対談 放送作家・平口氏×セレブウォッチャー・田嶋氏"『ボードウォーク・エンパイア』の女子的魅力ポイント"を語る!

海外ドラマニアにして放送作家の平口雅世氏とセレブウォッチャーとして女性誌等で活躍中の田嶋真理氏。海外ドラマNAVIのライターとしてもコラムを執筆しているお二人が、女子トーク満載で『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』の女子的魅力ポイントを大いに語り合う!

これぞ"ザ・HBO"な濃密人間ドラマに注目!

田嶋「このドラマはすごくHBOらしい作品ですよね。キャストの持って行きかたがすごく上手い。ブシェミは映画でのキャリアが長いし、すごく個性的で有名監督に愛されてるけど、ベタな主役を張るタイプじゃない。マイケル・ピットにしてもそうですよね。若くてきれいだけどすごくクセのある作品選びをする人だから。そんな二人を主役に持ってくるのがすごく"らしい"(笑)」

平口「ブシェミは『ザ・ソプラノズ』にも出てたし、ソプラノズが好きな人はこのドラマ、絶対好きだと思う。スコセッシが指名したって話だけど、それも納得!」

田嶋「ピットにしても、ジミーみたいな野心のある若者役にはピッタリの危うさを持ってるし。それにしてもナッキーのあの一筋縄ではいかない感じ、ブシェミにはすごく合ってる! ケリー・マクドナルドが演じるマーガレットに対しても最初は優しくてなんだか足ながおじさん的なポジションなのかな、って思わせるし」

平口「そんな善人じゃないけどね(笑)。でもマーガレットも結構クセ者だよ~。一見頼りなげで弱い女風に見えるけど、実際はかなりタフでしたたか(笑)」

田嶋「最初は夫の暴力に悩まされてて、か弱げですよね」

平口「その割にナッキーに仕事くれと直談判したり、度胸あるよ。ナッキーの愛人と対決しても意外と負けてない(笑) 最初は生活に疲れた主婦って感じだったけど、どんどん磨かれてきれいになっていくし」

田嶋「その愛人のルーシーもまた濃いキャラで(笑)」

平口「ナッキーとルーシーのやりとりはもうそれ自体が一種のプレイだよね(笑)。最初はそんな空気でもなかったけど、だんだんルーシーがちょっとヘンってことに気付く(笑)」

田嶋「このドラマって男性のドラマのイメージが強いけど、女性のキャラクターも結構見応えありますよね」

平口「ジミーのお母さんのジリアン(グレッチェン・モル)とかね。彼女も曰くありげだし。男たちの濃ゆ~いドラマの陰で繰り広げられる女たちのドラマも見逃せない!」

若さのピットか、いぶし銀のブシェミか!? 女心は揺れ動く

田嶋「マイケル・ピットって、若い頃はディカプリオに似てるとか言われてましたよね」

平口「そういえば、そんな時もあったね」

田嶋「ディカプリオはすっかり貫禄がついちゃったけど、ピットは意外に変わらない」

平口「だけどお母さんが若いよね~。一緒にいると恋人同士みたいに見える(笑)」

田嶋「でもその歳の近さもマイケル・ピットの危うさにはなんか合うんですよ。彼、昔からどこか危ういイメージがあるんですよね。ふっとタブーの壁を乗り越えちゃいそうというか。だからこのドラマでもヒヤヒヤする必要のない場面でも、ついヒヤヒヤしちゃう(笑)」

