映画版『ブレイキング・バッド』、もう一つのエンディングがあった!

TVドラマ史に残る大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』。その続編となる映画版『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』がNetflixにてついに公開された。配信から1週間経ち視聴したファンから様々なコメントが寄せられているこの話題作には、なんと2種類のエンディングが用意されていたことが分かった。米Entertainment Weeklyなどが報じている。

映画版は、ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)の相棒だったジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)を主人公に、ドラマシリーズのラストで捕われの身から自由になったジェシーのその後が描かれている。

ドラマ版でクリエイターを務め、映画版ではプロデュース・脚本・監督を手掛けているヴィンス・ギリガンは、もう1種類あったエンディグについて語った。

「最初の脚本は、とても理にかなっているけど、ファンにはあまり喜ばしくない内容だったよ。ジェシーはカナダとの国境に潜伏していて、モーテルのハウスキーパーの女性に出会うんだ。そして、彼女を助けると捕まってしまうとわかっていながらも、なんとかしてあげたいと思う。ジェシーはずっと眠れない日々を送っているんだ。警察に追われている身で逃走し続けて、ずっと不安に苛まれているし、アドレナリンも出続けていて全然眠れないんだよ。だが最後に逮捕され、牢獄に入れられるんだ。皮肉なことに、この牢獄で初めて、赤ん坊のようにやっとぐっすり眠りにつくっていうエンディグだったんだ。私は、この最後はかっこいいなと思ったんだよ」

驚きのエンディングを書いていたヴィンスだが、この最初の脚本をパートナーのホーリー・ライスをはじめ、関係者に見せ感想を述べてもらったという。「彼女のホリーと(『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』のプロデューサーで脚本家の)ピーター・グールドや、他のライターにも意見を聞いたんだ。そしたらみんな、まるで私の気がおかしくなったかのような目で見て、こういうんだよ。"エンディグでジェシーを牢獄に入れたらダメだよ! みんな、非難するよ!"とね。今は彼らの意見を聞いてよかったと思ってるよ。最初の脚本通りにしなくてよかったとね」

この最初のエンディグを初めて耳にしたアーロンは、「ワオ! 僕にはこの話をしてくれていないよ。すごく面白いね。でもジェシーが捕まらなくて嬉しいよ。ファンとしては、(ドラマ版で)自転車に乗っていて撃たれた少年の親がどうなっているのかとか、その彼らの子どもに起きたことを知っているのかとか、気になるところもあるよ。細かいところだけどね。ジェシーはとても感情豊かな人間なんだ。感情を表に出すタイプの人だ。だから、他の人のことも気にかけているし、子どもがどうなっているかも気にしているんだよ」と述べた。

また、映画に出てくるある手紙は、なんとヴィンスが脚本の最初に書いた部分だったことも判明。しかもその手紙の内容も、アーロンがナレーションすることになっていたという。だが、途中で「内容は伏せておいたほうがいい」とヴィンスが言い出し、ナレーション部分は削られることになったという。内容を知っているアーロンは、「彼に絶対にその内容は公表しないと誓ったから言えないよ」と語っているが、ファンとしてはとても気になるところだ。

こんな裏話も話題になる『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』は、Netflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

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Netflix TVevent『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』© 2018 Vinton Productions. All rights reserved.