クエンティン・タランティーノ監督の映画では何が起こるかわからないが、絶対に起こらないものもある。それが、ベッドシーン。タランティーノはスペインの新聞「Diari ARA」の取材で、「セックスは私の映画のヴィジョンには含まれません」と語った。米Entertainment Weeklyが報じている。
様々な名場面を誕生させてきたが…
『レザボア・ドッグス』では耳の切断、『パルプ・フィクション』では薬物の過剰摂取、そして『キル・ビル Vol.2』では五点掌爆心拳(相手のツボを突いて心臓を破裂させる技)など、タランティーノの作品には印象的な、時にグロいと言われる描写がある。
一方で、彼は自分の作品にヌード・セックスシーンを入れることには興味がないと告白。実際に、1997年の『ジャッキー・ブラウン』でロバート・デ・ニーロ(ルイス・ガーラ役)とブリジット・フォンダ(メラニー・ラルストン役)の親密な瞬間を描いた以外、彼の作品でセックスシーンを目にすることはないのだ。
さらに、撮影で官能的なシーンに取り組む難しさについても言及。「実際のところ、セックスシーンの撮影は苦痛で、みんなとても緊張します。ストーリーに不可欠ならやるでしょうが、今のところはその必要はないです」と述べた。
ハリウッドでは撮影時の性的搾取が問題になっており、より繊細なアプローチが求められている。近年は日本でもセックスシーンをケアするインティマシー・コーディネーターが導入されており、出演者の身体的・精神的な安全性を守ることが重要視されている。
タランティーノにとって長編映画10本目であり、彼の引退作になるとも言われている『The Movie Critic(原題)』は、今秋にも撮影が始まる予定。(海外ドラマNAVI)
Photo:クエンティン・タランティーノ©JW/Famous