トム・ホランド、初主演ドラマ『クラウデット・ルーム』の影響で精神的に追い込まれた

MCU映画『スパイダーマン』シリーズで知られるトム・ホランドはApple TV+製作のスリラー『クラウデット・ルーム(原題:The Crowded Room)』でドラマ初主演を務めたが、その撮影では精神的に追い込まれたと話している。

多重人格のキャラクターから抜け出せず…

トムが演じるのは、1979年にニューヨークのロックフェラー・センターで起きた銃乱射事件への関与で逮捕されたダニー・サリバン。本作は、強姦事件で逮捕されるも解離性同一性障害と診断され、多重人格を理由に無罪判決を受けた最初の人物となったビリー・ミリガンの事件にインスパイアされている。『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアキヴァ・ゴールズマンがショーランナー、脚本、製作総指揮を担当。

多重人格がテーマの1996年の映画『真実の行方』のような作品に出たいと以前から思っていたトムは、今回の話が来た時にすぐさま興味を引かれたという。正式な脚本がまだできていない段階で主演だけでなく製作総指揮も務めることを決めるほど作品に高い信頼を寄せていたが、全10話のシリーズで、長期にわたる撮影期間の中で多重人格者を演じることは彼のメンタルに大きな影響を及ぼすことになった。

「キャラクターの中に僕自身を見ていたけど、それは私生活でのことだった」と米Entertainment Weeklyのインタビューに応えたトム。「家で少し正気を失いそうになって、“髪を剃ろう、このキャラクターから脱するために髪を剃らないといけない”って考えていたのを覚えている。撮影中だったので思いとどまったけど…これまで経験したことがないものだったよ」

16ヵ月以上にわたり作品のために禁酒していたトムは、メンタルヘルスに関する向き合い方に変化があったとも話している。「メンタルヘルスとその力について学ぶこと、ダニーやビリーの葛藤について精神科医たちと話をすることは、僕自身の人生にとっても有益だった」と話し、おかげで今ではソーシャルメディアのようなストレスを引き起こすきっかけを認識できるようになったと説明する。

「(作品の視聴者が)メンタルヘルスに悩む人々に対して、より尊重する気持ちや共感を抱いてくれたらと願っている。メンタルヘルスの力や葛藤、人間の持つ生き残るための素晴らしい能力について、この作品を通して学べたと感じてもらいたい」

アマンダ・セイフライド(『ドロップアウト ~シリコンバレーを騙した女』)やエミー・ロッサム(『シェイムレス 俺たちに恥はない』)、サッシャ・レイン(『ロキ』)も出演する『The Crowded Room』は、Apple TV+にて6月9日(金)に第1~3話が独占配信開始。それ以降は毎週金曜日に一話ずつ配信予定。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly