『シカゴ P.D.』ショーランナーが語るボイトとアプトンのジレンマとは?
CHICAGO P.D. -- "New Normal" Episode 601 -- Pictured: Jason Beghe as Hank Voight -- (Photo by: Matt Dinerstein/NBC)

大人気犯罪捜査ドラマ『シカゴ P.D.』シーズン10第9話「Proof of Burden(原題)」では、ハンク・ボイト(ジェイソン・ベギー)とヘイリー・アプトン(トレイシー・スピリダコス)が大きなジレンマに陥ると、ショーランナーのグウェン・シガンが解説している。

(※これ以降は、シーズン10第9話の展開に関する情報が含まれますのでご注意ください)

ジレンマの中で決断を下すというアイデア

このエピソードで捜査チームは、性的人身売買に手を染めているショーン・オニール(ジェファーソン・ホワイト)を検挙するために必要な証拠を探そうとする。そんな中、ボイトはアプトンとともに、オニール署長(マイケル・ガストン)に彼の息子であるショーンの真実を受け入れてもらうために署長の自宅へ向かうが、二人が到着すると家の中から銃声が轟く。ボイトとアプトンが家に駆け込むと、署長とショーンが床に倒れていた。ショーンにはまだ息があり、救命に躊躇するアプトンの代わりにボイトが蘇生を施し、二人は病院に搬送されたショーンが生き延びたことを知らされる。

米TV Insiderのインタビューで、すぐにアプトンがショーンを蘇生しようとしなかったこと、そしてショーンが生き延びたことを知ったアプトンとボイトの心境について、ショーランナーのシガンが語っている。

「私たちは、土壇場でモンスターを救うのか、死ぬに任せるのか、それとも今すぐに救える人を救うのか、そのジレンマの中で決断を下すというアイデアが気に入ったんだ。その瞬間、彼らは自分たちの道徳的な決断や倫理的な判断は正しかったと思うが、その結果が必ずしも正しいとは限らない。その男(ショーン)は今も生きていて、彼の本性は以前と全く変わることなく、彼はボイトたちにこう言うんだ。“俺を治すことはできない。俺は変わらない”と。そして彼は変わらない。だから視聴者は彼が戻って来るのを目にすることになるんだよ。ショーン・オニールは今シーズンに戻ってくるよ。まだ終わっていないんだ」

数シーズン前だったら…

またシガンは、ショーンの蘇生について、ボイトとアプトンが異なる反応を見せることが非常に重要だったとも続けている。「数シーズン前なら、おそらくボイトは助けなかっただろうね。ヘイリーもだ。だが、その瞬間にボイトは動いたんだ。私の解釈ではヘイリーが動かないから、彼は彼女のために動いたのだと思うよ。彼は、部下が処理できないこと、処理すべきではないことに気づいている。それは、これまでボイトがあまりしてこなかったことだ。そして、私たちの心の中ではチーフが言った、"人生では自分の愛する者たちに責任がある”という言葉が響いていたんだ。彼は彼女に対して責任があると分かっている。私としては、あと2分あればヘイリーが動いて、彼を救ったと思うよ」

犯罪者であるショーンを救うかどうか選択を迫られたボイトとアプトンは、第12話にジェファーソン・ホワイト演じるショーンがカムバックすることで再びジレンマに陥ることになりそうだ。

『シカゴ P.D.』シーズン10は年末の中休みを挟み、2023年1月4日(水)より米NBCにカムバックする。日本では、シーズン1~7がHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)

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