新人女性スパイ、アニーの活躍を描いた『コバート・アフェア』で、アニーの同僚オーギーを演じるクリストファー・ゴーラムとジェイ役のセンディル・ラママーシーが揃って来日。同い年の二人はとにかく仲が良くて、インタビューでも絶妙な掛け合いを披露しながら、ドラマの魅力からイベント秘話まで、大いに語ってくれました。
―― 『コバート・アフェア』にはアクションだけでなく、登場人物の成長物語などいろんな魅力が詰まってますが、最初に脚本を読んだ時の印象はいかがでした?
センディル:最初に脚本を読んだのはまだ『HEROES/ヒーローズ』の撮影をしていた頃だったんだ。当時僕の友達がオーギー役のオーディションを受けてて、結局は知っての通りこの役はクリスが演じることになったんだけど。その後1年経ってこの番組はパイロット版を撮影していて、僕もちょうど『HEROES』が終わったところだった。それで2話から参加することになったんだ。出演が決まってクリスやクリエイターのマットともいろいろ話をしたし、主演のパイパーとも読み合わせをして、自分がこの作品に参加できることにとてもワクワクしたよ。強い女性主人公が活躍するストーリーの焦点の当て方も素晴らしいよね。
クリス:僕も脚本を読んでとても興奮したよ。オーギーはすごくやりがいのあるキャラクターだからね。盲目の人物というだけでなく、輝かしいキャリアを持った優秀な人物で、何か面白い過去があるという背景を持ったキャラクターだったから。ただひとつ心配だったのは、オーギーがおどけたオタクみたいにならないか、ってことだった。これから長く演じる上で、彼がどのような方向に進んでいくのか、その点に関してはクリエイターたちとすごく話し合ったよ。でも彼は目が見えないけど、とてもアクティブな人間で、これから先もいろいろな冒険が待っていると聞いて、さらにやる気をかき立てられた。でも同時にナーバスにもなったんだ。目が見えない人にはある種特定の動きのようなものがあるから、そこを自分はきちんと演じられるのか、ドラマを見ている人に正しく理解してもらえるような演技ができるのかってね。
―― オーギーはとても女性にモテるキャラクターでもありますよね。
クリス:いい役だよね(笑)。まぁ、ああいう女性にモテる役を演じるのは、結婚している身としてはちょっと落ち着かない部分もあるんだけど(笑)、でもオーギーがモテるのはよく分かるよ。彼はいろんな面ですごくバランスが取れてるから。ただ彼がモテキャラというか遊び人のような男を演じているのも、彼の精神的な部分が影響しているんだよね。そんな面も含めてモテる彼を演じるのはとても楽しいよ。
――センディルはそういう役を見てうらやましくなったりします?
センディル:僕はやきもちなんか焼かないよ!(笑) ジェイ自身も今のところあまりロマンスには気が向いてないから、オーギーがモテてもあまり気にしてないだろうね。彼は決して悪いヤツではないんだけど、今はとにかく野心に目が向いてるから。僕もこれまでロマンスのあるようなキャラクターを演じてきたけど、今回はそっちの筋肉はお休みして、別の筋肉を動かしているような感じだね(笑) それに今まで割といい人なキャラクターを演じることが多かったから、今回ほど狡猾さのある野心的な人間を演じるのは初めてだし、とても自由な気分で演じてるよ。
―― お二人が気に入っているシーンはどれですか?
センディル:もちろんクリスが出ているシーン全部だよ!(笑) それは半分冗談として、僕個人はアクション・シーンが好きだな。シーズン1、2ともアクション・シーンはたくさん出てくるけど、銃を使うシーンが特に好きなんだ。だって子どもの頃から銃を撃つ振りをして遊んできたのに、今は実際に銃を撃つことができてなおかつお金までもらえるんだから!(笑) シーズン1の終盤に出てくる倉庫でのシーンなんて最高だったよ。
クリス:僕としてはオーギーが現場に出るミッションがやっぱり楽しかったな。あれはダグ・リーマンのクリエイティビティがよく表れているエピソードでもあるし、盲目の人間が格闘に勝つ部分にもすごく信憑性があるんだ。もちろんこれはオーギーの身体能力の高さが前提にはなっているんだけど。オーギーの過去が垣間見えるのもいいよね。元カノが出てきたり、ロマンスとアクションの融合というこのドラマの特徴が遺憾なく発揮されているエピソードだと思うよ。
―― 二人を見ていると、現場でもチームワークがいいんだろうなぁと思えるですが、撮影現場での雰囲気はどんな感じなんでしょう?
クリス:とてもいい雰囲気だよ。現場のムード作りにはやっぱり主役の人が要になるんだけど、パイパーは本当に性格もいいし、プロ意識が高くて、ものすごく真面目にこの作品に取り組んでいるんだ。真面目だけど決してピリピリしたところがなくて、彼女自身にゆとりが感じられるから、周りの人間も自分らしくいられるし、クリエイティブなものを作り出す土壌を生み出してるんだと思うよ。だからこのドラマの現場ではみんながお互いにサポートし合ってるって感じなんだ。
センディル:そうだね。仕事に対してはみんなシリアスだけど、普段はいつもジョークが飛び交ってるよね。シーズン1の頃だったけど、現場にキャップを外したままでも2週間は使えるっていうマーカーペンがあったんだ。それでみんなで確かめようってことになったんだけど、これが3か月、4か月経ってもまだ使えるんだ。やがてとうとうそのペンは使えなくなったわけだけど、その時に僕たちはちゃんと埋葬式までやったんだよ。ダニエルの裏庭に埋めてね。ものすごくバカバカしいことだと思うけど、そうやって僕たちは精神衛生を健全に保ってるんだ(笑)
―― イベントのステージ上でも通訳さんがいないところで二人で話してたりとか、仲の良さが際立ってましたが、NAVIのスタッフがあの二人、何を話してるんだろう? ってめちゃくちゃ気になってたみたいなので教えてもらえませんか?
クリス:(爆笑)
センディル:僕たち二人ともものすごく酔っ払ってたんだよ(笑)
クリス:(笑) 実際には「なんてシュールな現実なんだ」って話してたんだ。僕たち二人とも日本語が話せないし、全く言葉が分からない中、僕は会話にすごく遅れをとってるんじゃないかってちょっと不安だったし、逆に恥をかかないようにしなくちゃって、ちょっと気合を入れたりね。あと質問に対して答えを短くしなくちゃ! って(笑)
センディル:でもこのイベントをやって、今後の契約にも「現場でも必ず二人の美女が僕たちがいかにイケメンかって褒め続けてくれる事」をぜひ含めたいと思ったよ(笑) あれはすごくいい気分になるから、今後もぜひ続けたいね(笑)
クリス:だけどここでハッキリさせておきたいんだけど、あの美しい女性もきれいな花束も、イベントが終わったとたん、僕たちから離れて二度と戻って来なかったよ(笑)
センディル:そうそう。妻にもちゃんと情報が伝わるように、ここでハッキリとさせておかないとね(笑)
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『コバート・アフェア』第1話、第2話を収録したDVDは、4月18日から発売&レンタル開始、さらに4月25日からは第3~11話までを収録したDVD-BOXが発売される。
Photo:Takahashi Masashi