アメリカで人気の子ども向け教育番組『セサミストリート』。その舞台となる同名の街角の住人に、「父親が刑務所に投獄されている」という設定のマペットキャラが加わった。

このマペットキャラの名前は"アレックス"。お父さんと一緒にレースカーのおもちゃを作ろうと大はしゃぎするマペットたちのなかで、ただひとり浮かぬ顔をしている。でも、どうしてと尋ねられてもなかなか答えようとしない。やがて重い口を開き「パパは刑務所に入れられているんだ」と打ち明けるアレックスに、人間のお姉さんは「あなたの気持ちはよくわかる。私もあなたと同じくらいの年に、お父さんが投獄されていたの」と語りかけ、みんなで親身になってアレックスの話に耳を傾ける。

アメリカでは、投獄された親をもつ子どもの数が、過去20年間に約80%も増加。連邦または州刑務所に入れられた親をもつ子どもたちの数は現在270万人とのことで、28人のうちひとりは親が投獄されている勘定になる。しかし、そんな子どもがどんな気持ちでいるのかは見過ごされてきた。

そこで、番組製作元のセサミワークショップは、怒りや恥ずかしさ、罪悪感といった気持ちを認め、それといかに向き合うかを教えるプログラムを提唱中。子どもたちや保護者に向けて、番組公式サイトで映像とともに教材を提供している。

これまでにも、人種差別や親の離婚など、子どもの生活に密接にかかわるテーマに取り組んできた同番組。今回のマペットキャラの設定もインパクトがあったようで、メディアはこぞって取り上げているところだ。(海外ドラマNAVI)