オリジナルドラマの人気にあやかり製作されるスピンオフドラマ。ゼロからスタートするよりも、認知度という点から有利として最近、ますますスピンオフへの期待が高まっているが、もちろんすべてが成功するわけではない。そこで米TV Guideで今まで報じられた「やらなきゃよかったスピンオフ」から、海外ドラマNAVI的視点から10本ピックアップしてご紹介しよう。

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■『ベイウォッチ・ナイト』
5本目はカリフォルニアのライフガードの活躍を描いた『ベイウォッチ』のスピンオフ。1989年から2001年の間、シーズン11までのロングランを続けた本家は、海の安全を守るライフガードの仕事ぶりをスリリリングに描き、美男美女のキャストがビーチで恋愛劇を繰り広げ、大ヒットした。世界142か国で放送され、日本でもテレビ東京、NHK BS、スーパー!ドラマTVなどで放送されている。

スピンオフは、本家も放送中の1995年にスタート。主人公は同じくデヴィッド・ハッセルホフ演じる隊長のミッチ・ブキャナンで、タイトルのとおり夜の間、(なぜか)私立探偵としても活躍する様子を描く。真昼のビーチが舞台の本家とは正反対の、夜の犯罪ドラマだ。

TV Guideは"やらなきゃよかった"理由として、「ドラマから太陽と肌の露出を減らす意味がわからない」とドラマの根本からダメ出し。アイデアがイマイチなうえ、製作陣がストーリーの舞台を私立探偵事務所にしたことも理解不能ともはや全否定。同作は間違った方向に進み続け、シーズン2になると扱う事件が超常現象ものへと飛躍。これは当時、大ヒットしていた『X-ファイル』のマネをしたと指摘される。ついには、誰もついていけなくなり、かくして打ち切りという厳しい波に飲み込まれ、静かに沈められた。同作は、シーズン2をもって終了した。

スリリングな犯罪ドラマに挑戦したのはいいけれど、本家の主演俳優でも、ドラマの売りとされる太陽と日焼けしたボディなくしては成り立たなかったようだ。『X-ファイル』人気にあやかろうと追従したことも、結果、打ち切りの呼び水となってしまった。(海外ドラマNAVI)