海外ドラマファンにもお馴染みの豪華キャストが集結！映画『アムステルダム』は名優たちの演技合戦に注目

『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』など数々の傑作映画を世に送り出してきたデヴィッド・O・ラッセル監督。アカデミー賞常連の名匠が『ジョイ』以来、7年ぶりに放つ最新作『アムステルダム』は、実話とフィクションを融合させたミステリー仕立ての物語、笑いとウィットが入り混じるセリフの応酬、そして豪華キャストが演じるクセだらけの強烈キャラクターと…まさにラッセル節の集大成ともいえる会心作だ。ドラマファンにもお馴染みのスター俳優も多数出演している本作を、「海外ドラマNAVI的視点」から注目ポイントをピックアップしてみた。

『アムステルダム』ラミ・マレック、マーゴット・ロビーら豪華キャスト陣が集結！ワールド・プレミア開催

アカデミー賞受賞＆ノミネート俳優が大集結！　オスカーへのノミネート数が25部門にも及ぶデヴィッド・O・ラッセル監督（『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』）が満を持して贈る7年ぶりの新作映画『アムステルダム』。アメリカ、現地時間の9月18日（日）にニューヨークでワー...

映画『アムステルダム』あらすじ

医師のバート（クリスチャン・ベール）、弁護士のハロルド（ジョン・デヴィッド・ワシントン）、看護士のヴァレリー（マーゴット・ロビー）は、第一次世界大戦時の戦地で出会い、終戦後3人で一緒に過ごした“アムステルダム”で、何があってもお互いを守り合うことを誓い合った親友だ。ところが、時代は変わって1930年代ニューヨーク。ひょんなことから上官だったミーキンズ将軍殺害事件に巻き込まれ、彼らは“容疑者”となってしまう。濡れ衣を晴らすため、3人はとんでもなく“ヤバイ作戦”を思いつくが、その行動は、全世界に渦巻く大きな陰謀に巻き込まれていく。果たして殺人事件の真相とは？　巨大な陰謀を操る黒幕とは？

海外ドラマNAVI的注目ポイント

①海ドラファン歓喜！ラミ＆アニャが夫婦役で新境地！

主人公の3人組を差し置いて、海外ドラマファンとしては、まずこの二人！　物語のフックとなる重要な夫婦役を演じたラミ・マレックとアニャ・テイラー＝ジョイだ。ご存じのように、ラミは『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』の社会不安障害を患う天才ハッカーの好演が認められ、大ヒット作『ボヘミアン・ラプソディ』の主演に抜擢。一方のアニャも『クイーンズ・ギャンビット』の酒・薬物依存に苦しむ天才チェスプレイヤー役によってホラー色の強い女優（絶叫クィーンと呼ばれたことも）から演技派女優として引く手あまたのスター女優となった。まさにドラマ畑でキャリアをアップデートした二人が、名匠ラッセル監督のもと、ちょっとネジのはずれた夫婦役を絶妙なコンビネーションで演じ、新境地を魅せている姿は誇らしくも圧巻だ。

ラミ・マレック（トム役）のここが新境地！

弁護士のハロルドに検視依頼人を紹介したトムを演じたラミ。大豪邸に住む資産家であると同時に、何か重大な秘密を隠し持つ怪しさ満点の男を熱演。アカデミー賞主演男優賞を受賞した『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー役や『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のヒール役、『パピヨン』の囚人役などで見せた没入型のアプローチではなく、裏で何かを画策するミステリアス（口髭効果も抜群！）なキャラクターをまるでエンジョイしているかのような軽妙洒脱な演技が新鮮だ。

アニャ・テイラー＝ジョイ（リビー役）のここが新境地！

ラミ演じる資産家トムのエキセントリックな妻リビーを演じたアニャ。少し低めの鼻にかかったハスキーヴォイスが印象的な彼女、どちらかといえば、『ウィッチ』や『スプリット』『ミスター・ガラス』など恐怖に晒される受け身の役、あるいは『クイーンズ・ギャンビット』や『ラストナイト・イン・ソーホー』などクールビューティーな役が多かったが、今回は夫のトムに加勢するヒステリックで口うるさいキャラクターを演じ、ラミ同様に新たな領域を拓いた。だが心配ご無用、『華麗なるギャツビー』に登場しそうな1930年代ファッションを着こなすアニャの美しさは健在！

②海ドラファンにも認知度抜群！3大俳優が魅せる愛と絆と暴走劇

“アムステルダム”で永遠の友情を誓い合った親友3人組を演じるメンツが熱い！　『ザ・ファイター』でアカデミー賞助演男優賞に輝くカメレオン俳優クリスチャン・ベール、オスカー俳優デンゼル・ワシントンのDNAを受け継ぐ『TNET テネット』のジョン・デヴィッド・ワシントン、そして『スキャンダル』『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で2度アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたマーゴット・ロビー、この3人の強烈な個性がぶつかり合って生まれたパワーが物語の推進力となって観客をユーモアたっぷりなミステリーの世界へといざなう！

