オリジナルドラマの人気にあやかり製作されるスピンオフドラマ。ゼロからスタートするよりも、認知度という点から有利として最近、ますますスピンオフへの期待が高まっているが、もちろんすべてが成功するわけではない。そこで米TV Guideで今まで報じられた「やらなきゃよかったスピンオフ」から、海外ドラマNAVI的視点から10本ピックアップしてご紹介しよう。

■『AfterMASH』
朝鮮戦争で韓国に駐在した、米陸軍の移動野戦外科病院の日々を描いたドラマ『M*A*S*H』(Mobile Army Surgical Hospital)。1973年から11シーズンにわたり放映された『M*A*S*H』は、戦争・医療ものならではのシリアスなテーマを、時にブラックユーモアたっぷりに描き、視聴者から熱狂的な支持を受けた伝説的なTVシリーズだ。

このドラマの終了後に制作された『AfterMASH』は、『M*A*S*H』の主要キャラ、ポッター大佐(ハリー・ホーガン)、クリンガー(ジャミー・ファー)、そしてマルケイ神父(ウィリアム・クリストファー)にスポットを当てた作品で、朝鮮戦争より帰還し退役軍人病院で働く3人が、一般市民としての生活になじもうとする姿をコミカルに描いている。

しかし、実際の野戦病院従事者の取材を基に製作された本家の『M*A*S*H』と違い、戦争下にない環境で戦争の恐ろしさを伝えるにはパンチがなさすぎたと指摘する声も。結局、『AfterMASH』はシーズン2半ばで打ち切りとなり、29エピソードと短命に終わった。ちなみに、『AfterMASH』は、後遺症を意味する"aftermath"と、"『M*A*S*H』の後"を掛けた造語。(海外ドラマNAVI)