前衛的なデザインと独自の美学、ずば抜けた想像力から生み出される数々のショーで世界を魅了しながらも、その成功の影で悩み苦しんだ、天才にしてファッション界の反逆児アレキサンダー・マックイーン。恋をするように服を作り、命まで捧げた、ドラマよりも劇的な彼の人生に迫るドキュメンタリー映画『マックイーン:モードの反逆児』。4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国公開となる本作から、ドラマティックな演出が話題を呼んだ、マックイーンのコレクション・フィナーレの様子を捉えた本編映像を独占入手したので紹介しよう。
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ロンドンの労働者階級出身で、日々の食費にも困っていた青年が、23歳で失業保険を資金にファッションデザイナーとしてデビュー。次々と開いたセンセーショナルなショーは、大絶賛とバッシングで真っ二つに分かれ、彼の名前〈アレキサンダー・マックイーン〉は、たちまち世に広まる。その後1996年、弱冠27歳で「ジバンシィ」のデザイナーに抜擢されて世界を驚かせるが、富と名声の絶頂期にいた40歳で突然、自ら命を断ってしまう。一体彼はどんな人物で、いかにして現代のおとぎ話のような成功を果たし、なぜ燃え尽きてしまったのか――。
今回公開となった本編映像は、英ロンドンで行われた「アレキサンダー・マックイーン1999年春夏コレクション」のフィナーレが舞台。スーパーモデル、シャロム・ハーロウ(『10日間で男を上手にフル方法』)の純白のストラップレスドレスがみるみる黄色と黒に染まっていくドラマティックな演出が話題となったシーンを捉えた動画だ。ランウエイが開始されてからずっと静かに舞台に佇み続けていた2台のロボットは、観客の誰もがその存在を気にしながらも何も起こらなかった。しかし、ショーのフィナーレにモデルのシャロムがステージ中央の回転ステージに登場し、彼女の乗った床が回転し始めると両脇に備え付けられたその2台のロボットが作動。黄色と黒のスプレーを噴射し、なんとモデルの全身をペインティング! 突然のドラマティックな展開に観客の誰もが魅了され、マックイーン自身も「自分のショーに圧倒されたのは始めてだ。最後の演出は今でも衝撃が走る。初めてショーで泣いた」と語った。未だ伝説と語り継がれるこのシーンを垣間見ることのできる貴重な映像だ。
多くのセレブに愛され賞賛されたマックイーン。『SEX AND THE CITY』のサラ・ジェシカ・パーカーは「独創性、気高さ、奇抜さ、感動的で魅惑的で、驚きのあるものは全てマックイーンだった」と表し、『プラダを着た悪魔』のモデルになったと言われる米「VOGUE」編集長アナ・ウィンターは「複雑で才能あふれる若者...彼は私たちに見せてくれた。すべては可能であることを、夢は叶うということを」と語り、歌手で女優のレディー・ガガは、楽曲「Fashion Of His Love」を彼に捧げている。
マックイーンのドラマティックな人生を、友人や家族たちとの独占インタビュー、掘り起こされたファッションアーカイブ、そして友人でもあったマイケル・ナイマン(『ピアノ・レッスン』)による極上の音楽を通して、称賛を込めて描く映画『マックイーン:モードの反逆児』は、4月5日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほかにて全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
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映画『マックイーン:モードの反逆児』
配給:キノフィルムズ
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