ソーピィな復讐劇『リベンジ』の舞台ハンプトンってどんなところ?

『リベンジ』がついに先週末、日本でもスタートしました。ドラマの舞台となっているのは、アメドラファンには『SATC』や『ロイヤル・ペインズ 救命医ハンク』でおなじみのハンプトン。ハンプトンといえば、セレブの集う高級リゾート地っていうイメージが強いと思いますが、今回はもう少し詳しく項目別に分けて解説してみたいと思います。

<ハンプトンとは>
ハンプトンは、ニューヨーク州の南東に位置する島、ロングアイランドの東端近くにあります。東寄りのイースト・ハンプトンとマンハッタン寄りのサウスハンプトンは、それぞれ村やコミュニティが集まってできた大きな町ですが、その2つの町を合わせた総称です。総面積は、約330平方キロメートル。ニューヨーク市から83〜95マイル(約134~153キロ)の距離です。

<アクセス>
ニューヨーク市からは、車でも電車でも行けます。マンハッタンのペン・ステーション駅からロングアイランド鉄道を使うと、およそ2時間半。ニューヨーク市とハンプトン間を走っているHampton Jitney(ハンプトン・ジットニー)というバスも、同じくらいの所要時間です。『SATC』の4人のメインキャラがこのバスに乗ってハンプトンへ向かいますよね。また、『ゴシップガール』のシーズン2でも、このバスの中でセレナとダンのキワどいシーンがありました。

<成り立ちと土地柄>
17世紀半ばにお隣のコネチカット州から南下してきた農民や漁民が、ハンプトンの基礎を築きました。それから長い間、漁業や農業を中心に町が営まれていましたが、19世紀の終わり頃から、ニューヨーク市に住むアッパークラスの富裕層が都会の喧噪を逃れ、田舎の静けさや美しいビーチを求めて訪れるようになります。20世紀初頭には、彼らが夏の間に住む豪奢な別荘を建て始め、町として成長し栄えるようになりました。そして今もなおリッチな人々の豪邸が点在し、不動産価格は全米の水準からしても非常に高く、生活費も高いようです。それゆえに、ハンプトンに別荘を持ちパーティを開くことが、ニューヨーカー達の間でステイタスとなっているわけです。

 

<サウスハンプトン>
ハンプトンは前に述べたとおり、本来は複数の村やコミュニティからなる2つの大きな町のことです。でもその範囲は広く、当然ながらそこに住む誰もが裕福で、豪邸に住んでいるわけではありません。皆さんが高級住宅地を連想する"ハンプトン"は、イースト・ハンプトンの町の中のイースト・ハンプトン・ビレッジか、サウスハンプトンの町の中のサウスハンプトン・ビレッジというごく限られた地域のことをさしています。特にサウスハンプトン・ビレッジのことである場合が多いようです。このサウスハンプトン・ビレッジには、トレンドを牽引するショップやレストラン、ナイトクラブなどが多くあり、特に夏には、ニューヨーク市や近隣の州から訪れる人でにぎわいます。また、大西洋に面したウォーターフロントに豪邸が建つのもこの地域です。

 

<イースト・ハンプトン>
一方で、イースト・ハンプトン・ビレッジはもう少し落ち着いた印象で、繁華街もこぢんまりとしています。大型のチェーンストアも、ほとんどありません。あのジャクリーン・ケネディ・オナシスがこの地で生まれ(産声を上げたのはサウスハンプトンの病院ですが)、幼少期を過ごしたことは有名な話です。また、20世紀半ばくらいから、アーティストや作家の創作の場としても、注目されるようになりました。1940~50年代に住んでいた抽象画家のジャクソン・ポロックはその走りです。他にウィリアム・デ・クーニングやマーク・ロスコらも住んでいました。ポロックと妻のリー・クラスナーが住んだアトリエ兼住居、ポロック-クラスナー・ハウス・アンド・スタジオは、今では国定歴史建造物となっており、予約制で見学することができます。

 

<ビーチ>
ロングアイランドの多くのビーチにもいえますが、ハンプトンのビーチは砂が白くてきれいだという定評があります。海水は夏でも比較的冷たく、カリブ海のように透明で美しく、波がおだやかといは言い難いですが、海水浴やサーフィンなどのマリン・スポーツをするには申し分ないです。そんなビーチの美しさとハンプトンの高級感のあるイメージが人気を呼び、それほどリッチじゃない人たちも、夏の間だけビーチサイドの家をレンタルしたりして、こぞって遊びに行くようです。

 

<TVドラマ・映画 @ハンプトン>
ハンプトンが舞台となっているTVドラマや映画は少なくありません。『ロイヤル・ペインズ』では、「コンシェルジェ・ドクター」として主人公がセレブの病気を彼らの自宅で治療しますが、ハンプトンという土地柄をうまく使っていますよね。

ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンのロマコメ映画『恋愛適齢期』(2003年)でも、キートン演じる売れっ子劇作家のハンプトンの別荘が主な舞台でした。まだ記憶に新しいHBOのTV映画『グレイ・ガーデンズ 追憶の館』(2009年)は、ジャクリーン・ケネディ・オナシスの叔母と従姉妹にあたる母娘が、 イースト・ハンプトンの屋敷「グレイ・ガーデンズ」に世間と断絶して暮らす姿を描いたもの。また、上述した画家ジャクソン・ポロックの伝記的映画『ポロック 二人だけのアトリエ』(2000年)もそうです。エド・ハリスが主演・監督した佳作ですが、実際にイースト・ハンプトンで撮影しています。

 

<セレブの別荘>
ハンプトンズに別荘を持つセレブはあげたらそれこそ、枚挙に暇がありません。大御所スティーブン・スピルバーグを始め、ロバート・デニーロ、サラジェシカ・パーカー、グウィネス・パルトロウ、ジェニファー・ロペス、マドンナ、ケルシー・グラマー(『チアーズ』『それはないぜ!? フレイジャー』)、ショーン・コムズ(音楽プロデューサー)、L.A.リード(『X factor』)、ヒルトン・ファミリー、マーサ・スチュワート、などなど。なかでも、ビリー・ジョエルから3200万ドル(2000年3月当時の為替で33億6千万円)で買ったというジェリー・サインフェルドの総面積12エーカー(約4.9ヘクタール=4900平方メートル)の豪邸は、ゲストハウス完備で22台収容できる車庫、なんと野球場まである代物。セレブのサマーパーティ・ハウスとして全米でベストに選ばれています。また、スピルバーグのイースト・ハンプトンにある別荘で、1998年と99年の夏に当時大統領だったビル・クリントンとファースト・レディだったヒラリーが過ごしていたこともよく知られています。

 

さて、早くも『リベンジ』にハマりつつある皆さん、これでよりハンプトンに行ってみたくなったでしょうか? ニューヨークへお越しの際には、ハンプトンまで足をのばしてみるのも一興でしょう。エミリーのようなサマードレスを着てきれいなビーチを散歩してみてはいかが? ダニエルやジャックのようなイケメンに出会えるかも!?

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『リベンジ』放送予定

【吹替版】毎週土曜21:00~
【字幕版】毎週金曜23:00~

(c)ABC Studios

(画像協力)
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