兄弟による殺人事件、『LAW & ORDER』版と別でライアン・マーフィーもドラマ化

『Glee/グリー』や『9-1-1:LA救命最前線』のクリエイターとして知られるライアン・マーフィーが、実際に起こったある事件をドラマ化することが分かった。米Deadlineなど複数のメディアが報じている。

食人鬼の次は兄弟の殺人犯

マーフィーが手掛けるのは、Netflixのアンソロジーシリーズ『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』のシーズン2となるもので、両親を殺害した罪で1996年に有罪判決を受けた二人の兄弟、ライル&エリック・メネンデスの事件を描く。Netflixではこの『Monsters: The Lyle and Erik Menendez Story(原題)』に加え、終身刑となったライルとエリックに独占的に取材し、ドキュメンタリーも制作する予定だ。

5月1日に公開された映像では、ライルが警察に通報し、電話で泣きながら「父と母が撃たれた」と伝えている。この新シーズンは2024年にNetflixで配信される。

メネンデス兄弟の事件は、アメリカで最も注目を集めた殺人事件の一つ。1989年、ビバリーヒルズの自宅でホセとメアリー・ルイーズ・"キティ"・メネンデスの夫妻が射殺された。彼らの息子であるライルとエリックは当初は容疑者と見なされていなかったが、警察は事件から数ヵ月後、親の遺産で豪遊していた彼らの関与を調べ始める。弟のエリックは最終的に精神科医のジェローム・オジールに犯行を告白し、オジールは愛人のジュダロン・スミスにそのことを話していた。そしてスミスが裁判の重要な証人となる。裁判の中で検事側は遺産目当ての犯行だと論じたが、兄弟は両親、特に父親から長年虐待を受けており、自分の身を守るための犯行だったと主張。当初、兄弟は別々に裁判にかけられたが、陪審員の意見が一致せず判決が下りなかったため、一緒に裁判にかけられることで有罪が確定した。ライルとエリックは仮釈放なしの終身刑を言い渡され、今も南カリフォルニアのリチャード・J・ドノバン矯正施設に収監されている。

ライルとエリックの第1回公判はテレビで放映され、国民はこの実況に釘付けになった。そのため、この事件は現代における犯罪のエンターテイメント化の先駆けだとも言われている。世間の注目の高さを受けて、判事は第2回公判の法廷にはテレビカメラを入れないという判断を下した。

エヴァン・ピーターズ(『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズ)が15人以上を手にかけた食人鬼を演じた『ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語』は、配信開始後60日間で10億時間以上視聴され、Netflixの英語番組としては『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4に次いで歴代2番目の成績を誇る。昨年11月、Netflixはそんな『ダーマー』の成功を受けて、『モンスター』シリーズをさらに2作作ることに。なお、Netflixは同シリーズが「社会に影響を与えた怪物的人物の物語を綴る」とだけ述べているため、毎回、殺人で有罪判決を受けた人物を追うことになるのかは不明。現時点では、第3シーズンで誰が取り上げられるのかは明らかにされていない。

また、このメネンデス兄弟の事件は、ヒットメイカーのディック・ウルフも2017年に人気ドラマ『LAW & ORDER』のスピンオフ『Law & Order: True Crime(原題)』としてドラマ化している。米NBCで放送されたこちらは全8話で、ライル役にマイルズ・ガストン・ビヤヌエバ(『レジデント 型破りな天才研修医』)、エリック役にガス・ハルパー(『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』)が出演していた。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline