『マッドメン』クリエイター、HBOが脚本を読んでくれずに「失望した」

1960~70年代のニューヨークを舞台に、広告業界の裏側を描く米AMCの人気ドラマ『MAD MEN マッドメン』でクリエイターを務めたマシュー・ワイナーが、米HBOに企画を持ち込んだ際、パイロット版の脚本さえ読んでくれずに「失望した」と明かしている。

本当に失望した

2007年にAMCで放送開始されて社会現象を巻き起こした『マッドメン』は、シーズン7まで製作された大ヒットシリーズ。主人公ドン・ドレイパー役を演じたジョン・ハム(『グッド・オーメンズ』)やペギー・オルセン役のエリザベス・モス(『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』)、ジョーン・ハリス役のクリスティナ・ヘンドリックス(『グッドガールズ:崖っぷちの女たち』)など数多くの人気スターを生み出した。

米Indie Wireによると、ベテランジャーナリストの二人、フェリックス・ジレット&ジョン・コブリンの新著「It's Not TV: The Spectacular Rise, Revolution, and Future of HBO」で、ワイナーがHBOで体験した出来事が綴られているという。

『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』でショーランナーを務めたデヴィッド・チェイスはワイナーの企画は注目に値すると感じ、「局の幹部は全員が目を通すべき」だと促したにもかかわらず、HBOのキャロライン・ストラウス元社長はワイナーの企画を鼻であしらって売り込みに応じず、パイロット版の脚本すら読まなかったとのこと。著書には、『ザ・ソプラノズ』で製作総指揮を務めて出演もしていたワイナーが、「懸命に努力したのに彼らは私に一瞥もせず、本当に失望した。自分はファミリーの一員だったのに」と記されている。

結果的に大ヒット

最終的に『マッドメン』はAMCで製作されることになり、ワイナーの目標は「HBOのようなシリーズをやる」ことだったそうだ。『マッドメン』が7シーズン続く大ヒットになったことを踏まえると、HBOが逃した魚は大きかったと言えるだろう。

ストラウス元社長は、『マッドメン』の他にも、結果的に米ABCで8シーズンにわたって製作された大人気ドラマ『デスパレートな妻たち』の企画もパスし、2008年にHBOを去っている。

『マッドメン』の放送終了後にワイナーは、Amazonのミニシリーズ『ロマノフ家の末裔 ~それぞれの人生~』クリエイターを務めている。『MAD MEN マッドメン』シーズン1~7は、Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)にて配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:マシュー・ワイナー©Maurice Cleements/『MAD MEN マッドメン』©2012 Lions Gate Television Inc., All Rights Reserved.