米国時間14日、カリフォルニア州リヴァーサイドにて2011年5月にソファーで寝ていた父親を拳銃で殺害した12歳の少年の裁判が行われ、少年は第二級殺人罪で有罪となった。この事件は、父親を殺害した少年が犯行当時は10歳だったこと、さらに人気犯罪ドラマに影響を受けて殺害を実行したと発言していたことから注目されていた。

有罪となった少年は、失業中の父親から日々、酒に酔った勢いで暴力を振るわれ虐待されていた。 無責任な父親に家庭をメチャクチャにされ、あげくに自分そして継母や兄弟姉妹を捨てて父が家を出て行ってしまうだろうという恐怖から殺害したと少年は証言していた。 外国人排斥国粋主義のネオナチ団体のリーダーであった父親は、日頃から少年を狙撃練習場ヘ連れて行ったり、ネオナチの過激なイベントなどにも一緒に参加させたり、家にはネオナチ・メンバーが集まり拳銃に接する機会も多かった。

裁判では、学習障害があると診断されていたこの少年が、犯行当時に父親殺害と言う事実の善悪を理解していたかどうかが問われていた。国選弁護人は、少年が育った暴力と嫌悪に満ちた劣悪な環境が、少年に何が正しいか何が悪いかと言う判断力を欠如させた原因のひとつであると発言していた。

少年本人は刑事の尋問に対して、米CBSの人気犯罪ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』のとあるエピソードに影響を受けて父親を殺害したと述べていた。"父親に虐待され続けた少年が、父親を殺害したが逮捕されず罪に問われなかった"と言うエピソードを観て影響され「自分も全く同じことをしただけだ」と発言していた。

しかし裁判所の判事は冒頭に述べた通り、「犯行当時10歳の少年には善悪を理解できる責任能力があった」と言う決断を下し有罪となった。この少年が少年刑務所に入所するか更生施設に入るかは今後決定される。

銃犯罪が絶えない米国では新たな銃規制法がなかなか成立しない一方で、犯罪映画やドラマなどからの影響の是非も論じられている。(海外ドラマNAVI)