『SATC』VS『CSI:ニューヨーク』リアルニューヨークを描いているのは??

自由奔放、自立したシングル女性のセックスライフを赤裸々でハッピーに描写し、女性から世界的圧倒支持を得た『セックス・アンド・ザ・シティ』。そして摩天楼の影に潜む極悪犯罪を追ったシリアス刑事物ドラマ『CSI:ニューヨーク』。どちらも舞台は華やかで刺激いっぱいのメトロポリタン、ニューヨーク!この街はその魅力から、一歩足を踏み入れたとたん二度と出ることができなくなる底なし沼のような魔力を持つ街なのです。(私が良い例。現在在住11年め突入!) さて、今回のVSは『SATC』 VS『CSI:ニューヨーク』。どちらがより生のニューヨークを演出しているのか検証してみましょう。

SATC検証その1 ストーリーセッティング
『SATC』の世界観は放送当時、私を含む一般人から「成功者かオールドマネーセレブ(お家柄がもともと良いお金持ち)じゃないとあそこまできらびやかな生活してないよねぇ~」と、多少ひがみを持って見られていました。オスカー・デ・ラ・レンタのガウンとマノロの靴に身を包み、上級社会パーティーに繰り出すなんて生活は普通は普通ではありません。しかしいるのですよ、驚くべき上流階級がここには。今やNYはバブル時代。わけのわからん成功者、お金持ちの2代目が派手に遊ぶ時代が到来しました。そして彼ら(彼女たちは)、たいして仕事もしていないのに、連日チャリティーやらオープニングやら、派手な場所を高価な服に身を包みリムジンで乗り付けて我が物顔で闊歩するのです。これはまさに『SATC』の世界! 同ドラマでサマンサが憤慨していた「13歳の娘のための豪華パーティー」だって最近では良く聞きます。「あそこの娘が船上パーティーをね」とか、「どこそこの有名クラブ貸しきって」なんてね。日本では考えられないかもしれませんね。

SATC  検証その2 トピックス
その時々の街の流行を押さえていたところが『SATC』の一番の面白さではないでしょうか? そしてドラマによってその流行にさらに火が付き、ついには『SATC』現象を多々引き起こしたことがこのドラマの一番のリアリティといえるでしょう。強烈なところでは「ブラジリアンワックス」なんてのがありましたっけ。今ではこの街の女性のみだしなみとしていたって普通となったのです。また、その前までは少し古臭いイメージのあったファッションデザイナー、オスカー・デ・ラ・レンタだって『SATC』 のおかげで一躍一世を風靡しました。マノロ・ブラニーク氏と並んで、ドラマの甘い蜜をたっぷり吸った一人ですね。それからこのドラマの自立した女性にみられる「結婚したくない症候群」なんてのも、今ではこの街の社会現象のひとつです。
もうひとつ面白かったのはNYの上流階級にありがちな驚きエピソードがふんだんにちりばめられていたところ。「ユダヤ人はユダヤ人としか結婚しないの」とか、「結婚前に遺産分与の同意書にサインをさせられた」なんて話は、日本の感覚からいえばあまり聞いたことないですよね? でも本当にいまだに起きていることなんです。

CSI:ニューヨーク 検証その1 ストーリーセッティング
『CSI:ニューヨーク』では、「闇黒に包まれた犯罪大都市NY」が舞台となっています。はて、NYは果たして未だ怪しき極悪犯罪都市なのでしょうか?
ん~、それはちょっとないですね。
そう、このドラマで日本のみなさんは未だNYが恐ろしい場所だと思っているかもしれませんが、犯罪は90年代以降めっきり減少し、NYはすっかり安全な都市に生まれ変わったのです。最近では規制が厳しすぎてクラブやらバーといったナイトライフの場がすっかり面白くなくなった、安全すぎるのも困ったもの!なんて市民が抗議しているほどなのです。
そりゃアメリカですから銃の誤発やドラッグの密売なんかでつかまる人の話はたまにニュースで聞きますが、連続殺人犯とかイーストリーバーで見つかった死体の耳に謎のチップが混入していた、、なんて話は聞いたこともないですね。ストリートに犯罪があふれていた80年代までは突拍子もない事件があったのかもしれませんが。

検証その2  撮影場所、キャスト
『CSI:ニューヨーク』がリプレゼントする一番本当にNYらしき箇所は、撮影に使われるランドマークの数々だといえるでしょう。ブルックリンブリッジ、セントラルパーク、グランドセントラルステーション、ブロンクス動物園に自然史博物館など、私も一度このドラマの放映を日本に帰省中にみましたが、「あーNYのこの雰囲気が懐かしいなぁ~」としみじみ郷愁の念を覚えた記憶があります。この街の美しいランドマークをシンボルとして画に収めるそのサービス精神、作る側のNYへの愛情を感じられずにはいられません。

そして犯罪に巻き込まれる人々のキャラクター描写もNYらしいポイントのひとつ。マーメイド姿の女性、ドッグショーマニア、騎馬警官や、SM同好会の方々にドラッグクイーンなんて、この街出身であれば、「あー、あのイベントね。」「あー、あそこにたむろしてるね。」なんて、深くまで話が読み取れるようになっているのです。この街らしいうなずけるキャラクターの数々。アングラなNYの要素も十分に映し出していると思います。

というわけで『SATC』 VS 『CSI:ニューヨーク』、この2つのドラマはニューヨークの今を違う角度から描写しているのではないかと思われますが、みなさんどう思われます?
私が個人的にプッシュしたいのは、やっぱりハイソできらびやかで女子向けの情報満載の『SATC』かしら??

『CSI:ニューヨーク』
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