『ホワイトカラー』のシーズン3が、いよいよ日本で初放送となる。天才詐欺師ニールが、自由を手に入れるためにFBIに協力し、ニューヨークの街で発生する知的犯罪を明らかにしていく。本国ではすでにシーズン4の製作が決定しており、シーズンを重ねていくごとにさらに人気が高まっている。
日本での新シリーズ放送に先がけて、ニール役を演じる主演のマット・ボマーが本作の魅力や、自身が演じるニールについて語ってくれました。是非放送前にマットの声をお楽しみください!
――ニールのキャラクターは非常に愛すべき役柄ですが、彼を演じるにあたってどのように役作りしているのですか? 『泥棒成金』のヒーロー像が頭の中にあったのでしょうか?
クリエイーターのジェフ・イースティンと始めの頃に、情報源となる資料を読み、役柄の参考となるものについてはよく話し合いをしたんだよね。『泥棒成金』(55年)のケイリー・グラントから、『スティング』(73年)のポール・ニューマンから、それに、『フェリスはある朝突然に』(86年)ですらね。彼は大きな子どもみたいなところがあって、完全には大人になりきっていないし、衝動的な行動をする。自分自身に正直であるところがあるからね。それから誰がいたかなあ。そうそう、『キャッチー・ミー・イフ・ユー・キャン』(02年)のフランク・W・アバグネル・Jr.とかもね。
――彼らのファッションも頭の中にあったのですか?
ファッションについては本当にジェフのアイディアから始まって、それを二人で微調整したんだよ。だけど、ラット・パック(50年代に活躍したハンフリー・ボガード、フランク・シナトラ、サミー・デイヴィス・Jr.などの俳優仲間の総称)をすごく意識したものであることだけは確かなんだ。彼が何者で、どんな人間を信じるのかとか、信条とか、人生観とかに大きく影響したからね。それで、彼はきっとそういう色々なアイコニックな人々から、ニールのアイデンティティを創り上げたんだよね。フランク(・シナトラ)とか、ディーン(・マーティン)とかね。だから、彼の人間像はそういう人々に大きく影響されていると思う。それから、テーパード・スーツとか、すごく身体にフィットしたスーツとかね。ポケット・チーフとか、アクセサリーとか。パーソナルなスタイルのセンスみたいなものもね。
――ドラマは成功しましたが、あなたが主役なわけですから、あなたがこのドラマのすべてであると言っていいと思うのですが、ご自身ではそれをどう受け止めていますか? 責任感のようなものは感じますか? または成功してしたことで、何かしらのプレッシャーを感じてますか?
こんなこと言うとわざとらしいと思うんだけど、僕はいつもこのドラマは、アンサンブルでできていると思っているんだ。だから、そのうちのひとつでも間違った場所にあれば、大きなパズルは完成しないと思っている。常にプレッシャーは感じているわけだけど、でも、それはこの仕事をやっている上では当然のことなんだよ。幸運にも素晴らしい脚本家と共演者に恵まれているおかげで、僕自身もドラマを通じて向上できるんだ。だから、僕も、みんなにとってそういう存在でありたいと思っている。それにプレッシャー以上に番組の制作は最高だし、楽しいからね。(笑)
――あなたの役は、二枚目のエージェントという設定ですが、何歳の時に、自分自身でルックスがいいことを気付きましたか? そして人にそう言われた時どう思いましたか?
いやいまだにそう言われるのを待っているところなんだよね...(笑)僕には兄がいるんだけど、年上の兄弟がいる場合、弟の役割は"弟をカッコいいとか良いとか思わせないようにすること"なんだよね。だからニール・キャフリーというキャラクターに皆が惹かれるのはとてもうれしいね。
――それでも私たちはあなたを二枚目だと思っていますよ!
ありがとう。
――二枚目であることは、キャスティング上有利だったり、逆に、重荷だったと思うことはありますか?
(笑)うーーんとそうだなあ。どうやって答えるか考えてみるね。えっと、もちろん場合によってはそのせいで役から外されるようなこともあると思うし、人が捜しているものと違っていたりすることがあるからね。もちろん、そのおかげで助けられたことだって絶対にあると思うんだ。
そもそも、俳優という職業というのは、自分ではまったくコントロールできないことのほうがほとんどだからね。しかも、すごく主観的に物事が決まっていくし、自分ではどうすることもできない。自分にできることは、作品に出演して自分が演じているキャラクターをいかに作り上げるのか考えることに神経を注ぐこと。そして、それを人が気に入ってくれればいいなあと願うことくらいしかできなからね。それ以外のことは、本当に運命でしかないと思うんだよね(笑)
――『ホワイトカラー』シーズン3はいよいよ日本でOAされることになったのですが、シーズン3では、ニール・キャフリーとサラ・エリスの関係性は発展していくのでしょうか?
僕は彼らの関係性がすごく好きなんだよね。というのも、すごく大人の関係だと思うからね。彼らは、どんな世界からお互いやってきたのかということを、お互い理解し合っているし。それに詐欺師の世界というのは、すごく移り変わりが早くて、しかも自由だ。だから、そこには親密な関係性みたいなものは存在しないんだ。一か八かの世界だし、すごく情熱があるし、そのストレスから開放されたら、次に移動する(笑)。って今の発言が卑猥に聴こえてたらごめん(笑)。でも、彼らは本当に大人の関係性を持っていると思うんだよね。ニールはサラをすごく尊敬しているし、理解している。それ以前にもちろん彼女をすごく美しいと思っているしね。それに、サラ役のヒラリー(・バートン)は実際本当に美しいしね。それからニールはサラの知性を尊敬している。本当に自立した女性なんだ。サラは、ニールから必要としているものなんて何もないんだよね。それをニールはすごく魅力的だと思っているし、だから彼らの関係性はもちろんこれからも絶対に発展していくと思うんだ。そして、もっと親密なものになっていくと思うよ。
でも、ニールはそれを恐れてもいると思うんだ。というのも、ニールは、親密な人間関係を苦手としているからね。とりわけ、ケイトが最近亡くなったことを考えるとね。
――ピーター役のティム・ディケイとはいつ頃から上手くやっていけると気付いたのですか? そのきっかけのエピソード等はありますか?
僕にとってティム・ディケイと仕事することは、子どもの頃みたいに、思い切り遊びたいだけ遊ぶような感じなんだよね。遊びを止めたくなくて、お母さんが夕飯だから家に帰って来なさいと5回呼んでも、聞かないのに似ているというかね。ティム・ディケイとの共演ってそういう感じなんだ。
初めて共演した時、ふたりの間にすごく強烈なエネルギーがあったんだ。お互いを理解し合っているという風に思えたし、ユーモアのセンスも似ていたしね。それに一緒に過ごす時間も長いし、その間お互いを笑わせてばかりいるんだ。とりわけ、重苦しいシーンを撮影しなくてはいけなくなったりするとね。だから会った初日から、いや会った瞬間から、彼と一緒の時間はいつも最高なんだ。最初に台本読みをした瞬間からね。
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『ホワイトカラー』シーズン3は、AXNミステリーにて二ヶ国語版が6月4日(月)22:00から、字幕版は6月9日(土)23:00から放送スタート!
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