人気SFドラマ『新スター・トレック』のジャン=リュック・ピカード艦長のその後を描く『スター・トレック:ピカード』(以下『ピカード』)。そのファイナルシーズンには、『新スター・トレック』のキャストが数多くカムバックして大団円となったが、当初にその予定はなかったという。ショーランナーが、その実現に向けて掲げた指針などについて、製作舞台裏を明かしている。
“変化”ではなく、“アップデート”を
シーズン2よりショーランナーとして参加したテリー・マタラスは、『ピカード』で数多くの新キャラクターが主人公を支える設定に何の異議もなかったが、ファイナルシーズンに『新スター・トレック』のオリジナルキャストを呼び戻せたらどれだけ感動的だろうと思い描いたそうだ。
米Indie Wireのインタビューでマタラスは、シーズン3の設定などを“変化”させるのではなく、“アップデート”することを中核にファイナルの構想を練っていったと語っている。
マタラスが狙ったのは、ノスタルジーを煽るための単なるリユニオンではなく、20年ぶりにフランチャイズに再登場を果たすキャラクターたちの変化を描くことだったという。マタラスがあたためていたコンセプトを、クリエイターのアキヴァ・ゴールズマンとアレックス・カーツマンに打ち明けたところ、二人は好意的な反応を示してくれたとのこと。
"You know, Will, I've come to believe that the stars have always been in my favor..." -Jean-Luc Picard pic.twitter.com/CTG582V6sq
— Terry Matalas (@TerryMatalas) April 22, 2023
しかし、『新スター・トレック』のオリジナルキャストの多くを実際に復帰させることは容易ではない。その当時、マタラスは不安であまり眠れなかったそうだが、何カ月もかけて電話でのやりとりやミーティングを重ねた結果、ビバリー・クラッシャー役のゲイツ・マクファーデン、ウォーフ役のマイケル・ドーン、ウィリアム・ライカー役のジョナサン・フレイクスらオリジナルキャストの出演が決定。その他にも、『新スター・トレック』や90年代に公開された映画シリーズに携わった約12名のスタッフもカムバックした。
また、製作チームはキャストの復帰に向けて奔走するだけでなく、エンタープライズD型艦の舞台セットの制作にも追われ、たった2日間の撮影に必要なセットを3カ月以上かけて再現。また、90年代のバージョンに現代のテクノロジーを搭載するというアップデートも宇宙艦に加えられ、ファイナルシーズンではキャストの復帰や舞台セットの再現に関して、とにかく「アップデート」がキーワードとなっていたようだ。
『スター・トレック:ピカード』シーズン1~3はAmazon Prime Videoにて独占配信中。
(海外ドラマNAVI)
★『スター・トレック:ピカード』を今すぐ視聴する★
Photo:テリー・マタラス公式Twitterより