世界中が待ち焦がれるシリーズ完結編となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が、いよいよ公開末に公開となる。先日監督のJ・J・エイブラムスをはじめ、キャストたちが来日したが、海外ドラマNAVIではオスカー・アイザック(ポー・ダメロン役)とジョン・ボイエガ(フィン役)に直撃! 二人が本編で見せるポーとフィンの仲の良さ以上の息の合ったやり取りと友情、そして二人だからこそ感じた互いの成長を語ってくれた。
――『スター・ウォーズ』シリーズの完結編ということで、どんな気持ちで本作に挑みましたか?
オスカー:富士山登頂というか(笑)、山の頂上にいる感じかな。
ジョン:(オスカーの発言に対して)オーマイガッド!(笑) これで本当に終わりを迎えるというところで、少し寂しいよね。卒業式のような感じもする。これから僕の人生はどうなるんだろう、また友だちを作ることはできるのかってね。でも、必ずその先には灯りがあるはずだから、前に進んでいく。いよいよ世界中のみなさんに見てもらうという最終段階にいるよ。
――この三部作はあなたの人生をどのように変えましたか? また、語り継がれるシリーズに参加するというのは、どのような意味を持ちますか?
オスカー:とても謙虚な気持ちになった。『スター・ウォーズ』シリーズの存在はとても大きく、映画というものよりも実は大きいのではと思っている。世界規模の文化的な現象じゃないかな。そんな物語に自分が貢献することができて、サーガの帰結を見ることができたというのは、とても誇りに思っている。
――『スター・ウォーズ』シリーズで有名な『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』の「I"m your father」のくだりは、撮影直前まで本物の台本を渡されなかったためキャストのみなさんは知らなかったそうです。本作でも直前まで知らなかったことはありますか? ジョンさんの脚本はアクシデントによりオークションで売りに出されてしまったそうですが、その脚本を読んだ時から変わった箇所はありますか?
ジョン:(笑)
オスカー:本作の結末は、本当にサプライズなんだ! 最初脚本を読んだ時もびっくりだったんだけど、そこからさらに変わっていった。撮影も違う展開だったから、もともとの脚本はミスリードするためのものだったのか、撮影現場で変えていったのか、もしくは編集段階で変更していったのか、僕たちには分からないんだ。最初の脚本から二転三転して、サプライズだったよ。
ジョン:フィンに関してサプライズはあるんだけど、今話すことはできないね。でも、J・J(・エイブラムス監督)と何通りも話し合った。
オスカー:脚本に載っていなかったよね。
ジョン:監督と議論して撮影したんだ。
――『フォースの覚醒』でのお二人は、初対面でTIEファイターを一緒に操縦していましたね。フィンとポーの仲の良さを引き立たせるために、共演当初のお二人はどのようにケミストリーを作り出したのですか?
ジョン:あのケミストリーは、普段のオスカーとの関係からとても自然な形で生まれたものだった。あの場面のエネルギーも触媒となっていて、J・Jとも話していたんだけど、ポーとフィンの関係はまさに男同士の友情なんだ。喧嘩したり、揉めたりするけど、仲直りするという過程を経て親しくなっていったよ。
オスカー:友情の火花がバチバチして、それがどんどん大きくなって巨大な炎になったみたいにね(笑) そんな僕たちの友情は放たれたんだ!
ジョン:世界にね(笑)
オスカー:美しい表現だったね。
通訳:詩的な表現でしたね。
ジョン:詩的だってさ(笑) クールだね。
来日記者会見で、アイコンタクトをとる二人
――お二人だからこそ感じた互いの印象や尊敬するところは?
