『ベター・コール・ソウル』ボブ・オデンカーク、臨死体験を振り返る

大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』のスピンオフ『ベター・コール・ソウル』で主人公ソウル・グッドマンことジミー・マッギルを演じるボブ・オデンカークが撮影中に倒れて入院したことは以前お伝えした通り。本人にはその時の記憶はないと言うが、当時現場にいた人たちからの証言を元に、米ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでボブ自身が当時のことを振り返っている。米The Hollywood Reporterが報じた。

ボブによるとあの日倒れた原因は心臓に蓄積していたプラークだったという。「2018年から心臓にプラークが溜まっていることは知っていた 。シダーズ・サイナイ病院の心臓専門医二人のところに行きMRIやその他諸々の検査を受けたが、両者の意見が割れたんだ」。治療に関して別々の医師から異なるアドバイスを受けたボブは、すぐに薬を始める必要はないと言った医師の提案に従うことにしていた。

ボブは「あるシーンのために一日中撮影していたんだけど、それで"運よく"自分専用のトレーラーに戻らなかったんだ 」そうで、巨大な撮影セットステージがある場所でハワード・ハムリン役のパトリック・ファビアンやキム・ウェクスラー役のレイ・シーホーンといった共演者と一緒にくつろいでいたという。このことで結果的に、心臓発作が起きたときに一人にならずに済み、周囲の人々による迅速な救助に繋がったのだという。

「カブスの試合を観戦し、トレーニング用の自転車に乗ろうとしたら、そのまま倒れてしまった」と語るボブは、一時は脈がない状態にまで陥っていたようだ。一緒にいたパトリックとレイはすぐに助けを呼び、駆けつけた製作スタッフの医療従事者らが心肺蘇生を行った後にボブはAEDに繋がれた。2回目の試みで不整脈が出たが「3回目で脈が普通に戻ったんだ」という。その後、運ばれた先の病院で詰まった動脈内のプラークをはじき出し2カ所にステントを残すと言う処置を受けたという。

ボブがほとんど覚えていないというその体験についてレイは、 「奇妙なことです。だって、(なった本人のボブは)臨死体験はしてないんです。"臨死体験をしたんだよ"と人に言われるのですから」と語った。

この事件から数カ月後の9月8日(水)、ボブは撮影現場に戻って最終シーズンの撮影を再開。「ここにいられてとても幸せです。こんなに良い人たちに囲まれて特別な人生を送っています」と帰ってこられた喜びを噛みしめていた。(海外ドラマNAVI)

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『ベター・コール・ソウル』©Ben Leuner/AMC