クリスチャン・ベール（バート役）

ユーモアに溢れる楽観主義な医師。復員軍人の治療に献身的に携わるが、親友ハロルドに頼まれた検死がきっかけで殺人事件の容疑者に。『アメリカン・ハッスル』の薄毛をごまかすズングリ詐欺師とは打って変わって、元軍人たちの戦争で傷ついた顔をなんとか整形するなど、患者はもちろん、自分もポジティブに生きようとする医師をエキセントリックに怪演！

ジョン・デヴィッド・ワシントン（ハロルド役）

信念に満ちたしっかり者の弁護士。アムステルダム時代、ヴァレリーと密かに恋に落ちる。困った人を見捨てられない正義感が災いし、バートとともに陰謀に巻き込まれる。『TENT テネット』によってアクション俳優のイメージが強いが、Netflix映画『マルコム＆マリー』では大人の愛の物語を表現し、ラブストーリーもお手のもの。マーゴットとの愛の共演も見どころだ。

マーゴット・ロビー（ヴァレリー役）

戦争中、従軍看護士としてバートとハロルドの命を救い、彼らと友情の絆で結ばれる。爆薬や銃弾を使って芸術作品を生み出すアーティストの一面も。「何があっても守り合う」という誓い通り、二人の危機を救うため奔走する。負けん気の強い姉御肌で、美貌とファッションセンスはマーゴット映画史上最高かも?!　共演のアニャ、のちほど紹介するテイラー・スウィフトとの美の競演も必見！

③究極の群像劇！演技巧者が扮するクセ者キャラクターが物語を掻き回す

殺人容疑をかけられた3人の主人公、バート、ハロルド、ヴァレリーを掻き回す、周囲のクセ強めのキャラクターたちに豪華スターが参戦！　ラミ、アニャに加え、真犯人追跡のキーマンとなるギル将軍を貫禄たっぷりに演じた御大ロバート・デ・ニーロ（『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』などラッセル監督4作目の出演）、殺されたミーキンズ将軍の娘でこの物語の起点となるリズ役にテイラー・スウィフト（グラミー賞11回受賞の世界的歌姫）、ミーキンズ将軍の検死解剖を務めた看護士役にゾーイ・サルダナ（『アベンジャーズ』シリーズ、『アバター』）など、これでも絢爛豪華だが、まだまだクセ者たちが大挙出演！

クリス・ロック（『サタデー・ナイト・ライブ』）、マイケル・シャノン（『ブレッド・トレイン』『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』）、マイク・マイヤーズ（『オースティン・パワーズ』シリーズ）、アンドレア・ライズボロー（『ZeroZeroZero 宿命の麻薬航路』）、さらにはマティアス・スーナールツ（『君と歩く世界』）、ティモシー・オリファント（『JUSTIFIED 俺の正義』『マンダロリアン』）などなど、もはやいろんなキャラクターに扮している俳優陣を観ているだけでお腹いっぱいになりそうな豪華競演祭りだ！

こんな映画・ドラマが好きな人に断然オススメ！

本作は、ユーモア、謎解き、サスペンスなど王道の面白さがいっぱい詰まったエンタテインメント作品！　犯人捜しの本格ミステリー、濃いキャラ全開の群像コメディー、犯罪に巻き込まれていくクライムサスペンスなどなど、いろんな方向性から楽しめるのも魅力。ほんの一例だが、以下、関連作がお好みのユーザーこそ映画『アムステルダム』をオススメしたい！

ユーモア満載の謎解きミステリーコメディ関連作

『マーダーズ・イン・ビルディング』

実録犯罪番組マニアの3人が、自分たちの暮らす高級マンションで起きた殺人事件の謎に迫っていく

『マーダーヴィル 〜謎解きはアドリブで〜』

刑事テリーが毎エピソードでゲストスターとともに殺人事件の解決を目指す台本なしのアドリブ劇

『エノーラ・ホームズの事件簿』

探偵シャーロック＆マイクロフトの妹エノーラ・ホームズが二人に見守られながら大活躍

“3人組”が激闘するクライムサスペンス関連作

『グッドガールズ: 崖っぷちの女たち』

金銭問題を抱える3人の主婦が切羽詰まってスーパーマーケットを大強盗

『ローガン・ラッキー』

はみ出し者3人組がアメリカ最大のモーターカーイベントを舞台に一攫千金を狙った計画に挑む

『レッド・ノーティス』

FBI捜査官と詐欺師と泥棒が手を組み、かつてない強盗計画に挑む

『ビッグ・リトル・ライズ』

小学生の子を持つ３人の母親たちの人生が、ある殺人事件によって崩れてゆく

事件解決に死力を尽くす本格ミステリーサスペンス関連作

『SHERLOCK／シャーロック』

ご存じ名探偵シャーロックと相棒ワトソンが難事件に挑むミステリー

『オリエント急行殺人事件』

ミステリーの女王アガサ・クリスティーの最高傑作の誉れ高い群像劇

『ツイン・ピークス』シーズン1

クーパー捜査官を筆頭に個性的なキャラが事件に絡むクセ強めのミステリー

公開情報

アカデミー賞常連の名匠デヴィッド・O・ラッセル監督が豪華キャストで贈る、全く予想のつかない“ほぼ実話”の物語『アムステルダム』は、10月28日（金）全国公開。公式HPはこちら。

（文/坂田正樹）