空前の大人気映画『レ・ミゼラブル』でマリウス役を演じたエディ・レッドメインが緊急来日! 映画の裏話、オーディション秘話などをたっぷり語っていただきました! その模様をお届けします。
――アカデミー賞授賞式で『レ・ミゼラブル』キャスト全員で歌っていらっしゃいましたよね?あのときの感想と、裏話がありましたら教えてください。
怖かったです(笑)。映画で生歌をやることが素晴らしいんだって話はいろいろなところでずっとしているんだけど、そうはいっても映画はやっぱり「失敗したらもう一回出来る」って気持ちがありますよね!? でもオスカーの時は一回きりということで、しかも見ている人数がすごいですよね。だからちょっと緊張しました。でも素晴らしかったです。
――これまでにたくさん歌のお仕事をしていらっしゃいますが、音域や音量は、どのくらいまで出せるんですか?
(音域でいうなら)上も下も、じゅうぶんではないです。(笑)だから、映画の撮影はすごく難しかったんですよ。高い声が出ないわけではないんですが、すごい大声で歌いきる時、声は出たとしても音程を外すわけにいかないし...。でも映画の撮影はカメラが顔の近くにあって、しかも大声で歌いまくるところじゃないので、ファルセット(裏声)みたいな形でうまく声に幅を持たせて歌ってみましたね。
――歌を現場で生録音しているということが話題になりましたが、実際に感情が溢れるようなシーンを生で歌ってみて、今までにない感覚を味わったということはありましたか?
ぼくは歌がすごく好きで、子どもの頃から歌をずっと聴いてきました。撮影時間の長い中で演技のために、歌がない場面で自分の感情をつなぎ留めて置くため、音楽を聴くことがあるんですよ。音楽っていうのは不思議な力がありますね。今回、自分の曲「Empty Chairs at Empty Tables(カフェ・ソング)」を歌う時に、もうこれは絶対失敗出来ないっていう自分の気持ちと、マリウスというキャラクターがその時に感じてるものとが、すごくうまく相互に作用しました。子どもの時からオリジナル・ロンドンキャストのマイケル・ボールが歌っていた大好きなこの曲を聴いてたんです。だから、この曲に対する想いっていうのもありますので、ここは絶対にうまくやらなければいけない、この5時間でしか出来ない、やらなきゃいけないっていう焦りがかえって、そのシーンの感情を出すのに役に立ったということがあります。これは本当に初めての感覚でした。
――子どもの頃から歌が好きだということですが、自分の声が美声だと気付かれたのはいつですか? ミュージカル映画に出たいと思ったのはいつ頃なんでしょうか?
お母さんが「とっても歌がうまいよ。」と私を褒めてくれたんで、そういった意味ではサポートしてくれましたね。学校でも歌が好きだったので歌っていたんですが、実際に演技をするようになってからは、演技の方に興味が出てしまい十数年あんまり歌ってなかったんですね。だから今回はまた先生についていただき習いました。この作品は子どもの頃からよく知っている作品でしたし。監督がトム・フーパーさんということもあって、非常にチャレンジしたい役だと思ったので、自分の歌声をiPhoneに録音して送り、それで、オーディションを受けました。これまでに私は8 年間くらい、映画の経験がありますので、その「カフェ・ソング」は舞台で観客に歌いあげるのではなく、映画の中で歌うのなら、観客を惹きつけ、映画の中に引き込むことが出来るところまでは、僕にも出来るんじゃないかなという気持ちはありました。
――自分がマリウス役に選ばれた理由はなんだと思いますか?
理由は分らないですけど、一つはすごく自分が熱心にやりたいっていう気持ちが伝わったのかなぁと思います。実際にトム・フーパーさんとは知り合いで、とっても親しくさせて頂いてるので、オーディションをしてるという話だったのでとにかく自分の歌歌声を聞いてもらおうと思いました。マリウスは17か18歳の若い子を想定していたと思われます。なので僕は「アンジョラスだったらいいんじゃない?」みたいなことを言われたんですが、最終的にマリウス役で話がきましたね。
最初は監督だけでいいかもしれないけど、その後はプロデューサーや作曲家など、どんどんいろいろな人の前で歌わなきゃいけなくなって、まさにそれは『アメリカン・アイドル』とか『Xファクター』みたいな感じです! 自分がずっと憧れていた人や、実際にその曲を作った作曲家の前で歌わなければいけないので、本当に怖いくらいの経験でした。
――オーディションは何次くらいまであったんですか?
自分のオーディションは4、5回だと思います。全体の中で僕は先に選ばれました。でも契約書にサインしてるわけでもなく、今度は自分に合う相手役のコゼットやエポニーヌを探すため、そのオーディションに自分が同席することになり、最終的に全員が決まるまで、かない長い間立ち会いましたよ。
――『マリリン7日間の恋』や、この『レ・ミゼラブル』でより一層日本でも人気が浸透したと思いますが、日本人ファンからのプレゼントやファンレターはどういったものが届きますか?
幸運なことに、本当に素敵なものをいただきます。1か月に1度ぐらい、まとめて返事を書くようにしています。たぶんおっしゃったように『マリリン~』の頃からだと思うんですけど、日本の方から色々な手紙ですとか、特に日本の便箋が物凄く綺麗で、とても丁寧に書いてくださるんです。とてもありがたいと思っています。今回たった2日間ですが、来日することができて嬉しく思っています。逆に、自分は字が汚いので、とっても恥ずかしいんですけれども(笑)。
――日本のファンに対する印象はどのような感じですか?
日本の方はとても寛大で優しいですね、特に『レ・ミゼラブル』に関しては色々皆さん想いを持っている、自分の思い出とこの作品をつなげてらっしゃるところがあると思います。なので、そういう自分の思い入れを持って、演技がどうだったとかこういうところが良かったというようなことを書いてくださいます。
――魅力的な作品に出てらっしゃいますが、ご自身はどんな作品が好きで、どんな作品に出演したいと思いますか?
出る方も見る方もジャンルには捉われないです。どういうようなものでも、いろいろな種類があった方が自分はいいと思っています。だからフレンチ系のアート作品を観に行ったりとかもしますよ。一方でハリウッドの大型作品も全部観ます。俳優でいうと、ライアン・ゴズリングさん、ミッシェル・ウィリアムズさん、キャリー・マリガンさん、最近はブラッドリー・クーパーさん...彼は本当に素晴らしいと思う、そういう俳優さんを目的に必ず観に行く映画っていうのもありますのでかなり幅としては広いですね。エドワード・ノートンさんとかも好きですね。
――最近の一番のお気に入りは何ですか?
キャサリン・ビグローさんの作品、『ゼロ・ダーク・サーティ』は素晴らしかった。あと、遅くなったけどやっと見ることができた『世界に一つのプレイブック』。これはロバート・デニーロさんとジェニファー・ローレンスさんが素晴らしかったなあ。マリオン・コティヤールさんの『君と歩く世界』もね。彼女は素晴らしい俳優さんだと思うので、最近ではそういうのがいいと思います。
(海外ドラマNAVI)
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映画『レ・ミゼラブル』ブルーレイ&DVD
ジェネオン・ユニバーサルより6月21日(金)リリース。
同日よりレンタル&オンデマンドもスタートされる。
Photo:『レ・ミゼラブル』
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