コメディアンを夢見るアーサーは、なぜ狂気あふれる悪のカリスマになったのか? 衝撃のサスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』が本日10月4日(金)についに封切られる。公開前から大きな話題を集める本作の中でも驚きの一つとして取り上げられているのが、主演ホアキン・フェニックスのすさまじい減量だ。ジョーカーへ近づく助けになったというその壮絶な役作りは、男優たちがこれまで役作りのために行ってきた減量の中でも群を抜いている。これまでの主な"減量男優"たちと比較してみよう。
撮影前、3ヵ月で24kgもの減量を行ったホアキン。役作りのために体重を増減させることは決して珍しいことではないものの、特に大きな変化があったものは名作、名演と言われることが多い。肉体改造といえばクリスチャン・ベイルは何度も経験していることで有名だが、彼はアカデミー賞を受賞した『ザ・ファイター』でも元ボクサーを演じるために14kgもの減量を行った。なお、逆に増やしたパターンでは、プラス20kgの『アメリカン・ハッスル』、プラス18kgの『バイス』でも同賞にノミネートされている。これら3本はアカデミー賞作品賞候補にもなった。さらに『ダラス・バイヤーズクラブ』でそろってHIV患者を演じてオスカーを獲得したマシュー・マコノヒーとジャレッド・レトーも、それぞれ約20kgの減量を慣行していた。同作もアカデミー賞作品賞にノミネートされている。単に体重を増減させたということでなく、役作りのため、作品のためにすべてを賭したその姿勢が作品に強烈な説得力を持たせ、名作を生み出した好例と言えよう。
そうした俳優たちと比べても多くの体重を落とした『ジョーカー』のホアキンは、頬は痩せこけ、あばら骨も浮き出た身体へと変貌している。本人は役作りについて「体重を落とすところから始めたんだけど、やり始めたら心理的にも影響があったんだ。あれだけの体重を一気に落とすと、本当に気が狂い始めたような感じがしたんだよ」と、減量によって心理的にもジョーカーに近づいたことを明かしている。本作は公開前からアカデミー賞ノミネート確実とも言われており、先月のヴェネチア国際映画祭ではアメコミ映画として初めて最高賞(金獅子賞)に輝いている。
本作はR指定のため観客が限られるものの、前売りなどはすこぶる好調で、世界での興行収入は1億5500万ドル(約240億円)スタートになるという報道もある。本作に含まれる暴力描写や思想が事件を誘発するのではないかという声も一部で上がっているが、それもいかに注目が高いかを示しているとも言えるだろう。
全世界注目の『ジョーカー』は、日米同日10月4日(金)より全国ロードショー。(海外ドラマNAVI)
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『ジョーカー』
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