【ネタバレ】『聖なるアイドル』レビュー!見た目はビジュ担当のアイドル、心は大神官?!

この記事では、U-NEXTにて独占見放題配信中の『聖なるアイドル』を、毎週2話ずつの配信に合わせてネタバレありでレビュー。

『聖なるアイドル』作品概要

原題대신관 렘브로리
制作年2023年
原作mythology jin(原作)、AXA(作画)
脚本イ・チョングム
演出パク・ソヨン
キャストランブラリー&ウ・ヨヌ:キム・ミンギュ
キム・ダル:コ・ボギョル
シン・ジョウン:イ・ジャンウ
イム・ソンジャ:イェ・ジウォン ほか

あらすじ

第1話 異世界から転移したら韓国アイドルになってしまって困ってます

異世界の大神官・ランブラリーは魔王と対峙している時、目まいに襲われ気づくと生放送の出番直前の韓国アイドル、ウ・ヨヌになっていた。ランブラリーは状況も飲み込めないままステージに立たされ、踊れと言われ...。

第2話 堕天の要求

ヨヌのファン、キム・ダルはランブラリーの言葉にヨヌがおかしくなったと感じる。一方、魔王に会うため、アイドルとしての成功を考えるランブラリー。そんななか、話題のヨヌに番組のオファーが舞い込む。

第3話 聖なる歌声

ヨヌと契約を交わしたランブラリーは、元に戻るため歌手賞を目指す。そして、始まるサバイバル番組『シングサバイバル』。ダルはヨヌを勝たせるためにサポートするが、ランブラリーは1次競演の選曲が不満だった。

第4話 忍び寄る影

黒魔術で声が出なくなったソン・ウシルを、神聖力で助けようとするランブラリー。2人のデュエットの結果は...。一方、シングサバイバルで注目を集めようとしていたオ・ジョンシンは、ヨヌの活躍にいら立っていた。

第5話 ヒーラー

黒魔術で豹変したジョンシンを神聖力で止めたランブラリー。それを見ていたダルは、彼がヨヌの想像ではないと理解する。そんななか、ランブラリーの治癒能力が話題に。ダルは彼の正体を隠そうと考えるが…。

第6話 つらい思い出

枕営業を疑われ、警察に連れて行かれるランブラリー。事務所はそのことで大騒ぎに。そんななか、ランブラリーは魔王の手先に襲われ負傷する。倒れているランブラリーを見つけたダルは、彼のため大胆な行動に出る。

第7話 衝撃的な事実

信仰する神・レドリン神に会うため、メン・ウシンからホンウデ隊のことを聞くランブラリー。そんななか、新曲のレコーディングが始まる。ワイルドアニマルのテインはメインパートを奪われたことに腹を立て…。

第8話 本当の願い

死神サ・ガムジェの案内で冥界にきたランブラリー。そこで彼は閻魔大王と契約を交わす。一方、ダルは魔王に黒魔術をかけられていた。ジョンシンから魔王の正体を聞き出し、ランブラリーたちは魔王のもとへ向かう。

第9話 好きな人

ダルからの告白に動揺するランブラリー。一方、告白したことを後悔するダル。そんななか、出演中の恋愛番組でランブラリーは告白のシーンを迎える。しかし、そこである報道が…。再びランブラリーは炎上してしまう。

第10話

更新され次第追記します。

第11話

更新され次第追記します。

最終話

更新され次第追記します。

 

※あらすじはU-NEXTより引用

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『聖なるアイドル』第1&2話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第1&2話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

このドラマ、ライブシーンに期待が持てそう…!

『社内お見合い』への出演で一躍人気俳優の仲間入りを果たしたキム・ミンギュは、AFTERSCHOOLやSEVENTEENを輩出したPledisエンターテインメントの練習生だったことがあるそう。

第1話のライブシーンは、急な異世界転生に戸惑ったヨヌ(中身は大神官)が「私は踊りを知らぬ」と叫んでしまうコメディ展開だが、本物の音楽番組さながらのセットと、そこでチラッと見えた周りのメンバーたちの動き、なんだかすごそう。今後「ワイルドアニマル」たちのパフォーマンスが進化していく様子を見守るのが楽しみになってくる。

ヨヌは「ワイルドアニマル」のビジュアル担当らしいが、ステージでオロオロしているだけでも、たしかに正直カッコいい。最初は“無名アイドル”の設定なので、メイクや衣装も全体的に少し安っぽい感じが残っているが、アイドルを極めていくにつれて、どんどんカッコよくなっていくに決まっているし、最終話に行きつく頃には“ビジュ爆発”なキム・ミンギュを拝めるかもしれない。

ファンがマネージャーに…これってオタク的にはご法度では?

第2話終盤では、ヨヌ推しのオタクだったダルが「ワイルドアニマル」のマネージャーに就任。でも、これっていいの?

もちろん、マネージャーは担当のタレントのことを大好きであるべきだが、駆け出しの男性アイドルグループのマネージャーを若い女の子に任せるのは悪手過ぎる気がしてならない。しかも若くて超がつくほどの美少女(ドラマの設定上はそうじゃないのかもしれないが、コ・ボギョルはどうみても可愛い)。極めつけに、かなりヘビーなオタクをやっていたとくれば、最悪だ。

しかし、ダルのヨヌへの想いは、ただカッコいいからというような単純なものではなかった。チャミスルらしき酒類と一緒に練炭を買い込んで、良からぬことを考えていたであろうダルを救ってくれた“救世主”こそ、ヨヌだったのだ。彼がやってくれたように、自分も彼を支えたい。彼に付きまとう困った感じの“リアコ”勢ではなく、健全なファンとして認めてあげたい(第1話でストーカーまがいなことをしちゃっていた点には目をつぶって…)。

生きていれば、子どもだろうと大人だろうと、それぞれのフェーズや環境によって常に何かしら悩むもの。「死んでしまいたい」とまで追い込まれていなかったにしても、「学校行きたくない」「仕事辞めたい」「苦手なあの人に会いたくない」「歳とりたくない」…明日が来てほしくないと思うことは誰にでもある。

でも、何か好きなものがあれば、それは生きる希望になる。MV解禁、カムバック、V LIVE、ファンミ…楽しみな予定が待っていると思えば、明日が来るのも悪くない。大げさな話ではなく、アイドルは誰かの生きる希望なのだ。

第1回レビューはここまで。また来週、第2回でお会いしましょう!

『聖なるアイドル』第3&4話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第3&4話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

大神官の作詞と歌声が神!

ヨヌがワイルドアニマルのメンバーであるキャシーと一緒に参加するサバイバル番組『シングサバイバル』がいよいよスタート。1次競演のテーマは“BE ORIGINAL”というもので、同じ曲を参加者がそれぞれ自分なりのアレンジで披露するというもの。ところが、大神官ランブラリー様は、その歌詞に納得がいなかない様子。「魂を捨てた」とか「愛よりお金、真実よりお金」、「地獄でも輝くならOK」なんてフレーズは、たしかに彼の信念にはそぐわない。歌詞を書き替えるというのは良いとして、聖歌のように歌うんだと言って聞かない彼だが、実は本物のヨヌはあまり歌が得意じゃなかったよう。この申し出にはダルもワイルドアニマルの音楽スタッフも大反対。

その上、ヨヌを陥れようとしている番組側が当日に急遽出演順を変更する暴挙に。とはいえ、この程度のことでは全くノーダメージなのがヨヌ(ランブラリー)の頼もしいところ。「私の歌を聴けば他の参加者は記憶から消えるだろう」なんて鼻に着く発言だけど、自信のある人は魅力的だ。

聖歌隊の歌声とピアノ伴奏で始まるヨヌのパフォーマンス(真っ白の衣裳に身を包んだキム・ミンギュ、美しい…)。美しい歌声と、文字通り“神”がかった佇まいはたしかに観客を惹きつけたものの、番組側の理不尽な評価で最下位にされてしまう。

2次競演では、「ボーカルの神」こと歌手のウシルとコラボをすることに。過去に本物のヨヌが生意気な口をきいたせいもあり、冷たくあたってくるウシルだったが、一緒に練習をしていくうちに少しずつ心を開いてくれるような瞬間も。そして一緒にステージに立った2人。ところが、ウシルは黒魔術に掛かって声が出なくなっていて――!

