵とは何なのだろうか? まずコンテンツを削除することで、プラットフォームがプロデューサーやスタジオに権利料を支払っている場合、そのコストを取り除くことが可能だ。すべてのコンテンツには償却スケジュールがあるため、削除することで償却が早まり、負担が削減されるメリットがある。
またストリーミング側が、どの作品を削除してどれを残すかキュレーションを行えば、独占的な感覚をユーザーに与えられる心理的な効果もあるだろう。
また、削除した作品を他のプラットフォームにライセンスすれば、別の形で利益を生み出せる。例を挙げるとワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、『インセキュア』や『シックス・フィート・アンダー』、『バンド・オブ・ブラザース』をはじめとするHBOのドラマシリーズ多数をNetflixにライセンスする契約が締結し、すでに米国では配信が始まっている。
これからは、ある番組を観たくて配信サービスに加入したら削除されていた…というケースが出てくるかもしれない。サブスクリプションを始める前に、お目当ての作品がライブラリに残っているかどうか確認した方がよいかもしれない。
(海外ドラマNAVI)