大型ミステリードラマ『THE HEAD』で南極の研究基地「ポラリス6」において迎えた驚愕の結末は終わりではなかった…。2年後に制作されたシーズン2では、舞台を太平洋に浮かぶ秘密研究基地に移し、逃げ場のない船の中で再び惨劇が幕を開ける。
福士が最も苦労したのはあの人との共演シーン
日本テレビで今月10日に放送された特別番組に、シーズン2に出演する福士蒼汰、そしてシーズン1に出演していた山下智久が登場。作品について語っている。
シーズン1が配信された直後にいち視聴者として見ていたという福士は、シーズン2にメインキャストの一人として参加したことに関して「まさかシーズン2があり、それに自分が出るなんて、1ミリも思っていなかったので相当ビックリでしたね」と語る。本作について、タイトルを象徴するシーズン1第1話の衝撃シーンにも言及しながら、「しょっぱなからのめり込んじゃう」と表現した。
そうやってファンとして楽しんでいた作品に出ることになった福士は、「僕にとって初めての海外作品だったので、できるかなっていう不安もあったんですけど、一番は嬉しさでしたね。20代のうちに海外に挑戦したいとずっと思っていたので、その夢(当時は29歳)が叶いました」と振り返った。
とはいえ、スペインで行われた撮影では様々な困難があったという。劇中では英語が使われているが、キャストはスウェーデンやフランスなど英語圏以外の出身者も多く、さらに周りのスタッフは全員スペイン人。そして通訳もほかの日本人もいない状況だったため、コミュニケーションを取るのもひと苦労だったとか。英語を話せた理由について聞かれると、「中・高で(英語が)得意だったんですよね。中学の英語の先生に“発音が上手だね”って言われたのをきっかけに、どんどん勉強していったんです。でも20歳の時にアメリカ人と話したら、まったく話せなかったんですよ。そこからスピーキングとかリスニングの勉強をするようになって、一日5分でも勉強するというのを続けていましたね」と、日々の努力の賜物であることを説明した。
また、ある日プレス・カンファレンスが行われた際には、男性陣はスタイリストもメイクアップ・アーティストも用意されなかったため、福士はシャツを買って持参のジャケットを着て、髪の毛を自分で整えて臨んだのだとか。「それが一番怖かったかも」と笑いながら回想している。
福士が演じるコンピューター・エンジニアのユウト・ナカムラは、冷静なキャラクターで感情的にならないところが自分の性格に近いため、やりやすかったという。ただし、シーズン1から引き続きシーズン2にも登場する生物学者アーサー・ワイルドを演じるジョン・リンチとの共演では手を焼くことに。ほかのキャストが基本的に台本通りにしゃべる中、アーサー役のジョンだけは毎回セリフを変える(セリフの順番を変えたりアドリブを付け加えたりする)ので、彼とのシーンでは事前にしっかり準備をしていく羽目に。ただ、そのおかげで、相手のセリフもちゃんと理解した上で自分の言葉を返すという、生きた対話が実現した。「意外とうまくはまって、アーサーとのシーンは生き生きしたライブ感のあるシーンになりましたね」
山下の「切ない愛の歌」が採用された経緯とは?
特番の終盤には、シーズン1で微生物学者のアキ・コバヤシを演じた山下も登場。撮影当時、現地のスタッフから「トモ」と呼ばれていたという山下は、作品のエンディング曲をシーズン1・2ともに担当している。その経緯について以下のように述べた。
「(シーズン1の時は)プロデューサーさんにダメ元で、“僕も音楽やってるんだけど、どうですか?”って冗談を交えつつ話したところ、いろんな歯車が合い、最終的に使っていただけることになったという感じです。(シーズン2については)プロデューサーさんから電話がかかってきて、“来週までにデモ送れる?”と言われたので、そこから日本の音楽プロデューサーに電話して曲を集め、作品のコンセプトに合いそうな曲を何曲か送ったんですけど、その中で僕が昔作ってた曲が良かったみたいで、急ピッチで2、3日以内にレコーディングした気がします」
シーズン2の曲「Dancing In A Dream」は切ない愛の歌だが、これはシーズン1で山下が演じた役柄が切なさのある役だったことをはじめ、作品全体にもそういう雰囲気があることが関係しているという。シーズン1のエンディング曲「Nights Cold」に続いて、シーズン2の曲も注目だ。
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」や「アクロイド殺し」、映画『ユージュアル・サスペクツ』などを彷彿とさせる『THE HEAD』。そのシーズン2(全6話)は、Huluにて6月17日(土)より配信スタート。毎週土曜日に新エピソードが配信される。福士、山下登場の特番はTVerにて配信中。TVerでは、シーズン1の本編も順次配信されている。(海外ドラマNAVI)
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