ふと思ったが、おそらくキャシーのファンもそろそろ増えてきているのではないだろうか(個人的には関ジャニ∞の丸山隆平とHey! Say! JUMPの伊野尾慧を足して2で割って、色白にした感じに見える)。キャラクター的にもちょっと抜けていて可愛らしく、それでも一生懸命なところが憎めないヤツである。

メンバーの熱愛報道、魔王の暗躍…前途多難な道のり

ランブラリーの神聖力によって、黒魔術から解かれ美しいデュエットを披露したヨヌ&ウシル。最多得票数で2次競演で1位輝き、動画の再生回数300万回、検索トレンド1位、さらには音楽番組出演のオファーまで。

音楽番組出演に向けてダンスレッスンに励むワイルドアニマル。本物のヨヌはダンスが得意だったようだが、腰を動かすとかセクシーな動きをやりたがらないランブラリー版のヨヌにはまさに苦行。でもきっと、今後激しく踊るキム・ミンギュを見られるはず…!楽しみに待っていたいと思う。

だんだんと勢いにのってきたワイルドアニマルだが、ここへ来てメンバーの熱愛報道が!そのメンバーとは…なんとキャシー。まあ、そんなに意外ではないかもしれない。ちょっと調子にのりやすような、単細胞っぽいところが彼の可愛らしい魅力のひとつであることは確かだから。

第4話では、ちょくちょくヨヌとダルの“いい感じ”のシーンが。突然始まった廊下でのカメラ目線の練習?という名目のイチャイチャタイム。「セクシーで野生的」というコンセプトを意識して私のカメラを見て!と言いながら、ローアングルに誘い込む(?)ダル。いや、これは流石にちょっと策士すぎやしないか。中身が全然違うとはいえ、推しのアイドルに対して、マネージャーという立場を利用してこんなことさせていいのだろうか。キャシーの熱愛報道の何倍も誰かに見られていけなすぎる危険な絡みであった。

終盤では魔王の暗躍がだんだんとエスカレート。ライバルのアイドル、ジョンシンを利用してランブラリーを追い詰めようと企んでいる様子。結構ポップな作品だと思って見ていたものの、この悪魔の描写は結構怖め。韓国映画『哭声/コクソン』ほどではもちろんないものの、韓国の作品に登場する悪魔とかって何であんなに怖いのでしょうか。

第2回レビューはここまで。また来週、第3回でお会いしましょう!

『聖なるアイドル』第5&6話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第5&6話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

愛嬌に苦戦!周りのキャラも立ってきた

「森の中の鹿リーダー ジョンソです」
「何でも噛みつく虎 テインです」
「もちもちハムスター ヘギョルです」

そしてヨヌの挨拶は…

「僕は君のユニコーン 今すぐ行くよ 角でハートツンツン」

威厳ある大神官からすると、「120歳になってまで、こんな幼稚なマネ…」というのももっともだが、韓国アイドルにとって外せないのが“愛嬌”。さらに言えば、女性アイドル以上に男性アイドルの“可愛い”は無敵だ。何かで、「男性のことを“可愛い”と思ったら、それは沼」みたいなことが書かれているのを読んだことがあるが、まさにその通りなのだろう。カッコいいところはカッコいいし、カッコ悪いところは可愛いで、その人を全肯定してしまえるのだから。

5話では、相関図にちょっと意外矢印も追加された。ワイルドアニマルが所属するLLLエンターテイメント代表のイム・ソンジャと、サバイバル番組『シングサバイバル』でヨヌがお世話になったウシルさんが、まさかの元恋人だったことが判明。お互い未練タラタラな様子が微笑ましいが、正直このロマンスいる?…いや、温かく見守ろう。

ずっとモブキャラみたいに描かれてきたメンバーたちも少しずつ立体的になってきた。とにかく優しいジョンソは、真面目で一生懸命な性格。だからこそ緊張しすぎでいつも空回り、リーダーだけどちょっと頼りないところが玉に瑕。だが、彼の緊張の裏には、入院している母を放っておきながら、アイドルとしての成功を夢見ているという後ろめたさが隠されていた。“売れてやる”という想いは単なる野望ではなく、誰にでも心優しい彼の誓いだったのだ。

熱愛疑惑の問題児?キャシーは、配信ライブを外されてから、いじけて姿をくらませていた。結局、夜中に外でヤケ食いしているところをダルとヨヌに見つかり、そこから感動のシーンが始まるのだが…夜中に鑑賞していた私からすると、これはただの飯テロシーン。韓国ラーメン、キムチ、揚げ物、サムギョプサル…無理、食べたいんだけど。

枕営業疑惑?!

5話の最後、ヨヌは枕営業疑惑で連行され、その様子がニュースで報じられると瞬く間にアンチコメントが降りかかってくる。もちろん純潔主義のランブラリーが宿ったヨヌは枕営業なんてするわけもなく、ただの誤解なのだが、枕営業って警察に取調べをされるような犯罪だっけ…?しかも、その取調室はガバガバで、ヨヌの命を狙う者が当たり前のように侵入。大けがを負うことになるが、これを逆手に取ったダルが一芝居打つと、世論はヨヌ擁護に一気に意見を傾ける。

そんなことも含め色々あったヨヌ、『シングサバイバル』の最終結果は残念ながらビリの5位。一緒に出ていたキャシーは3位で、二人揃ってなんとも地味な成績だが、好意的な編集にも助けられて反響は上々。落ち込んでいないで、今できる活動を頑張ることが一番の近道だと気を取り直す。

ドラマ撮影に新曲のリリース、ヨヌやワイルドアニマルを支えるためにとにかく働くダル。マネージャー業だけでも忙しいのに、新曲のプロデュースチームにも参加を名乗り出たせいでスケジュールはぎっしり。あまりに働きすぎなダルのことが、ヨヌは心配で仕方がない様子。

そんなダルだが、彼女にも苦しい過去があるようで。前の大手事務所を辞めたのは、担当していたアーティストのリズルという子が自殺を図ったため。彼女は今も昏睡状態なのだという。その話を思い出したヨヌは、リズルの病室へ(普通に不法侵入)。神聖力を使って彼女を目覚めさせるのだが…リズルは目覚めることを望んではいなかったようだ。

ほのかに色づいてきたようなヨヌのダルへの想いも気になるところだが、第3回レビューはここまで。また来週、第4回でお会いしましょう!

『聖なるアイドル』第7&8話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第7&8話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

歌担当メンバーのパートを奪って険悪ムードに

新曲の発表に向けてパート分けをしていたワイルドアニマル。メインボーカルのテインはメンバーやスタッフも認める実力の持ち主だったが、今回の新曲ではメインパートをヨヌが担当することになる。より曲のイメージに近いことや、「シングサバイバル」で披露した歌声が評価されてのことだが、グループ内での存在意義を奪われた、それもヨヌのようないい加減なやつに、ということになればテインがむくれてしまうのも無理はない。

個人的に、思ったほどライブシーンが登場しない本作だが、7話では「イーブルボーイズ」というグループのパフォーマンスが! かっこいいが、完全にワイルドアニマルとコンセプトが被っている。人気の格差を埋めて、それ以上に超えていくことはできるのだろうか。

そして、ダルにとって非常にショッキングなことが判明。ヨヌのオタクをやっていた時代、彼女がヨヌだと思ってメッセージのやりとりをしていた相手は、リーダーのジョンソだったのだ。…ヨヌに失望するべきところだが、ジョンソはマジでいいヤツだと感心してしまった。面倒見がよすぎて、彼にはとにかく幸せになってもらいたい。

ショックのあまり仕事を放りだし、ヤケ酒に走るダル。そんなことで、と言う人もいるかもしれないが、彼女にとってはとても重要なこと。こんなふうに失望させられたらアンチにひっくり返ってしまう人も多いだろうに、ヨヌを責めもせず、嫌いにもなれず、ただただ悲しむことしかできない様は、見ていて痛ましい。そんな彼女に対して、自分の姿形や声がヨヌであることを利用して、「ミアネヨ(ごめん)」と語りかけるランブラリー。誰かを誰かたらしめるのは、外見なのか内面なのか、その人の声なのか言葉なのか。なんだか不思議な気持ちになるシーンだった。

ヒーリング番組の撮影でテインと一緒に寺にやってきたヨヌ。そこには、ジョンシンの姿があった。共演した「シングサバイバル」で負けたヨヌは、約束通りジョンシンの奴隷として1日を過ごすことになる。ところが、黒魔術にかかっているジョンシンはこれを悪用。大量の酒を飲ませ、へべれけになったヨヌに車を運転するように命令する。そんな危険な状況を救ってくれたのはテインだった。ずっとヨヌにイライラしていた彼だが、本当は誰よりも努力家でメンバー思いの優しい男なのだ。

