傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』の前日譚スピンオフ『ベター・コール・ソウル』で6シーズンにわたってキム役を演じたレイ・シーホーンが、キムとジミーのファースト&ラストシーンを振り返っている。
(※これ以降は、シーズン6最終話の展開に関する情報が含まれます)
物語が一周するかのようなファースト&ラストシーン
『ベター・コール・ソウル』は、『ブレイキング・バッド』で初登場した悪徳弁護士ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク)が、本名であるジミー・マッギルを名乗っていた時代が描かれる。そのファイナルとなるシーズン6最終話でジミーは、これまでに自分が重ねてきた犯罪を全て認め、法廷で86年間の服役を命じられてしまう。
最終話のエンディングは、ジミーの恋人で後に妻となったキムが刑務所に彼を訪ねて再会し、しんみりと一緒に煙草をくゆらすシーンが印象的だった。寄しくも、シーズン1で初めてジミーとキムが一緒に登場するシーンも、同じように二人は壁にもたれかかって煙草を吸っていた。
まるで物語が一周するかのようなファースト&ラストシーンについて、米Gold Derbyの取材に応えたレイが、まずはジミーとの最初のシーンについて振り返っている。
初日から信頼し合っていた
「友人としてだけでなく、キムやジミー、そしてシーンのパートナーとしても、ボブ(・オデンカーク)のことを理解しているし、私たちは演技の面でも似ている部分が多いんです。彼と私は、初日からシーンのパートナーとして本質的に信頼し合っていたし、かなり準備万端で撮影に臨みましたが、相手がどこにボールを投げてくるかとドキドキして、自分の演技を変えなければならないこともありました。その結果、私たちの間にケミストリーと呼べる絆が生まれたんです」と、少しずつ二人の間にケミストリーが生まれたと語った。
エンディングについて
また切ないラストシーンについては、「お互いをより深く知るために、最後までキムとして“ハイ、ジミー”と声をかけることに重みがありました。それは、“私はあなたを見ているし、あなたも私を見ている”という意味なんです」と説明。レイは、常にお互いを見つめて理解し合っていた二人には深い繋がりと愛、痛みと悲劇があったとし、こうエンディングについて述べている。
「私にとっては、あのシーンを最終日に演じたことで、この7年間でボブが経験してきたこと、その時にそこにいたことの重みを感じました。すべてがそこにあったんです。それを引き出すことが出来たのは良かったですが、ただ私があそこで泣いているだけではいけないから、制限しなくてはなりませんでした」と振り返っていた。
『ベター・コール・ソウル』が、本家の『ブレイキング・バッド』に劣らない安定した評価と人気を6シーズンにわたって維持できたのは、ボブ・オデンカークとレイ・シーホーンの揺るぎない信頼と絆に起因するところが大きかったのではないだろうか。
『ベター・コール・ソウル』はNetflixにて全シーズンが配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:『ベター・コール・ソウル』©Joe Pugliese/AMC/Sony Pictures Television