巨額の予算を投じた本格SFドラマ『Defiance』がシーズン2に更新され、絶好調の米Syfy。オリジナルドラマのヒットを受けて、今年はさらに積極的にパイロットを検討していくようだ。

先月も映画『レギオン』(2010)をベースに、天使の軍団と人類の戦いを描いた超常アクションドラマ『Dominion』のパイロット製作にゴーサインが出たばかり。この作品は、Syfyの数ある企画の中でも、90分のパイロットを勝ち取り、シリーズ化も念頭に置いているという有力株だ。

そして今回、いよいよ本格始動しそうなのが1995年のテリー・ギリアム監督作品『12モンキーズ』のTVドラマ化だ。映画では、ブルース・ウィリス、ブラッド・ピットの二大スターが共演する異色作で、謎のウィルスによって絶滅の危機に瀕した人類が、その原因を探るために過去に囚人を送りこむというタイムトラベルもの。

実は7月に、90分の独立型パイロット(もしシリーズ化されなくても、TV映画として放送できる内容にする)として売り込んでいたが、米Deadlineによると、結局、60分の通常パイロットとして動くことで落ち着いたようだ。脚本は、テリー・マタラス(『ニキータ』『テラノバ』『スタートレック:エンタープライズ』)とトラヴィス・フィケット(『ニキータ』『テラノバ』)と実力派がそろっているが、シリーズ化を目指すには、主演が誰になるかが鍵となる。有名な俳優が出演することが前提で今回のパイロットはオーダーされているからだ。

現在、撮影開始は11月の予定。局が納得するようなキャストが決まり次第のスタートとなりそうだ。

過去と現在を行き来しながら原因究明を探っていくミステリー仕立てのストーリーは、2時間の映画よりもむしろ連続ドラマの方が、さらに世界観が広がるという期待感が高い。それだけに主演はかなり重要。しかもブルースやブラッドといった、今も現役バリバリのスターがかつて演じてただけにどうしても比べられてしまう。さて、今後、TV版『12モンキーズ』はどのように展開していくのか。キャスティングを含め、今後の行方を見守りたい。(海外ドラマNAVI)