その頃、ダルは番組出演のプレゼンをするためRUエンターテインメントへ。そこにいたのは、副会長という皮をかぶった魔王。ダルも黒魔術の餌食にされてしまい…。

怠け者になる黒魔術と存在感のないアイドル

マネージャーのガムジェは、ランブラリーを監視するためにこの世に現れた死神。そんな彼に連れられて、ランブラリーは閻魔大王と対面し、人間に姿を変えて現世に存在している5人の妖怪を見つけること、ホンウデ隊に接触することを条件に、信仰するレドリンに会わせてもらえるという契約を結ぶことになる。

魔王の正体をジョンシンから聞き出した二人は、すぐにRUエンターテインメントへ。襲い掛かる魔王と戦い、なんとかダルとともに逃げることに成功。しかし、彼女はすでに黒魔術をかけられている…のだが、普通の人とは異なる症状が出ている様子。

いきなり全然関係ない話で恐縮だが、ガムジェさん、イケメンすぎやしないだろうか。死神とかマネージャーなんかしてないで、ぜひ彼にアイドルデビューしてほしい。生牡蠣だってご馳走してあげたい。

一方、ジョンシンはアイドル人生の危機に。過去、自分がデビューを勝ち取るために仲間を階段から突き落としたことが明るみに出てしまい、寺でのヒーリング番組の撮影は撤収となった。ヨヌへの憎しみを増大させたジョンシン、今後どうなってしまうのか。

今話でフォーカスされたメンバーはヘギョル。そこにいても気づかれない、いなくなっても気づかれない、とにかく、その存在感の薄さが彼の悩みだ。「分かってる」「気にしてない」と言いつつも、せっかくアイドルになったのに、あまりに悲しすぎる。他のメンバー宛のファンレターやプレゼントを仕分けるのは、どう考えたって辛いに決まってる。糸がプツンと切れたように、退職届を残して忽然と姿を消したヘギョル。でも、彼の居場所に誰も心当たりがなくて…?

ヨヌは、妖怪探しのために恋愛リアリティ番組に出演する。イーブルボーイズとすれ違ったときに妖怪特有の“獣のにおい”を嗅ぎつけていたヨヌは、共演者のラケン(イーブルボーイズのリーダー)に接近。ビンゴ!彼はどうやら妖怪のようだ。

この恋愛番組は『バチェロレッテ』の簡易版みたいな流れで進んでいくのだが、ヒロインの女性にまったく興味のないヨヌは自由で突飛な言動を繰り返す。ところが、彼女のおめがねにかなったのは、なんとヨヌなのである。…自分に興味のなさそうな人を追いかけたくなったり、振り回された側が依存したり、恋愛って不思議なものだ。

居場所を突き止めてヘギョルの元へ駆けつけたワイルドアニマルのメンバーたち。感動の再会で、めちゃくちゃ過保護になるメンバーたちが可愛らしく、微笑ましかった。

ワーカホリックだったダルは、黒魔術のせいで何故か怠け者&オタク全開に。急なコメディ展開だが、ダルにかけられた黒魔術をランブラリーが治療できないのは「自分を許せないから」。そう、リズルのことだ。

魔王の洗脳に背中を押されるように、飛び降り自殺を図ろうとしていたリズルを引き留めたヨヌは、ダルが必死で集めたリズルに対する応援メッセージの数々と、ダルの想いを綴った温かい手紙を手渡す。神聖力だけじゃなく人間の温かい気持ちも、魔王の黒魔術を治療できるのかもしれない。

第4回レビューはここまで。また来週、第5回でお会いしましょう!

