【映画レビュー】『バンブルビー』はこれまでの『トランスフォーマー』シリーズとは違う! 米紙も絶賛

1987年のカリフォルニアを舞台にした映画『バンブルビー』は、2007年に第1作目が公開された『トランスフォーマー』シリーズの前日譚とも言うべき作品。自動車などに変形するロボット生命体「オートボット」たちは、いかにして地球にやって来たのか? シリーズ史上最も感情豊かな一本が、3月22日(金)から劇場公開される。

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孤独な少女とロボットの友情

18歳の少女チャーリー(『トゥルー・グリット』『スパイダーマン:スパイダーバース』のヘイリー・スタインフェルド)は、可愛らしい黄色のビートルを手に入れる。その車体はボロボロで、控えめに言っても廃車寸前。しかし、ガレージで愛情を込めて手入れしてやると、車体が突如として変形。ドジで愛らしいそのロボット「バンブルビー」(声:『メイズ・ランナー』のディラン・オブライエン)は、父親を亡くして孤独だったチャーリーの大切な友達に。

ところが彼女たちの前に、戦闘機や自動車に変形した様々な刺客が登場。どうやらバンブルビーは、遠く離れたロボットの惑星セイバートロンから、重要な使命を帯びて地球にやって来たらしい。妨害を図る悪の軍団デストロンの攻撃に晒されるほか、ジャック・バーンズ(『ザ・ウォール』のジョン・シナ)率いるセクター7と呼ばれる政府機関の追撃も加わる。チャーリーは懸命にバンブルビーを守ろうとするが......。

「CGがすごい」を超えて

シリーズ6作目となる本作でメガホンを取ったのは、45歳のトラヴィス・ナイト。2016年にアカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされた『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で監督デビューを果たしたナイトという適切な人物がきちんとした裁量の下で製作したことで、ついに質の良いトランスフォーマー映画が誕生した、と米New York Times紙は歓迎。マイケル・ベイによる1作目はCG技術を誇示していたが、今作はそれだけに終わらず、十分に練り込んだストーリーが胸に沁みる。

こうした血の通った物語を前に、鮮烈な映像が売りだった2007年の作品は霞んでしまう、と米Washington Post紙。変わった少女のチャーリーと、不安げで人間味のあるバンブルビー。おっかなびっくりの出会いから、友人としての信頼が芽生えるまでのやり取りは新鮮。感情豊かなバンブルビーの表情が愛らしい。

ウィットが効いた明るく魅力的な作品、と米Los Angeles Times紙も賞賛。従来のシリーズが派手さを売りにしてきただけに、これは大きな変化だと評価している。

『バンブルビー』は日本を除く世界の主要マーケットですでに公開中で、封切り後の約1ヶ月で全世界の興収が4億ドル(約440億円)を突破。このうちおよそ4分の1をアメリカ、別の4分の1を中国が占めている。2014年の『トランスフォーマー/ロストエイジ』はあからさまに中国のシーンを多用したことで賛否両論を巻き起こしたが、今作はレビューサイトのロッテン・トマトで批評家から93%フレッシュを獲得するなど、評判は上々だ。

鋼鉄の黄色いボディが軽やかに宙を舞う『バンブルビー』は、3月22日(金)劇場公開。(海外ドラマNAVI)

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『バンブルビー』
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