『ツイン・ピークス』ウィンダム・アール役のケネス・ウェルシュ、80歳で永眠

『ツイン・ピークス』や映画『デイ・アフター・トゥモロー』で知られるカナダ出身俳優ケネス・ウェルシュが80歳でこの世を去ったと、米Varietyが報じている。

1963年からおよそ60年にわたる長いキャリアの中で出演クレジット数は200を超える、多作な俳優のケネスが5月5日(木)に亡くなった。

訃報を報じたのはカナダの映画やテレビの労働組合ACTRAで、「ケンは数百という思い出深いキャラクターを何十年にもわたって演じてきた、カナダ史上最高の優れたパフォーマーの一人でした」と声明を発表。「非常に恋しく思われることでしょう」と哀悼の意を示した。

ケネスは1960年代にスクリーンデビューを果たすと、1980年代までは故郷カナダを中心に活躍。数多くの歴史上の偉人たちを演じたことでも知られ、元アメリカ合衆国大統領ハリー・S・トルーマンや、元ニューヨーク州知事トマス・E・デューイ、元妻殺害容疑で有罪判決を受けたカナダの政治家コリン・サッチャー、発明家トーマス・エジソン、ニューヨークタイムズのジャーナリストだったジェームス・レストン、カナダ軍将官ハリー・クレラーなどを演じている。

そんな彼が世界的に人気を得たキャラクターの一つが、伝説のドラマ『ツイン・ピークス』で演じた刑事ウィンダム・アール。1990年に放送されたシーズン2に登場したウィンダムは、カイル・マクラクラン演じる主人公デイル・クーパーの元相棒で指導者的存在だったが、気が狂い妻を殺害。逃げた先にたどり着いたのがタイトルにもある町ツイン・ピークスという設定で、生まれ持った残酷性とチェスへの執着心で忘れがたいキャラクターを作り上げた。

ケネスは『ツイン・ピークス』を機にアメリカでの活躍も増え、『X-ファイル』『LAW & ORDER ロー&オーダー』『新アウターリミッツ』『ソウル・フード』『ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル』『騎馬警官』『ヤング・スーパーマン』『スターゲイト:アトランティス』『ヒューマン・ターゲット』などにゲスト出演。最近では『スター・トレック:ディスカバリー』にも出演していた。

亡くなった時点で、撮影後の編集段階にある企画を複数抱えていたケネス。その中にはPrime Videoによるカナダのスケッチコメディリバイバル『The Kids in the Hall(原題)』や、『バイオハザード』シリーズのショーン・ロバーツが主演を務めるミステリーホラー『Campton Manor(原題)』などがある。

ご冥福をお祈り申し上げます。(海外ドラマNAVI)

Photo:TwitterアカウントBlack Lodge Cultより