『聖なるアイドル』第9&10話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第9&10話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

とうとう出てしまったヨヌとダルの熱愛報道

前回、ヨヌがダルのおでこにキスをするロマンティックなシーンで幕を閉じたが、それが引き金となって二人の熱愛が報じられてしまう。これは流石に言い逃れ出来ない。というか、互いにすっかり惹かれ合っているので、これは熱愛以外の何物でもないだろう。せっかく出演していた恋愛番組も、これでおじゃんだ。

さらにさらに、ドラマ撮影の現場に妖怪の影が現れたり、RUエンタの副社長に扮した魔王がワイルドアニマルに接近してきたり、次から次へと問題が押し寄せてくる。とどめに、ヨヌ(というかランブラリー)をマネージャーとして支え続けてきたダルが、熱愛報道の責任をとって退職。熱愛報道だけではなく、過去のリズルの件までが報じられ、ダルは引きこもり生活に逆戻り。気が気でないランブラリーはダルの家まで会いに来るが、誰よりもヨヌやワイルドアニマルのことを考えているダルに追い返されてしまう。

そんなヤバい状況と反比例するかのように、ワイルドアニマルの新曲「Tasty」が音楽チャート15位に入るなど活動は上り調子に。ダルのおかげで熱愛の件が片付き、ドラマ撮影の現場で共演のウシンを命の危機(妖怪の仕業)から救ったヨヌには、なんとCMの話までもが舞い込む。

出演することになったのはビタミンキャンディーのCM。ウシンとの撮影に挑むヨヌだったが、その現場でイーブルボーイズのメンバーを発見する。そこでの行動とは裏腹に、ランブラリーに助けを求めてくる青年。彼の話によれば、怪しげな契約書にサインをしてしまったことで、アイドルとしては成功していったものの、どんどん魂を蝕まれているとのこと。ランブラリー大神官は、自分が妖怪になっていくことを恐れる彼を救うことを心に決める。

そんな中、ヨヌとウシンがCMに起用されたことでキャンディーは大ヒット。
…しかし、これは魔王による罠だったのだ。

キャンディーを食べた人々が昏睡状態に陥ったとの被害報告が続出。販売元の会社は蒸発した上に、魔王の操られたウシンは記者会見を開いて「ヨヌと社長の共謀」だと発言。完全にはめられてしまったのだ。被害者を救わなければと病院に向かったランブラリーだが、今までの神聖力が使えない。魔王によれば、それは「仕える神ではなく、他の者に思いを寄せたから」だという。

今回こそは本当に八方ふさがりの大ピンチ。大神官とランブラリーしても、アイドルのウ・ヨヌとしても、全てにおいてどん底のこの状況から、どのようにして這い上がるのか。

拍子抜けコメディ展開からのロマンス展開

ヨヌ批判がヒートアップする中、あの人が家の中で引きこもってもいられるわけもなく。ネット上での証拠探しが早く、愛する推しのためなら信じられないほどの行動力を発揮する生粋のオタク・ダルは、すぐに反撃に出る。

一方、ランブラリーとガムジェも魔王に反撃する方法を模索。そして、ダルに想いを寄せたことが原因で神聖力を失ったランブラリーに、ガムジェは残酷な提案をする。それは、ランブラリーの現世での記憶を消し、ダルを殺害するというもの。こんな提案、もちろんのめるわけもないのだが、魔王の徹底的な攻撃にランブラリーはすっかり憔悴しきっていた。そして、そんなときに姿を見せて勇気づけてくれるのはダルなんだからもどかしい。今まではダルに甘えっぱなしだったランブラリーも、ダルを想っているからこそ、大好きな人を巻き込みたくないからこそ、必死になってダルに関わらないように説得する。

なんとかダルを救うための策を考えたランブラリーだが、ダルの方が一枚上手だった。一連の事件は自分とホンリン社長が全て共謀してやったことにして、すべての罪を自分が被ろうと言うのだ。

そんなとき、ランブラリーに神聖力が戻ってくる。神からの贈り物である神聖力ではなく、信じる者から得られる神聖力が、ランブラリーにみなぎったのだ。神とは信徒により創造されるものであり、心からランブラリーを信じているダルの存在こそが、彼に神聖力をもたらしたのだ。ガムジェの勘違いでダルを殺すところだった…危ない危ない、という急なコメディ展開には少し拍子抜けしてしまう。

拍子抜けしていたら、ここからまさかのロマンス展開に発展。ランブラリーが「ダルを愛してしまったからこそ神聖力を失ったと思った」と正直に話したことで、二人はついに素直な想いを通わせ合う。韓国の恋愛ドラマの醍醐味であるロマンティックなキスシーンが第10話にしてお目見えだ。

