「『CSI』のことなら語りますよ!」日本唯一のブルライダー、芝原仁一郎に突撃!

巨大かつ獰猛なブル(去勢される前の雄牛)にまたがり、8秒間全力で乗り続ける"地球上で最も危険なスポーツ"ブルライディング。この競技に挑み続けている、おそらく日本人で唯一のプロのブルライダーがいる。それが芝原仁一郎だ。現在オフシーズンということで、帰国していた芝原氏にブルライディングと出会ったきっかけや魅力、そしてアメリカでの生活について話を伺った。

単に"8秒間"と聞けば、たったそれだけ!?と思われがちだが、1トン級の雄牛が全力で暴れまくるピークパフォーマンスが"8秒間"なのだ。自分にまたがる人間を振り落とそうと前後左右、上下に跳びはね、ときには急激にスピンをもする雄牛の動きに対し、人間は牛とつながれたロープだけを頼りに8秒間ひたすら乗り耐える。怪我人も多く、危険極まりない競技だが、命がけの闘いだからこそ、世界中の人々が魅了されるのだ。

学生時代にクリント・イーストウッドの映画『許されざる者』や、ミッキー・ロークの『ハーレーダビットソン&マルボロマン』など、アメリカ文化に影響を受ける。その後、旅先のアメリカやカナダでカウボーイの文化に触れ、社会人2年目で渡米。現地でロデオを見て、中でもブルライディングに魅了されていったという。「単純にかっこよかった。日本で紹介されるカウボーイってガンスリング...拳銃を撃って闘うものばかりだったけれど、現地で本物のカウボーイを見て、今まで見てきたものとは違う! 自分は本物のカウボーイになりたい!と思った」それ以降、アメリカでカウボーイの生活をしながら競技を続けているという。

ブルライディングの魅力について一言では表せないという芝原氏。「実際に見てみればわかりますよ! 危険であっても、怪我をしてもやめようとは思わない。でもそれはサッカー選手なども同じ。怪我をしたからって辞めたいとは思わないでしょ? きっとそれと一緒ですよ」

現地でのプライベートライフを訪ねたところ、「トレーニングはしています。ブルライディングは筋力だけじゃなくバランス力が必要なので、体幹を鍛えるのが重要なんです」。

その一方、現地TV番組は英語を勉強するために片っ端から見ていたとのことなので、好きなドラマを伺ったところ、「『CSI:科学捜査班』と『クリミナル・マインド』、あと『NCIS』。グログロっとした犯罪刑事モノが好き。特に『CSI』はシーズン8がいい! また、ギル・グリッソム博士がいなくなってからがおもしろい! シーズン7のミニチュア・キラーのエピソードは最初から最後まで最高だった!」と熱く語りだした。『CSI』の話になったとたん、ブルライダーとしてのストイックな表情を一変させ、自身を"TVっ子"と称するだけあるハマりぶりを披露した。

なお、過去には『フレンズ』『となりのサインフェルド』などコメディも見ていたそうで、「セリフの間合いやフレーズを覚えたい! 日常生活で使える!」と思ったそうだ。

先日、ニュースでも取りあげたばかりだが、アメリカで西部劇ドラマが複数製作される動きがある、という話には「毎年そういう話が出てはハズすんですよ!!」と苦笑い。「最近だと映画『カウボーイ&エイリアン』。カウボーイなのにダニエル・クレイグはイギリス人だし!(笑)とはいえ、カウボーイの世界にエイリアンが出てくる展開がおもしろくて、結局全米で1位になったんですよ。アメリカ人の中では、カウボーイってやはり普遍的なものなんでしょうね」職業柄、西部劇やカウボーイに関するものは気になる様子だった。

今後もひたすらまっすぐにブルライディングを極めていきたいと語る芝原氏。「目標はやはりチャンピオンですね」迷いなく語る姿は、自身が「あまり好きではない」表現と語ってはいたけれど、まさに求道心を持つ"サムライ"だった。

■プロ・ブルライダー、芝原氏に密着したドキュメンタリー『ノンフィクションW 8秒に賭ける夢 ~サムライ・ブルライダー in USA~』は、9月12日(月)22:00からWOWOWで放送される。(海外ドラマNAVI)