2つの人生を入れ替わりながら危機を凌いだ双子姉妹…Netflix『エコーズ』で描かれた狂気の二重生活!

子供の頃から全てを共有してきた一卵性の双子の姉妹レニとジーナ。ある日突然、田舎で暮らすレニが行方不明になった。都会の出版社で働くバリバリのキャリアウーマン、ジーナはその連絡を受けて激しく動揺。顔面蒼白の状態でレニの住む田舎町に降り立つが、その先にとんでもない出来事が待ち受けていた…。もう、オープニングから怒涛の展開! 期待値MAXでシリーズにどんどん引き込まれていくが、このドラマは最期まで視聴者を裏切らない。【ドラマレビュー】

双子の姉妹を1人2役で演じるのは、『ミッション・インポッシブル』シリーズでトム・クルーズ演じるイーサン・ハントの妻役で注目を浴び、『THE PATH/ザ・パス』『TRUE DETECTIVE/二人の刑事』などドラマシリーズでも活躍するミシェル・モナハン。

2つの人生を入れ替わりながら危機を凌いだ双子姉妹…Netflix『エコーズ』で描かれた狂気の二重生活!

彼女の演じ分けが実に巧みで、化粧や髪型、佇まい、素行の良さ悪さで明確にキャラ付けをするが、物語が進むにつれて、だんだん見分けがつかなくなる。実はこの姉妹、ある“事件”を機に、お互いの状況に合わせてレニとジーナが“入れ替わる”という二重生活を大人になるまで続けてきたのだ。

2つの家、2人の夫、そして1人の子供を共有しながら、人生の荒波をなんとか乗り越えてきた姉妹。だが、片方が消息を絶ったことで、これまで完璧に仕組まれてきた“レニ&ジーナ・ワールド”が一気に崩壊し始める。

冒頭でレニが行方不明と書いたが、果たして本当にそれはレニなのか? お互いがお互いに成りすますという行為がますます混乱を招き、途中、いったいどっちがレニで、どっちがジーナなのか、迷子になってしまうのだが、結局、この2人、“分身の術”を使って、いったい何を隠し、何から逃れ、そして何をしでかそうとしているのか?

時折フラッシュバックする火事の地獄絵、子供時代、青春時代の危険な秘め事、そして次第に浮かび上がるレニとジーナのヒリヒリするような嫉妬と確執。ほころび始めた2人の世界は、グチャグチャに絡み合い、視聴者である私たちの頭の中も火を噴くほどのカオス状態。一度ハマったらもう最後、姉妹の愛憎劇を見届けるまで、この状況から逃げることはできない…。つまりは、一気見必至! 寝不足にはくれぐれもご用心いただきたい。

ちなみに、ブライアン・ヨーキー&クイントン・ピープルズ(『13の理由』)が本シリーズのショーランナーを務め、オーストラリアの作家ヴァネッサ・ゲイジー(『エデン:8つの真実』『Highway』『Shiloh』)が脚本とともに製作も兼任。マット・ボマー(『ホワイトカラー』)、カレン・ロビンソン(『シッツ・クリーク』)など海外ドラマファンにはお馴染みの俳優も多数出演し、ドラマを大いに盛り上げる。

2つの人生を入れ替わりながら危機を凌いだ双子姉妹…Netflix『エコーズ』で描かれた狂気の二重生活!

それにしても、姉妹の違いを見分けられるのは、亡くなった母親だけ。観察眼に優れた精神科医の夫でさえも二人を区別できず、妻ではない方とベッドを共にする…そんなことってあるのだろうか?

『エコーズ』はNetflixにて配信中。

(文/坂田正樹)

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Photo:Netflixドラマシリーズ『エコーズ』