そして、消息不明になっていたホンリンの社長との接触にも成功。生死を司る死神ことガムジェを使って事件の裏側を自白させると、事態は収束に向かっていく。私の推しであるガムジェさんがどんどん三枚目キャラになっていて、ちょっと複雑ではあるが…。そのうえ、私の2番目の推しであるジョンソにも魔の手が忍び寄っていて心配だ。

10話の最後、いよいよ念願のライブシーンが見られそう…!というところで、またお預けにされてしまったが、あと残り2話でライブシーンが登場することはあるのか(どれだけライブシーン観たいんだ)。

第5回レビューはここまで。次回はいよいよ最終回。最後まで作品を一緒に楽しみましょう!

『聖なるアイドル』第11&最終話レビュー

以下、『聖なるアイドル』第11&最終話のネタバレを含みますので、ご注意ください。

信じていたものを失ったランブラリー

ワイルドアニマルは歌手賞を獲得すべく、今をときめくイーブルボーイズとコラボをすることに。まずはお手並み拝見ということで、練習室で対峙した二組だが、ダンスも歌もスキルの差は歴然。というか、ワイルドアニマルのダンス担当って、“影が薄い”でお馴染みのヘギョルだったんだ。また、イーブルボーイズのメンバーで歌を披露していた彼って、学生時代にヘギョルをイジメていたんじゃなかったっけ…?彼はまだヘギョルに気づいてないの?ヘギョルはもう別に何とも思っていないの?…野暮なツッコミはここまでにしておこう。

あまりにお粗末な結果に、ワイルドアニマルのリーダーであるジョンソはしょんぼり。病気の母のためにもいち早くアイドルとして成功したい彼の元にはホンウデ隊からの勧誘があったようだ。しかも、「ヨヌも誘って一緒に入信してはどうか」という妖しすぎる誘い文句。でも、心が弱っているときは正しい判断ができないこともあるのかもしれない。

アイドルとしての成功と引き換えに魂を売ってしまったイーブルボーイズたちは、家族の記憶を失い始めていた。マンネのメンバーを助けると約束していたランブラリーは、これらがホンウデ隊の仕業であることを突き止める。とはいえ、契約に至る裏には、ジョンソのようにそれぞれの家族の事情があるようだ。

授賞式に参加した際、ランブラリーはジョンソがホンウデ隊と接触していたことを知る。のだが、意外と常識人なジョンソは、勧誘を受けた直後に警察に通報をしていた。初対面で名乗りもしないオバサンが、友人も一緒に入信しろなんておかしいだろ!という至極真っ当な理由で正しい判断をできるあたり、すごく普通の感覚を持った人間なのだろう。

その頃、会場では「発見賞」の受賞者としてワイルドアニマルの名前が呼ばれていた。よく分からん賞ではあるが、ずっと無名アイドル(炎上しまくりだったが)だった彼らにとっては、すごく喜ばしいことだった。

ステージに立つ前、円陣を組もうと言う口実でイーブルボーイズたちに家族の記憶を呼び起こさせたランブラリー。すでにほぼ妖怪と化しているラケンさんは、母親を愛するミニョクという名前の青年だったようだが、彼は人間に戻ることができたのだろうか。

そして、いよいよ念願の舞台で、待ちに待ちに待ちに待ったライブシーンか!と思ったら、今度は魔王が登場。魔王の攻撃で倒れたランブラリーは目を覚まさない。そんなとき、演技大賞の授賞式では「新人賞」にウ・ヨヌの名前が呼ばれる――このタイミングで、以前ヨヌとランブラリーが交わした契約が果たされ、ランブラリーは元の世界へ戻ることに。彼の過ごしていた世界は、すっかり変わり果てた姿になっていた。

ランブラリーの前には、彼が信じ続けていたレドリンが姿を現す。民を救うためには、ランブラリーが自らの命を絶つしかないと話すレドリンはすっかり弱った様子だが、なにか様子が変だ。彼女の話のほころびに気づいてしまったランブラリー。レドリンはとんでもない悪女だったのである。信じるものに裏切られた喪失感と怒りでレドリンを追い詰めるが、逃げられてしまう。ズタボロのメンタルで一人うなだれる彼の元に、そっと現れたのはダルだった。ガムジェと共に閻魔大王の元へ出向き、こちらの世界に足を踏み入れる許可を得ていたのだ。

