感極まるダスティン・ホフマンの目に涙が...初監督作品『カルテット! 人生のオペラハウス』ジャパンプレミア

『卒業』『クレイマー、クレイマー』『レインマン』など多くの名作に出演してきた俳優ダスティン・ホフマンが初めて監督を務めることになった映画『カルテット! 人生のオペラハウス』。本作が4月19日(金)から日本で公開されることを記念して、ホフマンが21年ぶりに来日し、ジャパンプレミアに姿を現した。

舞台挨拶前に披露された平均年齢77.4歳の団員で構成されるシニア混声合唱団「ムジカおさらぎ」によるヴェルディ「乾杯の歌」(オペラ「椿姫」)、そして世界的オペラ歌手、中丸三千繪によるプッチーニ「歌に生き、恋に生き」(オペラ「トスカ」より)の歌唱を舞台袖で聴いていたホフマンは、「本当に素晴らしかった。一つだけ残念なのはこの顔ぶれの中で一番年を取ってるのは僕だってこと」と笑わせ、さらに観客に向かって「皆さんの顔、覚えてますよ。ぼくが(1967年に)『卒業』をやった頃から応援してくれてましたよね...まあ、本当に時間が経つのは早いもので」と互いの年齢をネタに笑いをとると、場内からあたたかい拍手がわきおこった。

引退した音楽家たちが暮らすホームの再建に向けて、往年の4大オペラ歌手が伝説かつ史上最高齢のオペラコンサートを開くまでを描いた本作について、「すでにキャストとして決まっている方を除くと、本物の(シニア層の)オペラ歌手やミュージシャンを起用したかったんだ。この人たちはまだまだ歌えるし、まだ素晴らしい演奏ができる人たちなのに、社会は何十年間も彼らに仕事を与えなかった。アメリカや西洋では残念なことに、年老いた彼らに仕事をするチャンスを与えたり、リスペクトする姿勢がないんです。僕は彼らにこの映画の出演をお願いしたところ、みんな喜んで引き受けてくれ、長時間にわたる撮影についてきてくれた。そんな彼らのおかげでこの映画ができ、彼らは新しい人生をスタートさせることができた。僕らは互いに素晴らしい贈り物を贈り合えた気がします」と語ると、様々な思いがこみ上げてきたのか、思わず涙を浮かべ、目をぬぐうホフマンだった。

『カルテット!人生のオペラハウス』は、『ダウントン・アビー』のマギー・スミスをはじめ、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボンらが出演する。4月19日(金)からTOHOシネマズほかで公開される。(海外ドラマNAVI)