平口「ドラマの本筋とは関係ないんだけどね(笑) でもそれも楽しい(笑)」

田嶋「実際にあの二人は年齢差どのくらいなんでしたっけ?」

平口「ピットが81年生まれだから、9歳違いかな。ピット、もう三十路だから」

田嶋「でも役柄は21歳くらいの設定。ピット、まだまだイケますね(笑)」

平口「彼は童顔だから、ちょっとメイクすればまだイケる(笑)」

田嶋「もしかして、そのためにライティングもちょっと暗めにしてるとか...?」

平口「いやいや、なにもそこまでピットに無理くり合わせてないでしょ(笑) 昔だから電気がまだ弱かったんだよ(笑)」

田嶋「なるほど。ちゃんとそこまでこだわってるんだ(笑)」

平口「まぁ、でも時代ものって20歳そこそこの青年でも今より大人っぽかったりするから、30歳くらいの役者が演じるのはちょうどいいんじゃないかな」

田嶋「確かに。帽子とかかぶっちゃうと全然違和感ない。でもピットの見どころはやっぱりベッドシーンだと思う。描写も大胆だし、ピットはやっぱり美しいからベッドシーンもきれい」

平口「でもベッドシーンと言えばブシェミじゃない?」

田嶋「それはそうなんだけど、ブシェミのはある意味なんか生々しくて見てはいけないものを見た気になる(笑)」

平口「そこがリアリティなんだよ。微妙に皮膚がタルタルしてる感じとか(笑)、なんかね、不必要にギラギラしてない感じが逆にいいんだよね。精力はあるけど、適度に枯れてる感じ(笑)。個人的には終わった後に派手なローブを着ちゃうあの感覚にもくすぐられる(笑)。さらにポイント高いのはリッツに住んでるところ!(笑)」

田嶋「そこですか(笑) でも確かにホテル住まいは金持ちのステータス(笑)」

でもやっぱり気になるのはあの人!?
キャラクター・ドラマの深みにハマる!

平口「でも個人的に一番お気に入りなのはナッキーの執事のエディかな」

田嶋「あの気の利かない執事(笑)」

平口「気が利かないって!」

田嶋「や、なんかナッキーがエッチしてる時に邪魔しちゃったりするから(笑)」

平口「彼がちょいちょいかもし出すドイツの香りがたまらないんだよ。本筋とは全く関係ないちっちゃいことだけど、あのドイツネタが楽しみで(笑)」

田嶋「ツウですね~(笑)」

平口「彼は元々オペラをやる人なんだよね。メトロポリタン・オペラの舞台に度々立ってて。だからドラマでもいつか歌ってもらいたい!」

田嶋「このドラマってオジサマたちがみんなすごく味があるのも魅力ですよね。ナッキーにしてもあの人心掌握術はすごい!」

平口「若手では何気にカポネも気になる~。彼はだんだん良くなる予感が...。役者さんがすごくよくカポネを研究してる気がするんですよ。今はチンピラ風情だけど、それが暗黒街でのし上がっていくうちに、どう顔が変わっていくのか注目したい」

田嶋「ラッキー・ルチアーノは一応イケメン系ではあるんだけど、どこか抜けてる感じがちょっと女心をくすぐる(笑)」

平口「毎回なにかしらやらかしてるよね(笑)」

田嶋「カポネもラッキーも、後に大物ギャングになるわけだけど、カポネは若い頃からちょっと凶暴な雰囲気がちゃんとあるのに、ラッキーはなんかドジっ子感があるのが母性本能をくすぐるんですよ。スーツも伊達男的だし、それこそ花が似合う(笑)」

平口「HBOのドラマってちゃんとキャラクターを生かせる俳優をチョイスするよね。有名無名に関係なく、ドラマの世界観を体現できる役者を使う。このドラマの場合、ブシェミは映画ファンにはお馴染みの役者だけど、ザ・スターってわけじゃないし、逆に無名の俳優の方がドラマの世界にも入りやすいよね」

田嶋「アメドラのキャスティングってそういうところありますよね。日本みたいに有名俳優ばかりのドラマになることってまずなくて、新人や舞台の実力派を抜擢して、それがちゃんとハマってる。あくまでキャラクター重視。だからドラマが面白くなるんですよね」

■『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』10月9日(日)23:00から、WOWOWにて放送スタート!
【二カ国語】毎週日曜 23:00~ 他
【字幕版】 毎週日曜 9:45~ 他

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