拍子抜けコメディ展開からのロマンス展開

レドリンが逃げた先は、現世にいる魔王の元だった。長い間、魔王と手を組んで大神官を殺していたレドリンだが、用無しとなればポイ。これは相当な悪女だ。

ワイルドアニマルの寮には、正真正銘のウ・ヨヌが戻っていた。元々のヨヌは褒められた人格の持ち主ではなかったため、すぐに喧嘩沙汰に。てんやわんやしているところへ、ダルとガムジェ、そしてランブラリーが帰ってくる。「ランブラリーとヨヌって一緒に現世に存在できる設定だったんだ…」と、私はそこに驚いていたが、ワイルドアニマルのメンバーたちからしたら大パニック。しかも、ヨヌの方は急に知らんオッサンに変身。もう、わけわからんし正直ついていけない(苦笑)。このオッサンのエピソードは、割愛させていただこう。ひとつ言うと、5年前からヨヌの姿になっていたそうで、ダルがヨヌを好きになったきっかけの出来事のときも、中身はこのオッサンだったみたいだ…これは、さぞガッカリだろう。

大神官としての使命が色々と残っているランブラリーに対して、ダルは「彼が私の前から突然いなくなってしまう」という不安を抱えながら過ごしていた。そんな彼女のために、大切なブレスレットや、CHARLES & KEITHの鞄をプレゼントするランブラリー。そんなことしてる場合か?とも思うが、恋人を不安にさせないための行動と思うと、なんともいじらしい気持ちになる。

再びレドリンと対峙することになるランブラリー。すると突然、神物が破壊されてレドリンはその強大な力を失ってしまう。ダルが、自らの魂と引き換えに神仏を破壊するよう契約書にサインをしたのだ。

力を失って座り込んでいたレドリンの元に現れたのは魔王。しめしめ、と思ったかどうかは分からないが、レドリンは、これまで一緒にやってきた魔王を騙すような形で、彼に授けた力を吸い上げていく。魔王までもが、レドリンの勝手な野望の被害者になってしまった。そして、とうとうランブラリーにまで牙をむいた彼女だったが…。

ランブラリーが目を覚ますと、そこには閻魔大王が。レドリンは地獄に閉じ込められたという。閻魔大王の話によれば、レドリンは神ではなく、元々は“海底に住むワカメの精霊”だったそう(…え?)。過去に彼女に助けられた人々が、彼女を神として崇め始めたのをきっかけに力を得て、そこから完全無欠な神になることに執着し始めたんだとか。今後は閻魔大王によって監視されることになるという。

一件落着となったが、現世に残っている魔王の黒魔術を片付けていかなければならない。ランブラリーは現世に戻り、ワイルドアニマルのウ・ヨヌとして活動しながら、この使命を負うことになる。

色々ありすぎだったワイルドアニマルだが、人気は急上昇。寝る時間も食べる時間もない、すっかり売れっ子のアイドルとなっていた。

ダルとランブラリーは、もちろん現世で再会を果たしていた。しかし、魂を売った契約の代償に、二人はお互いのことを思い出せない。ランブラリーの好きなチョコミルク、ダルにプレゼントしたブレスレット、「僕は君のユニコーン 今すぐ行くよ 角でハートツンツン」の着信音…色々なヒントが、何気ない大切な思い出たちが、ランブラリーの中に、そしてダルの中でも蘇ってくのだった。

『聖なるアイドル』レビューはこれで終わり。またいつか、別のレビューでお会いしましょう!

配信スケジュール

『聖なるアイドル』は、U-NEXTで見放題(日本初・独占配信)全話配信中。

第1話 2月15日(水) 配信済
第2話 2月16日(木) 配信済
第3話 2月22日(水)配信済
第4話 2月23日(木)配信済
第5話 3月1日(水)配信済
第6話 3月2日(木)配信済
第7話 3月8日(水)配信済
第8話 3月9日(木)配信済
第9話 3月15日(水)配信済
第10話 3月16日(木)配信済
第11話 3月22日(水)配信済
第12話 3月23日(木)配信済

 

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(海外ドラマNAVI)

Photo:『聖なるアイドル』(C) STUDIO DRAGON CORPORATION