ジョン:すべて。オスカーは父親でありながらも、同時に若いエネルギーを持っている。若者である自分は彼を見ているととても希望を持てる。維持できるんだってね。
オスカー:ギリギリだけどね(笑)
ジョン:二人でバーガーキングに行って、オスカーの昔の作品について話していたんだ。(オスカーに向かって)あの作品って何だっけ? アイス・キューブが出てるやつ。
オスカー:『グッドボーイズ』(2002年)だよ。
ジョン:そうそう(笑) そういうふうにキャリアを見たり、実際に会ったり、インタビューの内容を聞いたりして、彼の人となりを知っていったんだ。この業界にはいろんなタイプの人がいるけど、オスカーは本当にカッコイイんだよ。
オスカー:(ジョンに向かって)君は27歳だっけ?
ジョン:27歳だよ。
オスカー:27歳なのにもうこれだけのことを成し遂げているなんて、僕としては腹立たしいんだけど(笑) 尊敬すべき27歳というところで、また腹立たしい(笑)
彼を見ていると、『スター・ウォーズ』シリーズを通して、素晴らしい成長を遂げて、色んなチャンスにも果敢に挑戦して、急に有名になったものの、その名声を賢くエネルギーにして、そしてちゃんと自分を冷静に客観視していて、素晴らしいね。この『スター・ウォーズ』シリーズですごく重責を果たしていると思う。ここで得たものを最大限に発揮して、製作会社も設立しているわけで、若き大物を見ているようで、思わず嫉妬しちゃうね(笑)
さらにジョンにはユーモアがあり、怖いもの知らずなところもあり、野心と高潔さもある。そういう人はこれまでに会ったことがないから、ジョンのことを誇りに思う。そういう人間だから、彼は愛されているんだろう。そんな人間だから、みんなが彼にタダで色んなものをあげるんだろうね(笑)
――フィンは『フォースの覚醒』から大きく成長していきますね。ですが、人には変わらない一面もあると思います。演じる上でこれだけは貫いたということはありますか?
ジョン:どうかな。フィン自身はそんなに変わってないと思うけど...
オスカー:何言ってるんだ! これとは全然違うよ!(立ち上がって、筆者が持っていた『フォースの覚醒』のクリアファイルに写っていたフィンの姿と、部屋にあった『スカイウォーカーの夜明け』のポスターに載っているフィンを比べる)
(クリアファイルの)彼と(ポスターの)彼。これだけ成長しているんだよ!
ジョン:(爆笑)
オスカー:赤ん坊みたいな人が立派な男になったんだよ! 自信満々な男だよ。こんなに目覚ましい成長を遂げたんだ。僕たちもびっくりだよね。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年)公開時の二人
ジョン:一例だけど、本作の撮影現場で、J・Jから「軽妙さを足してほしい。もう少しボーイッシュなエネルギーを入れてほしい」って言われたんだ。『フォースの覚醒』でやったみたいに。でも、それはできなかった。なぜなら、自分が成長して年を取っているから。だから、コメディ要素や面白さで軽さを出す形になったよ。
"かつてのフィンにはもう戻れないんだなあ"ということが本作ではあった。デイジーも同じで、眼差しなどが前作とは違うんだ。でもその成長が僕たちの役作りの助けになっていた。だから、ユーモアという部分は変わっていないかな。
宇宙一のパイロットにして、レジスタンスを率いる若きリーダーであるポー・ダメロンを演じるオスカーと、元はファースト・オーダーのストールトルーパー「FN-2187」で、ポーを救出したことをきっかけにレジスタンスに加わったフィン役のジョンは本作ではどんな姿を見せてくれるのか―。
数々の金字塔を打ち立て、エンターテイメント史において伝説と呼べる映画『スター・ウォーズ』シリーズ。J・J・エイブラムスが再び監督を務め、スカイウォーカー家の"愛と喪失"の物語は、42年にわたる歴史に幕を下ろす。
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、12月20日(金)全国ロードショー。(上映時間/2時間22分)
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Photo:オスカー・アイザック&ジョン・ボイエガ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』 (原題:Star Wars: Episode IX - The Rise of Skywalker) 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン (C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. (c) JMVM/FAMOUS